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【J‐TREC出場】【JR東日本+静岡鉄道】 E531系先頭車(クハE531-17※K409編成10号車)+A3000形(A3012号) J-TREC横浜事業所出場 2024年2月1日
⭐︎例を見ない 異なる鉄道会社の異なる車両が同時出場!⭐︎
2月1日未明、JR東日本E531系先頭車と静岡鉄道A3000形が出場しました。
E531系は2020年3月3日以来、静岡鉄道は2023年1月12日以来の出場となります。
今回の出場は様々な要因により異なる鉄道事業者が連結されるという非常に珍しい形となりました。
過去数年では同一鉄道事業者の別形式での出場実績がありますが、東西及び架線電圧も異なる鉄道事業者が同時に出場するのは中々無く非常に珍しい出来事になりました。
・出場時の様子
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出場前から4ドアの電車と3ドアの電車が混在する異様な光景。
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腰下部に養生がされている。
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こちらは両前面に養生がされており、お顔を拝見することは不可能。
・JR東日本E531系
今回は、異なる鉄道事業者の車両が同時に出場しましたので出場した車両を個別に紹介致します。
今回出場した車両の一つ目は、E531系先頭車「クハE531-17」。
何故、先頭車だけが出場したのでしょうか?
これには少し訳がありました。
・悲運な事故発生
2021年3月26日未明、土浦~神立間走行中の勝田行最終列車が、線路内に進入した乗用車と衝突。
乗用車は大破しただけでなく、列車の方も脱線及び先頭車両が炎上する大惨事となりました。
この当該編成がK417編成であり、事故の影響により同編成の10号車が運用不能。
残りの9両は無事でありましたが、先頭車が1両欠けてしまった故に走らせることが出来なくなりました。
・使い道がなくなった9両の行方
比較的無事であった残りの9両も、事故調査が終わった後の使い道が無く、車両基地の肥やしになる問題が発生します。
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Tc・Tc’:先頭車(クハ)
T・T’:中間車(サハ)
M・M’:中間車(モハ)
Tsbc・Tsbc’:グリーン車(サロ)
東京・上野方面の先頭車は1号車・11号車、水戸・勝田方面の先頭車は10号車・15号車となる。
先頭車が修復されるまで車両基地のスペースの肥やしになるか、素直に廃車になるか迫っている頃、所属先の勝田車両センターは様々な方法で残りの9両を活かすやり方を行います。
・9両を活かすための組み換えが始まる
先頭車を1両失ったK417編成の残り9両を活かすために、K409編成の10号車(クハE531-9)がK417編成の先頭車となり10両編成となりました。
しかし、基本編成の1両を抜き取って被災車両に組み込まれても再びK409編成の9両が車両基地の肥やしとなってしまいます。
ただし、ここで終わらないのが415系の組み換えで実績がある勝田車両センター。
被災車両の代わりに捻出されたK409編成の10号車は付属編成であるK461編成の15号車(クハE531-1011)がK409編成の10号車へ貸し出される形となり、2本の基本編成が営業運転に復帰しました。
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K417編成の譲渡により1両欠車となったK409編成は、付属編成であるK461編成の先頭車(TcE531-1011)を組み込むことにより基本編成の車両不足を一時的に補う。
※K461は残り4両は休車扱いとなり車両基地の肥やしとなる。
ただし、組み替えられたK409編成の10号車は付属編成のK461編成の15号車から貰っている為に本来トイレのある車両からトイレ無し車両となりました。
しかし、約半年程営業運転をした後に再び編成を解かれ車両基地の肥やしとなり半年過ぎることになりました。
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ただし、事故被災車でもないK409編成はK417編成に10号車を抜き取られたまま再び車両基地の肥やしとなる。
・K409編成の定期検査のタイミングで新先頭車登場
編成を解かれたK409編成は、1両欠車となったまま2023年10月27日に定期検査の為郡山車両センターへ入場することになります。
1両欠車となったとなっている為に機関車に牽かれての入場となり定期検査を受けることになります。
しかし、検査が終了しても1両欠車となったままの出場では営業運転に復帰することは不可能であり、被災車両となったK417編成の10号車(クハE531-17)も修復不能となり廃車となりました。
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K409編成は1両欠車のまま定期検査が行われる。
そこで新たに登場するのが今回出場した先頭車となります。
深夜出場時はK409編成の10号車として確認されましたが、沿線の雑草対策の為か腰下部は養生され車番が確認できませんでした。
しかし、甲種輸送時にその車番が薄く確認されました。
その車番は・・・
「クハE531-17」
これで1両欠車となった先頭車は現在入場中のK409編成の10号車に組み込まれる形となり、新K409編成として営業運転に復帰するものと思われます。
その為に、今回の出場は郡山車両センターに「甲種輸送」という形で輸送されている他、事故被災車両であるK417編成に編入された元K409編成10号車(クハE531-9)は正式にK417編成の先頭車となったと言えることになります。
