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【J-TREC出場】【京王電鉄】 5000系(5740編成) J-TREC横浜事業所出場 2025年2月6日〜2月13日

⭐︎2024年度の京王電鉄増備車が揃う⭐︎

2月6日から13日未明にかけ、京王電鉄5000系がJ-TREC横浜事業所を出場しました。

2024年11月以来の出場。
※前回出場は以下のリンクからご覧いただけます。

2024年度の京王電鉄の車両増備は5000系2編成となるため、今回の出場をもって終了となります。

2025年度は新型車両である2000系が出場予定。

京王電鉄の新たな時代が間も無くやってきます。


◯出場時のようす◯

今回の出場は陸路による出場のため10両編成の5000系を数日間に分けて実施されました。

今回は、この数日間で行われた陸送をダイジェストでお送りいたします。

今回も前回に引き続き、SBSロジコム株式会社が担当
5日間同じトラックが2台体制で実施
先頭車両の前面部は養生される
貫通幌が多少歪んだ状態が全日続いた
陸送途中より順序が若干変わったのか、最終日の先頭車両の順序が変わっていた
京王5000系も10編成目に突入
床下機器
5000系の特徴である大容量蓄電池
誘導灯でピンクの色が同化される
検査表記は2025年2月
京王電鉄への入籍月がそのまま掲載されている
カバーの中身は恐らく台車であろう


⬛︎Y_TREport 新型車両「京成電鉄3200形」 営業運転開始までの軌跡

今回のレポートは、東京の西を走る京王電鉄ではなく、東を走る京成電鉄のお話。

京成電鉄は、2024年度最新型である3200形を導入し、2025年2月22日より営業運転を開始しました。

京成電鉄では、2019年に導入した成田スカイアクセス線用の3100形以来、約5年振りの新車導入であり、2007年まで活躍した初代3200形を引き継ぎ、2代目3200形となりました。

・完成から甲種輸送

最初、3201号車〜3206号車の6両が日本車輌製造(株)豊川製作所にて製造されました。

京成電鉄の線路幅はJR在来線の線路幅とは異なるため、仮台車を履いての輸送となります。
しかし、京成線へ入線するためには正規の台車に交換する必要があります。

今回は、この台車の交換場所が注目されました。

京成電鉄の車両は、前述した日本車輌製造(株)豊川製作所またはJ-TREC横浜事業所で製造されることが多いです。

2019年に登場した3100形も同横浜事業所にて製造実績があり、当noteにてご紹介しており、もしかして甲種輸送で横浜事業所まで輸送。
同事業所にて正規の台車に交換したあと出場する可能性。

もう一つの場所は、埼玉県の越谷貨物ターミナル駅まで甲種輸送された後、陸路で北総線印旛車両基地まで輸送。
印旛車両基地にて正規の台車に交換したあと回送する可能性もあります。

横浜事業所の場合、隣接する路線が京成線と同じ線路幅を持つ京急線が走っており、京急線から直通先である都営浅草線を経由し京成線へ乗り入れることが出来ます。

しかし、自社線を走るまでに1社1局の協力を仰がなければいけないこと。
都営浅草線を走る条件をクリアしなければならない壁があります。

3100形の場合、同事業所で製造された数編成は乗り入れ条件がクリアしていたにも関わらず、当時京急線及び都営浅草線の走行実績が無かったため、自力で走ることが出来ませんでした。

したがって、普段京急線を走らない3600形(3668編成)を京急線に乗り入れ、牽引車として3100形を引っ張り京成線内へ輸送しました。

当noteの2024年度の予想において上記の実績を踏まえ、もしかしたら同事業所で台車交換を行い、3600形で牽引されるという期待も少しばかり持っていましたが、実際には印旛車両基地での台車交換となりました。

甲種輸送中JR線内を走る3200形
国鉄型機関車に牽かれ越谷貨物ターミナル駅へ進む

・夜間撮影会実施

3200形は京成線へ入線してから試運転を重ねる間、京成トラベル主催の夜間撮影会等でその姿を一般に見る機会がありました。

しかし、この撮影会は他の車両と並べて展示されていたために、実際に見ることを出来るのは正面のみとなりました。

現役車用の間に挟まれる形で展示される3200形
この時はまだ試運転中であった
初代AE形のDNAを継ぐ3400形との並び
3400形も残り1編成となっているが、京成電鉄の車両事情に翻弄されながらも活躍を続ける
3500形との並び
3200形は3500形をコンセプトに作られた車両であり、最初は3500形を置き換える

試運転中の新型車両をいち早く一般へお披露目するのも非常に珍しいことですが、新たな京成電鉄の時代を一足早く見ることが出来たのは大きなアピールかと感じました。

・営業運転開始前に試乗会と撮影会開催

営業運転開始日の2025年2月22日から1週間前、京成トラベル主催による試乗会と撮影会のツアーが開催されました。

このツアーは事前抽選制で120名の定員に730名以上の応募があり、倍率が約6倍という狭き門となりました。

今回は、このツアーにご縁がありましたので参加してきました。

・八広駅発 行先不明の試乗会列車

試乗会のスタートは押上線の八広駅。

八広駅から最終目的地を含めた経路は終点まで非公表となり、ミステリー列車という形で出発しました。

試乗会の主役である3200形が入線

・経路

今ツアーの経路は、八広→京成高砂(押上線)→京成津田沼(京成本線)→千葉中央(千葉線)→ちはら台(千原線)となり、ちはら台駅において撮影会と車内の見学会となりました。

