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【J‐TREC出場】【京急電鉄】新1000形1700番台(1701編成) J-TREC横浜事業所出場 2023年11月3日

・今年度2本目の増備車は8両編成かつJ-TREC横浜事業所製

11月3日未明、京急新1000形がJ-TREC横浜事業所を出場し、久里浜工場信号所まで自走にて試運転が行われました。

前回の1501編成は兵庫県にある川崎車両で製造後、台車を正規に履き替えた後の出場でしたが、今回は全て横浜製となりました。

今出場をもち、今年度における京急電鉄の車両増備は終了となります。
※前回の1501編成の記事は以下のリンクからご覧ください。


・出場時の様子

今年度2本目の増備車は8両編成かつ新番台の1700番台。
今回も1501編成同様に終車後の出場となった。
側面の一部。
川崎車両製と比べ雨どいが一体化されている。
これは1890番台と同じ構造。
1500番台同様ハイフン式となった1700番台。
前面形状は1500番台とほぼ変わらない模様。


・深夜試運転

出場後はそのまま久里浜工場信号所まで試運転が行われました。
前回(1501編成)同様、誘導障害試験を兼ねている為、誤動作による踏切上昇対策で各踏切に一旦停止。
作業員が踏切防護要員として車両誘導を行っておりました。

踏切前に一旦停止する1700番台。
停止後、踏切防護要員を線路上に降ろす
踏切通過後は再び一旦停止。作業員を乗せ再び久里浜工場信号所へ向かう。
※この場面は前方にも踏切がある為に一旦停止を行う
ゴールまでもう少し。
暗闇の踏切の中を往く。
久里浜工場信号所到着後はそのまま車庫へ入庫する。

・夜間試運転〜昼間試運転

今回の出場から約1ヶ月半が経った12月21日、久里浜工場での最終調整が終わり、本線上での試運転が行われました。

出場から本線試運転までのリードタイムは大凡1ヶ月と数日が恒例ですが、今回は出場から一ヶ月半以上経った冬至の時期に試運転が行われました。

12月21日夜間は久里浜工場信号所から品川駅で折り返し、金沢文庫駅で入庫。
翌22日と25日は金沢文庫駅から京急川崎駅〜神奈川新町駅間を2往復した後金沢文庫駅に入庫
翌々日27日は金沢文庫駅から浦賀及び三崎口駅間を往復しました。

前日の深夜試運転からの翌日。
昼間に1700番台が走るのはこの列車が初めてとなった。
土日を挟んだ25日のクリスマスも2度目の試運転が行われた。

これは、前回出場した1501編成とほぼ踏襲されているものであり、11月のダイヤ改正後初めての夜間試運転及び昼間試運転となりましたが、前回同様似た様な時間帯となっております。
※1501編成の出場及び試運転は以下のリンクからご覧いただけます。


・営業運転スタート

全ての試運転を追えた後の2023年12月29日、1605C列車より営業運転が開始されました。
この日は金沢文庫から回1604C列車で久里浜工場信号所にて折り返し、回1605C列車で堀ノ内。
そのまま堀ノ内始発の1604C列車にて品川で折り返し1804Aで京急久里浜。
久里浜工場信号所で一時入庫後の回2117列車にて金沢文庫まで戻りました。

夜の歓楽街を行く下り初列車の1804A列車。
28日が仕事納めの企業が多かった為か比較的空いている車内で一部だけ混雑している場所がある。

2023年の営業運転は堀ノ内~品川~京急久里浜の一往復のみとなり、この日以降は2023年内の営業運転はありませんでした。

恐らく、29日が2023年最後の平日ダイヤであり、御用納めとなることから無理やりでも営業運転デビューさせなければならない事情があったと思われます。

※コラム
因みに、京急初のステンレス車となった1073編成は当時2006年度の増備車として登場しましたが、東急車輛の出場が2007年3月13日、営業開始が年度末に当たる同年3月31日にデビュー。
京急久里浜~泉岳寺間のA快特の一部を担当し一往復で車両交換となった。
年度末に綱渡り状態で何とか営業運転にこぎ着けるのは京急では偶に発生することはある。

その後、運用に入らないまま年が明けた2024年1月1日から本格的に急行の運用に入りましたが、これも午前中のみの運用となり午前10時前には金沢文庫へ入庫。

年が明けた2024年1月1日、ようやく急行運用の本領発揮かと思われたが午前中で運用を終える。
朝だけの運用で陽が当たる場所が限られる為撮影地選定は非常に難しくなる。

