【J‐TREC出場】【東京都交通局】10-300形(10-680編成)J-TREC横浜事業所出場 2022年2月15日~2月19日
・今年度4本目の都営新宿線車両
2/15未明から2/19未明にかけ、都営10‐300形がJ-TREC横浜事業所を出場し、所属先の大島車両検修場まで陸送されました。
通常ですと、都営新宿線の陸送は月曜日未明からスタートしますが、当日降雪予報が発表されていたこともあり、1日延期した模様です。
今回の増備は来年度完了予定である都営新宿線全編成の10両編成化の一環と8両編成の10-300形の置換であり、今年度における同車両の増備は今回で終了となります。
※過去3回の陸送一覧
今年度1本目(2021年9月)
今年度2本目(2021年11月)
今年度3本目(2022年1月)
来年度も今年度同様4編成が製造される予定であり、全編成の10両編成化の達成及び同車両の製造が終了するかと思われます。
・今陸送で変わった点
今回陸送では、密着連結器部分に緩衝材が追加されました。
都営新宿線の車両は検査等で容易に分割できる様に先頭車と中間車の一部に密着連結器が搭載、それ以外の車両は棒連結器が搭載されています。
・密着連結器と棒連結器の違い
複数の車両を繋いで列車を運転する、必要となる連結器。
現在、日本の鉄道車両では各鉄道事業者により様々な連結器が採用されています。
今回は、都営新宿線で採用されている連結器を簡単にご紹介致します。
①密集連結器
主に電車で使用される一般的な連結器。
上記画像の様に凹凸型となっており、密着して連結することにより車両間の衝撃を少なくする役割がある。加減速を多く使用する鉄道車両に採用されている。
②棒連結器
車両と車両の間に長い棒をつなげて連結する連結器。
構造が簡単であり、連結や解放(切り離し)を行わない車両(主に中間車)等に使用している。
・コラム:鉄道車両の構造(車体編)
・車両の構造
鉄道車両の構造は、車体、台車、連結器、床下機器 に分けられます。
今回は、「車体」にピックアップをし、今陸送画像を用いながら簡単ですがご紹介致します。
・車体の構成
・黄矢印:台枠
車内では主に床部分を指すもの。
台枠より上の構造を支え、形を安定させるいわば人間でいう背骨の部分である。
これが壊れてしまうとバランスを保つことが出来なくなり、他の部分に異常が無くても廃車になってしまうこともあるとても大事な部分である。
※1両につき1つ搭載されている
・赤矢印:屋根構体
台枠以外の名称は最後に「構体」という言葉が付く。
名前の通り、車体の上部に覆う構造物である。
屋根構体には空調機器や各種アンテナが取り付けられることが多い。
※1両につき1つ搭載されている
・青矢印:側(がわ)構体
主に側面の部分を指す。
側構体には窓、乗降ドア、行先表示器等沢山の機器が取り付けられ、人々の目に触れる機会が多い部分である。
※1両につき2つ搭載されている
・緑矢印:妻構体
車体の両端の部分を指す。
主に車両間の通り抜けに使用される部分である。
鉄道車両の顔である前面もこの構体の部類に入るが、前面以外の妻構体はこの様な陸送や車両工場イベント以外普段目に触れる機会が無い部分である。
※1両につき2つ搭載されている
以上、台枠、屋根構体、側構体×2、妻構体×2の計6面体で構成される車体。各面を溶接等行いながら車体が完成していきます。
その他、細かい部分はありますが、今回は基礎の基礎ということで簡単にご紹介させていただきました。
・今陸送ダイジェスト
最後に今回の陸送ダイジェストとお送りして締めたいと思います。
来年度も4編成製造される予定で、今年度と同じパターンで行くと9月頃からスタートすると思われますが、2月24日現在、一部の新宿線車両が完成されているのが確認しています。
来年3月までに全編成10両編成化が予定されている新宿線車両、来年度末を待たずに10両編成化されるのではないかと思うくらいスピード増備されている模様です。
前振りが長くなりましたが、今陸送のダイジェストです。