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【J‐TREC出場】【JR東日本】 E233系0番台グリーン車(サロE232-49〜52+サロE233-49〜52) J-TREC横浜事業所出場 2024年9月17日

☆いよいよ揃う 中央快速線グリーン車☆

9月17日未明、中央快速線用グリーン車がJ−TREC横浜事業所を出場しました。

2024年8月20日以来の出場。
※前回の出場は以下のリンクからご覧いただけます。

今出場により中央快速線グリーン車が50編成を突破。
最短で次回又は次々回で製造予定数のグリーン車が揃うものと思われます。


〇出場のようす〇

小雨が降る土日祝のダイヤの中での出場となった
中央快速線グリーン車が遂に50編成を突破


■甲種輸送■

池子(神武寺)〜新鶴見信号場間はDD200形9号機が充当
出発前の逗子駅の光景
輝くステンレス車体
ちゃんと撮影していなかったと思われる台車部


☆Y_TREport 営業運転開始の準備が大詰め 中央快速線グリーン車サービス その①☆

今回のレポートは間もなくスタートする中央快速線グリーン車の話題。

2020年7月の初登場から約4年の時を経て間も無く全てのグリーン車が完成する中央快速線。

完成されたグリーン車は試運転後に所属先の豊田車両センターに置かれておりましたが、全てのグリーン車は置けるスペースはなく、一部のグリーン車は国府津車両センターや幕張車両センターに間借りしています。
※間借りしている記事は以下リンクのレポートにてご覧いただけます。

一部の編成を除き従来運行されているE233系0番台に組み込まれるグリーン車ですが、営業開始日の前日に全ての編成を一斉に組み込むことはJR東日本の全ての車両センターを総出で行なっても物理的に不可能な編成数であり、段階的に組み込むことになります。

・グリーン車を組み込む準備が大詰め

グリーン車完成までの間、設備面において特急停車駅を除いた中央快速線各駅のホーム延伸及び線路改良工事、車両基地の改良等。
車両面において従来車両の弱冷房車変更及びトイレを取り付ける工事と並行に機器更新工事が行われていました。

4号車に怪しげな塞ぎ板とドア上に上から何か貼ったような形跡が確認される

従来、東京方が1号車となる中央快速線。
朝ラッシュ時は女性専用車両ですが、今回組み込まれるグリーン車は4号車、5号車となる為に従来の10両編成の4号車以降の号車番号が2両ずつ移動することになります。

そして、東京から最長大月・富士山・河口湖まで走る車両にトイレを付けないのはサービス低下か考えたのか不明ですが、普通車にトイレを設置することになりました。

今回トイレを設置した場所はグリーン車無しの10両編成のうち東京方から4両目の4号車。
グリーン車連結後は6号車となる車両です。

恐らくですが、東京駅から見て上野東京ライン及び湘南新宿ラインで使用されているE233系普通車の位置と合わせたのではないかと推測されます。

上野東京ライン及び湘南新宿ラインで使用される車両に設置されている先頭車両のトイレは中央快速線において省略されていますが、中央線の場合は既存車両の改造であることから重量のバランス等も考慮し見送られたのではないかと筆者は推測しております。

次に弱冷房車の変更
グリーン車連結を見越し、従来の4号車から9号車へ移動しました。

弱冷房車の設定温度の変更においては車両センター等での検査時に温度の変更が可能(※営業中の各車両の温度調整はモニター内で自動及び手動で変更が可能)です。

この弱冷房車の変更も近郊路線(上野東京ライン及び湘南新宿ライン、常磐線)の仕様に合わせたものと考えられます。

弱冷房車はドア上に「弱冷房車」という青色のシールが貼られますが、経年により剥がすとラインカラーのラッピングまで剥がす営業がある為か、上からオレンジ色に塗ったテープ等で上張りして対応している車両が多くあります。