翌2日においても、金沢文庫始発の急行に充当されるも早朝に神奈川新町へ入庫。
回2358列車にて金沢文庫へ回送されました。

早朝神奈川新町に入庫した1701編成。
夕方、夜の出庫に向けて入換が行われた所を偶然捕らえることが出来た。
後部標識灯と急行灯が同位置で太陽に反射している為か優等列車と同じ様な点灯となっている。

この様に、営業開始においても運用区間が制約されている事情もありますが、まだ足慣らしの状態であると伺えます。


・実は欠番となっていた1701編成 事実上の復活

今回出場した編成が新1000形では新たな番台となる1700番台となり、その最初の編成が1701編成となりました。
1700番台は京急1500形の8両編成にも付番されていますが、現在1500形に1701編成は存在せず同形1700番台は1707編成からとなっていますが、実は過去に1701編成が存在していたことをご存知でしょうか?

2011年に行われた久里浜工場でのイベント。
中央に展示されているのが今回復活した1700番台の元祖1701編成。

·不慮の事故で廃車となった1701編成

2012年9月25日未明、追浜~京急田浦駅間走行中の特急列車が(2268H列車)、トンネル進入前に土砂流入を認め非常ブレーキも虚しくそのまま土砂に乗り上げて脱線しました。

☆コラム☆
筆者も事故当日、この時京急線に乗車していました。
品川駅からの乗車でしたが、行き先は夜の特急三浦海岸行きで乗車列車も1500形の1700番台。
当時飲み会帰りもあり編成番号は見ていませんでしたが、品川駅23時10分台の列車であったのと、終電間際の寝過ごしが致命傷になる為に先頭車両で起きていました。
筆者は途中駅で下車しましたが、この直後の事故。
恐らく、事故当時の時刻及び列車において近似しているものがこの列車の可能性が高いと今思えば当時乗車していた列車ってこれでは無いのか?と思うばかりです。

過去には日ノ出町駅においても土砂崩れが発生した京急線。
この時は幸いにも列車の通過が無いタイミングでの発生でありましたが、今回は列車走行時の脱線。
この事故を機に同線の雨量による運転規制が厳格となるだけでなく、斜面に接する箇所に落石防止柵及び落石検知装置が設置されました。

話も脱線してしまいましたが、その脱線の当該車が1701編成。

脱線後、修理の為にJ-TREC横浜事業所に入場しましたが、乗り上げて脱線した車両の損傷具合が激しく修理不能となり、1500形では初めて編成単位での廃車となりました。

現在は当時8号車となっていた1706号車のみ残存し、金沢文庫駅近くの金沢検車区の訓練車として使用されており、列車が車庫から出払う朝およひ夕方時間帯に近隣道路よりその姿を見ることが出来ます。

金沢検車区の片隅に置かれている1706号車。
他の車両と比べデジタル(SR)無線アンテナ及びベビーカーマークが設置されていない貴重な姿。
この車両だけ10年以上前の時間で止まっている。

·新たな番台区分として11年越しの復活

廃車となってから10年以上が経過した1701編成ですが、今回出場において1000形の新たな番台区分として復活しました。

ただし、1500形とは異なりハイフン車となっているため、今後は1702編成、1703編成と続いていくと思われる為に現有車の1500形との車番による被りは当面の間無いと思われます。


・Y_TREport 全営業車両VVVF化100% 営業開始の1701編成と営業車両最後の界磁チョッパー車 京急1500形

京急線を走る車両は事業用車を除き殆どの車両がVVVFインバーター制御器を採用していますが、未だ界磁チョッパー制御を採用している営業車両が走っていたことをご存知でしょうか?

