見出し画像

【J‐TREC出場】【JR東日本】E233系0番台グリーン車(サロE232-3~4+サロE233-3~4) J-TREC横浜事業所出場 2023年9月26日

・長期間放置状態だった中央快速線用グリーン車が遂に本格稼働?

9月日未明、中央快速線用E233系0番台がJ-TREC横浜事業所を出場しました。

2022年10月25日以来、約1年振りの出場となります。

完成から半年以上工場屋外等にて半ば放置状態であった中央快速線用グリーン車が遂に本格稼働した模様です。

※前回(2022年10月)出場時は以下のリンクからご覧いただけます。

当日は、25日夜発生した京急線において人身事故が発生した影響で同線のダイヤが最終列車まで大きく乱れた為に、今回の出場も大幅な遅れをもって運転されました。


・新時代を予感させるポイント

今回の出場にて特筆されるポイントは3点。

・中央快速線用グリーン車 複数編成同時出場

2022年7月に初めて工場を出て日の目を現した中央快速線用グリーン車。
同年7月の出場及び10月の出場では1編成2両ずつの出場となりましたが、今回の出場から2編成以上による複数編成のおまとめ出場となりました。

初めて複数編成の出場となった中央快速線用のグリーン車。
しかし、後ろに機関車が付いていない。
真相はこの後。

2024年度末にサービス開始予定である中央快速線グリーン車。

サービス開始までに57編成のグリーン車を準備しなければならず、今回出場を除き、残り53編成のグリーン車の用意が急務となります。

2023年9月現在において、次に出場するであろう編成がピット線内で準備は少しずつ行われ、屋外に未だ数編成の同線用グリーン車が半ば放置状態となっている為に、これらの出場がピークに向かうと思われます。

・中央快速線グリーン車初の所属表記省略

今回の出場より、車端部にある所属表記が省略されました。

所属表記が省略された中央快速線用グリーン車は今回が初。
逆に言えば、所属表記が明記されていると同グリーン車は最初の2編成のみという珍しい存在になる可能性がある。

横須賀・総武快速線用E235系グリーン車において既に実施済みではありますが、中央快速線用E233系0番台グリーン車においても所属表記の省略が実施されました。

これは、5月の更新記事(※以下のリンクからご覧ください)にてご紹介したJR東日本の組織改編に伴うものであり、横須賀・総武快速線用E235系グリーン車でも実施されていた所属表記の省略ですが、今回の中央快速線用グリーン車でも引き継がれることになりました。

今後の出場においても同様の措置が取られるものと思われます。

・牽引車新時代 初めての「重連」牽引での出場

最後のポイントとして、今回初めて機関車を2両繋いだ重連で出場しました。

出発前の光景。
今回は黄色の02号機が先頭となり、次位に青色の01号機となった。

深夜の出場においては、長い間池子寄り先頭車はディーゼル機関車、真ん中に新造車両を挟み、金沢八景寄り先頭車は電車というPP(プッシュプル)方式を取り、2023年6月出場から運用が開始された新型機関車【ECOMO】の牽引でも同様の方式が採用されていましたが、今回の出場ではこれらのパターンを全てひっくり返す重連方式で出場しました。

今回、何故重連方式で運転されたのか、筆者なりに考えてみました。

・6月のグリーン車出場時において何かしらの懸念があったのか?
6月の出場では横須賀・総武快速線用グリーン車4両が出場しました。※以下のリンクからご覧ください

今回の出場とほぼ同じ条件でありましたが、この出場の際に通常の時間に戻って来ていないという印象を受けました。
普段は、隣を走る京急線のダイヤが大幅に乱れない限り、出場する時間、返却で回送する時間はほぼ固定されています。

しかし、この時の出場は時間通りであったものも、返却は何故か遅れての到着。
池子の入換に戸惑ったのか真偽不明ですが、何かしらの懸念材料があったかもしれない考え方も出来ます。

・機関車化による入換等の作業短縮
【ECOMO】導入前は機関車と電車とのコンビでした。
このコンビで池子まで向かうのですが、池子構内に入れるのは機関車のみとなります。
なぜなら…

