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【J‐TREC出場】【しなの鉄道】SR1系(S310編成、S311編成)J-TREC横浜事業所出場 2025年1月21日
⭐︎約3年2ヶ月振り 横浜発 しなの鉄道行き⭐︎
1月21日未明、しなの鉄道SR1系がJ-TREC横浜事業所を出場しました。
2021年11月4日以来、約3年2ヶ月振りの出場。
※前回の出場は以下のリンクからご覧いただけます。
今回の出場は前回と同様300番台となりますが、約3年振りに横浜での製造となる同車両ですが、前回出場との変更点はあるのか。
実際に見ていきましょう。
◯出場時のようす◯
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◯甲種輸送◯
甲種輸送は出場から翌日の1月22日に施行されました。
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今回の甲種輸送は前回出場した3年前とは異なり、気合いの入った甲種輸送となりました。
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最後部の助手側には長野県のマスコットキャラクターである「アルクマ」が乗車。
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側面には、アルクマのポスターやしなの鉄道の“鉄道むすめ”である「上田れむ」のポスターも掲出。
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3年振りの横浜発ということで、しなの鉄道や長野県をPRするメッセージ性が含まれていました。
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●3年前からの変更点●
今回出場したしなの鉄道SR1系車両。
3年前と同じ300番台での出場となりました。
前回の出場以降、SR1系はJ-TREC新津事業所にて製造されていました。
その過程において変更点があり、今回の横浜製造時もこの変更が継承される形となりました。
では、どの様な部分が変更されたのか見ていきましょう。
⭐︎車両用信号炎管が未設置のまま出場したSR1系⭐︎
3年前の前回出場からの変更点として、今回出場したしなの鉄道SR1系は屋根上にある車両用信号炎管が未設置の状態で出場しました。
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※青い〇印に注目
上下の画像を見比べると、下の画像は丸い突起(青い〇印)の様なものが存在するのにお気付きになられますでしょうか。
この丸い突起が車両用信号炎管といいます。
下画像の3年前の出場時は車両用信号炎管が設置された状態でしたが、2022年度以降に新津事業所製造分となった時点から未設置となりました。
今回の出場も2022年度以降に製造分と同じ、車両用信号炎管が省略された形となりました。
現在JR東日本を走る車両を中心に、車両用にある信号炎管の使用停止及び新造車両には初めから設置されない状態での出場が相次いでおります。
そもそも、車両用信号炎管は、どの様な用途で使われるものでしょうか。
・コラム『今日すら役に立たない鉄道講座』 ~事故等が発生した場合に「止まれ」を知らせる方法~
車両用信号炎管の説明の前に、事故等が発生した場合、どの様にして周囲の列車を止めるのか簡単に解説します。
鉄道において「止まれ」の種類は信号機による赤色の点灯(停止現示)及び旗や合図灯での赤色表示のほか、事故が発生した場合、二次災害による併発事故を防止するために以下の「止まれ」が用いられます。
赤色の炎で周囲の列車に危険を知らせる「発炎(はつえん)信号」
踏切に設置されている非常停止ボタンを押すことにより、踏切付近に設置されている特殊信号発光機という装置が赤い光を点滅及び回転させることによって危険を知らせる「発光信号」
車両及び列車から音によって近くに危険が発生していることを知らせる「発報信号」
上記の3つの信号は普段使われるものではなく、危険が発生した場合、周囲の列車等に知らせるための特殊な信号であり、これらの信号が発せされられた場合は原則として直ちに「止まれ」を意味します。
※発報信号のみ警報音での判断ゆえ、危険箇所位置が正確に分からないこともあり、直ちに非常ブレーキを掛けると決められている鉄道事業者もありますが、特殊信号における「止まれ」の判断は各鉄道事業者により多少異なる場合があります。
・車両用信号炎管の役割
車両用信号炎管は発炎信号のひとつであり、鉄道車両に搭載されている発煙筒のようなものであります。
事故等が発生した場合、運転席にある紐を引っ張ると、車両側から発せされる赤い炎により周囲の列車に「止まれ」と知らせる信号となります。
しかし、車両用信号炎管から点火される炎は5分間であり、事故発生から5分間で乗務員は周囲の車両及び列車を止めるための措置を講じなければなりません。
・車両用信号炎管以外の併発事故防止措置
多くの鉄道車両には事故が発生した場合、乗務員による併発事故防止のための措置を行うため車両用信号炎管の他、自動車にも搭載されている発煙筒の役割をする携帯用信号炎管。
金属同士をレールに接触させ、列車が通過しているものと検知させることで強制的に赤信号へ変える軌道短絡器が搭載されています。
車両用信号炎管の点火時間が5分間である為に、乗務員はこれらの道具を使用して併発事故を防ぐ措置を行わなければならず、運転士の試験科目の一つでもあり、これが確実に出来ないと運転士にはなれません。
・発報信号やTE装置のボタンひとつで併発事故防止措置
1970年代よりJR(旧国鉄)の機関車、ディーゼル車を中心にTE装置が設置され、1980年代からは電車にも取付られています。
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TE装置は、ボタンを押すだけで以下のことができます。
非常ブレーキの動作
汽笛吹鳴
車両用信号炎管の点火
防護無線の発報
パンタグラフの降下
砂撒き(機関車中心)
上記は、事故が発生した場合、併発事故を防止するため運転士が行う手順をボタン一つで行える装置です。
現在、TE装置はどの鉄道車両にも取り付けられており、事故が発生した場合ワンタッチで上記6つの動作が同時に行うことが出来ます。
・車両用信号炎管未設置及び使用停止
近年、関東地方を走るJR東日本の在来線を中心に車両用信号炎管の使用停止及び製造時における未設置が目立つ様になりました。
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赤いレバーを下に引っ張ると屋根上から赤い炎が出るが、現在は使用自体停止され下に引っ張ることが出来なくなっている
防護無線が一般的に普及したこともありますが、近年は自動車等の支障物と衝突した際、自動的に発報信号を発信する装置も搭載されており、数年おきに行われる車両用信号炎管のメンテナンスを施すまでの役割が薄くなっていったことが推測されます。
◯今出場によりしなの鉄道線を走る全列車の8割がSR1系に◯
今回出場したSR1系は、2025年3月15日に予定されているダイヤ改正の増備車両となります。
このダイヤ改正により、しなの鉄道線を走る全列車の8割が同車両となります。
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2019年度から毎年度増備が続けられているSR1系。
しなの鉄道線を走る全ての列車がSR1系になるのも時間の問題になる反面、従来車である115系の活躍も残り僅かである合図でもあります。
現在、しなの鉄道線を走る115系はオリジナルであるしなの鉄道塗装だけでなく、湘南色、横須賀色、初代長野色と様々な色が走っております。
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国鉄時代から製造された車両が時代の変化と共に減っていく現代では、しなの鉄道線を走る115系は国鉄時代の面影を残す貴重な車両となっております。
しなの鉄道の温故知新を味わうなら今がラストチャンスでしょう。
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