「弱冷房車」が貼られていた部分の上からオレンジのテープで隠されている
一部は剥がれかかっていることも確認できる。


その他では、工事により所定の運用を賄えなくなる可能性があったことから常磐緩行線から209系1000番台を移籍させるだけでなく、新たなE233系を10両1編成を製造するという事態まで発展しました。

グリーン車完成後も上記の工事が続けられましたが、時が経つにつれ次第に完成し、あとはグリーン車を繋げてサービス開始までのゴールが近づいています。

このゴールテープを切るために2024年9月、中央快速線グリーン車開始に向け大きな変換点を迎えました。

今回のレポートとはこの大きな変化を簡単にですが追ってみました。

・変換点① グリーン車サービス開始までの無料乗車期間が設定

2024年9月10日、2025年から春からグリーン車サービスが開始前の2024年10月13日から順次グリーン車を連結して運用されることが発表されました。

https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240910_ho02.pdf

同時に、2025年春のサービス開始まで繋がれたグリーン車が普通車と同じ扱いとなり無料で乗車できることも発表されました。

グリーン車の無料乗車期間は、過去に宇都宮・高崎線及び常磐線においてもグリーン車導入に際し無料乗車期間が設定されており、今回の中央快速線の無料期間は2006年から2007年までに設定されていた常磐線以来であり、この期間は普通車よりもグリーン車が先に席が埋まるも中央線快速線でも同様のことが発生すると予想されます。

そして、今回のグリーン車は、他のグリーン車と比べグリーン車全席にコンセントが設置されていることからよりグリーン車の椅子取りゲームが激化する可能性が高そうです。

・変換点② 中央快速線各駅の停車位置変更及び新たな乗車目標が設置

2024年10月13日よりグリーン車が連結されることに際し、中央快速線の各駅はグリーン車導入に向けた変化が2024年9月に活発化しました。

今回のグリーン車導入は、他の路線とは異なり既存の車両に増結する形で運用するため単純に増車となります。

高尾方先頭車はグリーン車増結後10号車から12号車に変わる
一時的な措置であるが、ちゃんと見ないと混乱しそうな状況である

2024年9月現在の中央快速線の列車はほぼ全ての列車が10両編成で運転されていますが、10月13日以降のグリーン車導入で2両増車の12両編成で運転されることになり、導入に向け一部特急停車駅を除き各駅ホーム延伸等が行われておりました。

しかし、その工事もひと段落し今度は停止位置の変更及び新たな乗車位置が設置され、本格的なグリーン車サービス開始が近づく中、利用者視点でも目に見える形で現れました。

12両停止位置目標が設置
基本この停止目標が先端となって止まる
グリーン車連結前に12両編成が基準となったため、10両編成の仮乗車位置が設置
グリーン車乗車口も連結前に設置された。

・変換点③ 中央快速線の車両が少しだけ進化

グリーン車導入に向け、中央快速線を走る車両にも少しだけ変化を見せるようになりました。
前述の通り、グリーン車導入により10両編成から12両編成の運転となり、グリーン車の連結も順次行われる影響により導入期間は10両編成と12両編成の車両が混在することになります。

その為に、中央快速線走る車両に両数識別ステッカーが車両前面運転台付近に設置されました。
中央快速線の車両は10両固定(T)編成と6両編成と4両編成に分割できる(H)編成の2種類が存在します。

2種類存在するということは、両数識別ステッカーも2種類かと思いきや、4種類(10両固定編成に3種類、分割編成に1種類)存在し各編成で貼り付けられているステッカーが違うのも特徴です。

グリーン車が塗られる途中の両数識別ステッカー
武蔵野線及び横浜線の8両編成化及び山手線11両編成化に貼られたものをイメージされたと思われる両数識別ステッカー
私鉄等で貼られているタイプの両数識別ステッカー
分割編成は共通で、E233系のラインカラーであるオレンジと白色を二つに分け分割編成を再現。
青梅線内でよく出没するであろう狸の絵が描かれた両数識別ステッカー