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2021年3月26日に発生した事故から約2年かけて1両失った先頭車の為に複数編成を巻き込んだ組み換え劇はこれで一旦落ち着くものと思われます。
・前回の出場
E531系の出場自体は4年前の2020年3月3日未明に行われました。
これは、常磐線が東日本大震災以来の全線運転再開に伴う増備であり、特急車のE657系と同時に製造されました。
今回は、甲種前に前回の出場を振り返ります。
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常磐線9年振りの全線運転再開に向けての増備車として製造されたものである。3.11東日本大震災と原発事故で被災した常磐線の新たな一歩に向けた車両であると感じられる。
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所属先の勝田車両センターまで回送された。
•甲種輸送〜試運転
前回は前述の通り試運転を兼ねた自走出場となりましたが、今回は先頭車1両のみの甲種輸送という非常に珍しいパターンであった為、深夜から平日に関わらず多くの人が集まりました。
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今回はメーカー仕上げの為にダークグレーで塗装されている。
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今回の年月日は2024年3月となる。
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この1両がE531系最後の製造車両となるのか?
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自走時は横須賀線〜東海道線を経由するが、今回は「甲種」扱いの為、横須賀線〜根岸線〜高島線を経由する。
輸送経路も川崎貨物駅を経由し郡山駅までのという今迄のパターンでも前例が非常に少ないものとなりました。
・昨今の情勢を反映した屋根上
そして今回特筆されるのが、E531系では初めての信号炎管が省略された屋根で出場となりました。
JR東日本では近年車両用信号炎管の使用が停止されており、使用停止後に新造された車両は全て車両用信号炎管の設置が省略されております。
今回は代替新造という形にはなりましたが、屋根上は近年の情勢を反映されたものとなり、信号炎管の設置が見送られたE531系という同系唯一の新形態が誕生しました。
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信号炎管が設置されない屋根は同系では新形態となる。
・実際の編成に組み込み試運転
郡山総合車両センターへ甲種輸送された2代目クハE531-17は、当初の予想通り同総合車両センターへ入場していたK409編成9両と繋ぎ、新生K409編成として組成。
2024年3月1日、郡山総合車両センターを出場し所属先である勝田車両センターまで試運転が行われました。
普段の勝田所属車両の郡山出場試運転は黒磯駅までであり、その後は回送として勝田まで運転されますが、前述の通り今回出場した10号車が組み込まれている故に、通常の出場試運転※とは異なり全区間試運転として運転されました。
※通常勝田車両センター所属車両の試運転は郡山〜黒磯間となり、黒磯〜勝田間は回送扱いとなる。
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出場時間まで最終チェックが続いた
※敷地外からの撮影
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新造された10号車が先頭となり、新型車両の輝かしく映る
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信号炎管の設置省略が目立つ
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台車の色やステンレスの質感だけ見ても一目で異なることが分かる
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合成に見えなくもないが紛れもなく同じ編成
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※新造車両は製造時から表記が省略されている
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座席類が再利用されているか否かは確認できず
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この駅も近くに高校がある為多くの卒業生が利用される時間帯の試運転…
線路を挟んだ最後の分れはこの列車によるブロックされた…
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通常の出場においても黒磯駅までは試運転区間となる
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試運転はその後、常磐線内で130km/h関連の試験※が行われた後、2024年3月15日より営業運転がスタートしました。
※前述の通り、今回出場した先頭車両(クハE531-17)は完全新製車である故、通常の郡山総合車両センター出場試運転とは異なり、細かい試験が行われた模様です。
しかし、通常の出場試運転での経路において130km/hで走れる区間は存在せず(東北本線内の最高速度は120km/h)、営業時でも130km/h運転を行う常磐線内で試験が行われた後、営業運転に向けて動き出す。
今回出場した先頭車は10号車であり、品川〜土浦間を15両編成で走る際中間車となる故、出場車両が先頭として走るのは土浦以北又は品川始発の10両編成のみとなります。
ここから先は
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