架線がないから

電車は架線が無いと走ることは出来ません。

そして、出場時に池子まで輸送される際、神武寺駅にある京急と在日米軍の所有境界線付近で架線区間が終了します。
その為、電車が入ることは出来ず、機関車1両のみで車両入換を行うことになります。

しかし、牽引車がバッテリー機関車に置き換えになった為に先程の問題も解消されることになります。

そうなれば、いっそ重連にしてしまうことで、車両の連結・解放を少なくし、作業効率を上げようという考え方もあると思われます。

実際PP方式になると、真ん中に新造車両を連結している為に前後で切り離し後、車両入換を行い連結となる流れが重連になると車両切り離し後の車両入換のみとなるので遥かに作業の効率化に繋がりなす。

今後の出場に影響が出るかは分かりませんが、今回は試験の兼ね備いもあって重連での出場になったのではないかと考えられます。


・週の真ん中 水曜日に実施された甲種輸送

普段は未明の出場から同日昼間に甲種輸送が実施されるのがセオリーですが、今回は経路途中でのダイヤ及び受け入れ先の都合か、1日移動した水曜日に甲種輸送が実施されました。

池子~新鶴見信号場間はDD200形901号機が担当。
前回の入場に引き続き、出場牽引のデビュー戦となった。

出場から数日〜1ヶ月池子に留置後甲種輸送を実施した記録は過去にありますので不思議ではありませんが、今回の様なパターンが適用されたのはかなり久しぶりのことかと思われます。

・グリーン車組み込みで車両が足りなくなるジレンマ

中央快速線用E233系のグリーン車は、第1編成がH57編成(基本部)、第2編成がT24編成に組み込まれました。

2023年9月現在、グリーン車が組み込まれた2編成は営業運転に就くことが出来ず、試運転にて中央快速線及び青梅線内を駆け巡っております。

今回出場したグリーン車もどの編成に組み込まれるか筆者も注目しておりますが、グリーン車が組み込まれると長期で営業運転が不可能になるということを示すことにもなります。

なぜなら、導入線区においてグリーン車対応のホーム拡張等が完成されていない駅がある為、必然的にグリーン車が組み込まれた編成は長期の運用離脱が容易に想像できます。

近年の感染症流行によるテレワーク等で朝ラッシュの混雑率が下がり本数も減便傾向の昨今、数編成程度が長期離脱になっても朝ラッシュ含めた1日の運行を終えられる程度の車両の余裕はあると思われますが、未だグリーン車対応工事等が続けられている中で、万が一事故や故障等により営業運転可能車の長期離脱が発生すると配車関係が火の車状態になる可能性もあります。

しかし、工場から出荷されたグリーン車をなるべく早急に組み込まないと豊田車両センターのキャパシティが限界を向かえてしまいます。

ギリギリの状態で車両をどうにか賄うのか、グリーン車を一時期放置状態にするか難しい判断を求められているのではないかと感じます。

·進むグリーン車対応工事

2024年度末導入予定のグリーン車対応工事は車両だけではありません。

駅や車両センター等の関係する箇所も同様です。

列車が到着してもホームに余裕距離がある。
そして、先にある信号機も移設されている模様。

画像は神田駅の御茶ノ水駅側。

神田駅は御茶ノ水駅側と東京駅側にホームを延ばす工事がほぼ完成し、いつスタートしても良い状態となっています。
他の駅に置いても、特急停車駅を除きホーム延伸工事が進められています。

今回のグリーン車導入は、高崎•宇都宮•常磐線の様な従来の普通車2両をグリーン車置き換える方法ではなく、従来の編成から新たに2両追加する形となっており、両数も10両編成から12両編成に純増。
グリーン車導入により両数が長くなり、10両編成までの駅はホームからはみ出してしまいます。

これだけではなく、本数が多い中央快速線の信号機の間隔も両数が長くなることにより見直し及び移設も考えなければなりません。

車両以外にもやらなければならないことは沢山ありますが、車両がなければいくら地上設備が対応しても列車としての営業ができません。

本格的な運用前に12両編成での運転開始の公算が高いですが、今後様々な場面において大きく変化する局面に近づいているかと思われます。






いいなと思ったら応援しよう!

Y_TREport
よろしければこの活動に応援をお願いします! いただいたチップは記事の取材費に使わせていただきます!