何かしらのコンペでもやっている様に見えなくもないですが、12両編成までに運行に関わる人が間違えない様にする為に行われているので、全ての編成が12両編成化になると剥がされる可能性がありますので移行期のお楽しみというところではないでしょうか。


・変換点④ 新保安装置の導入と209系1000番台の運用離脱

前述した通り、本格的にグリーン車導入により大きく動き出した中央快速線。

グリーン車導入と同時に将来のホームドア導入を見据え、中央快速線内の各駅に新たな保安装置『TASC』(定置停車支援装置)が導入及び使用開始されました。

このTASCはホームドア導入に伴いドアが開く範囲が停止位置が前後数十センチ(約35cm程度)となり、駅に列車を止めるためには相当の精度が求められます。

プロの運転士であればそのくらい止められるだろうと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その日の天気や乗客の人数や重さ及び車両の癖等でブレーキが効き具合が異なる中で各駅で前後数十センチの範囲で止める精度を維持するのは運転士にとっても相当な負担になります。

その他、効率よくブレーキが動作することで停車する時間が少し短縮されるメリットもあるために一部のブレーキ動作を機械に頼ることになりました。

しかし、JR東日本が採用されているTASCは他の私鉄や地下鉄とは異なり、あくまでも運転士の一部支援と位置付けとなります。

駅到着時に機械が動作するのは停止位置から100m〜150m程度手前(10両編成であればホームの真ん中付近)であり、それまでは運転士が安全かつ適切に止まれる位置からブレーキを使用ものになり、ブレーキのタイミングが遅く駅に入る速度が高いと機械の支援が追いつかなくなりオーバーランしてしまうリスクが高いのがJR東日本で採用しているTASCの特徴ともいえます。

そして、TASCの導入により非対応の車両とグリーン車を連結しない車両は一部を除き中央快速線の営業から退くことになりました。

その筆頭となったのが2019年常磐緩行線から移籍した209系1000番台
この車両は地下鉄千代田線と常磐緩行線の増発用で1999年に登場。

当時はE231系が試験段階であった為に、前世代の209系をベースに地下鉄直通用の車両として登場しました。
しかし、この車両はJR線から地下鉄千代田線は走れても千代田線の終点代々木上原から先の小田急線内には乗り入れることは出来ませんでした。

これは当時JRと小田急の両方に乗り入れできる車両が地下鉄千代田線の車両のみであり、小田急の車両及びJRの車両は地下鉄を介すだけで地下鉄から他社へ乗り入れることはありませんでした。

しかし、時が経つにつれこの路線ネットワークが発展し、各社の車両が地下鉄を介してJR・小田急方面へ乗り入れできる様になり、これに伴う運用整理により小田急に乗り入れられない同系式は常磐線内で扱い辛い車両となってしまいました。

まだ経年も浅かった209系1000番台ですが、2019年に白羽の矢が立ち、中央快速線グリーン車導入による改造工事の車両不足を懸念し登場時から配属されていた松戸車両センターから豊田車両センターへの移籍が決定。

元々増発用で2編成しか存在しなかった同系式が新たに中央快速線の繋ぎ役として走り出しました。

ただし、繋ぎ役のことから営業運転では東京〜高尾・青梅駅(回送で宮ノ平駅)と限定され、高尾から先の大月方面は試運転等の非営業列車のみとなりました。

常磐緩行線から中央快速線に移籍した209系1000番台
限定運用ながら2編成が中央快速線をかけ巡った5年間であったが、グリーン車連結に先立って中央快速線での営業を終了した。

中央快速線へ移籍し早5年。
グリーン車導入に伴う準備が大詰めとなる2024年9月7日、一部の駅でTASCが使用がスタートすることから非対応の同系式は中央快速線から退くことになりました。

検査は大井町駅横(線路は大崎駅から)の東京総合車両センターで行われていたため山手貨物線を走る場面も数年に1回見ることができた。

今後の処遇は分かりませんが、再び他線区へ移籍になるのか、登場から25年が経つ為に廃車となるのか、この答えはもう少し先になるものと思われます。

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