今回ツアーの行路票
当時の列車番号、時刻、番線は画像を参照
終点のちはら台で行われた撮影会
職員専用通路を開放して行われた

・2両1組の編成構成

今回導入された3200形は、「人や環境にやさしいフレキシブルな車両」をコンセプトに先頭車両と中間車両の2両で1組で構成しています。

先頭車両+中間車両の次に先頭車両が繋がれている現代の鉄道では珍しい光景

この2両1組を駆使し、輸送需要によって最小4両編成から最大8両編成の組成が可能となり、現代の鉄道車両では珍しくフレキシブルな車両となっています。

このフレキシブルな編成をスムーズに組成するため、先頭車両と中間車両の一部に電気連結器を採用。

京成電鉄では初めての電気連結器
従来の電気連結器と形状が異なる

京成電鉄では初めての導入であり、ブレーキを掛けるための空気の通り道以外はブレーキを掛ける通路を作る通り道を含めスイッチ一つで電気的に構成されることで、連結の際に繋ぐホース類が不要になり車両基地での連結作業による係員の負担が大幅に軽減されています。

・車内

車内はオールロングシートとなり、優先席は赤色の座席、一般席は青色の座席となります。

車内の全景
床は優先席と一般席と分けられており、一般席は紺色で多少暗めである
優先席は赤色となり非常に目立つ存在となる
一般席は青色

座席モケットの柄は、ソメイヨシノとなのはなをモチーフとしており、東京の上野から千葉県を走る京成線のイメージと想起させるデザインとなりました。

また、先頭車両に車いすスペースが設置されたほか、一部中間車両の優先席はベビーカーやスーツケースを置けるフリースペースとなっているために、座席定員が少し減っておりますが、空港輸送も担う京成線の路線事情を反映している設計となっております。

一部の優先席は2人掛けの座席となっている
残りはフリースペースとなる

座り心地は硬すぎず柔らかすぎず、座った時の反発が少し強いものとなり、短距離利用はまだしも、長距離での利用はは少し疲れてしまうのではないかと感じました。

また、ドア上の案内情報画面は2画面一体型の17インチワイドLCDとなり、停車駅や乗換案内を4ヶ国語で表示されますが、試乗会はは臨時列車扱いのため京成グループのロゴのみとなりました。

ツアーは臨時列車扱いのため次駅案内等は営業運転のお楽しみとなった

そして、各車両の車内にプラズマクラスタ装置が1両に4台設置。
このプラズマクラスタにより車内の環境が向上しています。

各車両に4台取り付けられたプラズマクラスター装置

そして、連結運転時に常時通り抜けを可能とするために正面扉を中央に配置しました。
京成電鉄では3500形以来の先頭車両と中間車両の通り抜けが可能となる他、中間車両の貫通扉はシートデザインと同じフィルムが貼り付けられました。

撮影会で人気であった中間車両と先頭車両の通り抜け部分
3500形以来の通り抜けでワクワク感が堪らないが通路自体は非常に狭くなっている
貫通扉に貼られているシートデザインと同じフィルム
座席には無かった京成電鉄のキャラクターである「京成パンダ」が隠れているので探してみて欲しい

・運転台

運転台は、加速5段とブレーキ7段に非常ブレーキのT形ワンハンドルマスコン。

マスコンハンドルはワンハンドルマスコンを採用
1号線系統では浸透した加速5段とブレーキ7段は当たり前の日常となる

運転情報画面はフルカラーデジタル化されましたが、速度計等のメーター類は現在主流であるデジタルではなくアナログ計器となりました。

運転台全景
急行灯等のスイッチ郡が一部独立されているのが特徴である

これはデジタル計器にすると、実施に運転士が体感する速度に数km/hのラグが発生し運転し辛いことから、敢えてアナログという現役乗務員の意見を反映した模様です。

その他、3200形からワンマン・ツーマンの切り替え装置が備わっており、現在一部の路線で採用されているワンマン運転とは別の形でワンマン運転が行われる可能性も秘めております。

乗務員室背面
ワンマン運転とツーマン運転が切り替えられるスイッチが初めから搭載されるのは3200形が初めてである

・その他

3200形は京成線だけでなく、都営浅草線・京急線に乗れ入れる条件はクリアされており、将来的に各社局の乗務員訓練の後の営業運転も視野に入れている模様です。

しかし、当面は自社線内の運転を想定しており、3200形が都営浅草線(押上駅除く)や京急線にやってくるのは暫く先となるでしょう。

試乗会のノベルティーとして3200形のクリアファイルとパンフレット、記念乗車券が配られました。

ノベルティー配られたクリアファイル
パンフレットも同時に配られた

・営業運転開始

試乗会から1週間後、3200形は2月22日の708列車より営業運転がスタート。営業初日は京成上野~京成臼井駅を往復する運用でした。

営業運転が開始された3200形
営業2日目には優等列車と6両編成では珍しい押上線に入線
試乗会ではお披露目がなかった4ヶ国語の停車駅案内も表示される

・まとめ

今回のツアーは、試乗会がメインのツアーとなりました。

3200形は3500形の置き換えを視野に入れており、3500形のコンセプト引き継ぎながらパワーアップした形となります。

実際に乗車すると加速も良く、非常に滑らかな走りをする車両であると感じます。

2024年度は6両のみの製造となりますが、今後増えていくことは確実とされます。

非常に良い新車でありますので機会があれば一度乗車してみることをお勧めすると共に、現在活躍中の3500形及び3600形(3688編成)の動きも注目される次第です。

3200形の営業開始に伴い、一部編成の組み替えが行われた3500形
現役の1号線系統では唯一のツーハンドル車両であるため再び廃車が進むか注目される
3600形6両編成では残り1編成となった3688編成
こちらも3500形同様、3200形の導入が進むにつれ動向が気になる車両である


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Y_TREport
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