・2000年代から始まった紆余曲折の1500形組み替え劇

京急1500形は登場時1700番台を除き界磁チョッパー制御の車両でした。
2000年代の京急の車両増備は4両編成と8両編成が主であり、6両編成は800形や旧1000形を中心として運用されており、当時の6両編成で新しい車両が1989年に登場した1500形1編成(1637編成)という状態でした。

☆コラム☆
2000年代の京急線を走る6両編成は片開きドアの800形や旧1000形の独断場でありました。
8両編成や4両編成は600形、2100形、新1000形と続々と登場する中、6両編成は新車ゼロの時代が長く続きました。

当時、京急線を頻繁に利用していた筆者も6両編成の列車を日常的に利用していた時代です。

4両編成や8両編成は夏場はクーラーのみである中、6両編成はクーラー+扇風機というコンビで車内が寒いくらいの状態でした。
そして、1番辛かったのは冬場。
現在は各車両に貫通扉が装備され隙間風をシャットアウトし、暖房が効いた車内空間となっていますが、当時は1500形を除く6両編成の貫通扉は1箇所のみ。
短時間乗車であれば殆ど影響はありませんでしたが、長時間乗車となると隙間風が身体の芯から冷え渡り外も車内も寒い状態でした。

現在では800形も旧1000形も引退しましたので今思えば懐かしいですが、当時は長時間普通車に乗車する際は貫通扉隣の席を狙って乗っていました。

しかし、2000年代後半にかけ旧1000形が老朽化により続々と引退時期を迎える中、置き換えとなる車両がありません。
その反面、4両編成と8両編成の新型車両は増えるばかり。
ここに白羽の矢が立ったのが1500形です。

当時は1500形の6両編成は1637編成のみでしたが、8両編成の1600番台と4両編成の1500形をミックスし6両編成15本が組成されました。

ただし、組み替え当初は界磁チョッパ制御のまま営業運転を行っておりましたが、6両編成の旧1000形置き換えに新型車両がようやく導入されることから、1500形6両編成もVVVF化による機器更新を行いました。

前談が長くなりましたが、1500形4両編成を6両編成への組み替え及びVVVF化の対象外となった4両編成がありました。
それが以下の編成となります。

・1501編成
・1505編成
・1509編成
・1513編成
・1517編成
・1521編成
・1525編成

1501編成〜1517編成は鋼製車ですが、1521編〜1525編成は4両編成アルミ車両で唯一の対象外となりました。

6両編成に組み替えられた1500形のVVVFインバーター制御化後も暫くはこの様な布陣で運転をしておりましたが、2021年の1890番台登場により状況が少しずつ変わります。

・鋼製車引退で取り残された1500形アルミ車4両編成(1521編成,1525編成)

2021年〜2022年にかけて1890番台の増備及び新型コロナウィルスの影響に伴う減便による余剰という形で鋼製車5編成が全て引退となり、4両編成の1500形は2編成のみとなりました。

そして、今年度も新造車両の増備が行われ、6両編成で登場した1500番台は1500形1561編成を置き換え、事故廃車を除いた同形初のアルミ車両及び6両編成の廃車となりました。

今回の1700番台出場にて置き換え候補として有力視されるのは、1521編成及び1525編成の2編成です。

京急車両の界磁チョッパー制御の営業車両は1521編成及び1525編成の2編成のみ。

この2編成を置き換えが完了すると京急の営業車両全てがVVVF制御車両となります。(貨車のデトは除く)

そして、直近の検査は…
1521編成について、2021年9月。
1525編成について、2022年2月。

どちらの編成も検査から1年半から2年程経っております。

1525編成の試運転。
これが1500形4両編成最後の試運転となった。

同形鋼製車両とは異なり120km/h対応車両のために、ウィング号及びエアポート快特を除き普通から快特までオールマイティーな運用に就くことが可能でありますが、最近本線での稼働が活発であること。
そして、唯一の界磁チョッパー制御車ということで、1701編成出場により置き換え候補としては最も有力であると筆者は考えております。

・京急線ダイヤ改正実施

京急電鉄は、2023年11月25日にダイヤ改正が実施されました。

今回のダイヤ改正のポイントは多々ありますが、今回のダイヤ改正でエアポート急行が急行に種別変更されることになりました。

京急の急行列車は空港線及び京急蒲田以北では2010年のエアポート急行登場まで使用されていました。

しかし、京急蒲田以南は1999年ダイヤ改正で普通列車の増発に置き換わる形で急行列車が消滅。2010年の京急蒲田駅高架化に合わせ、停車駅を再編したエアポート急行が誕生しました。
停車駅は従来のエアポート急行と変わりありませんが、急行列車に変更されたことにより、京急蒲田以南では25年振りの急行復活となりました。

・改正前後大活躍の1521編成及び1525編成

このダイヤ改正でエアポート急行が消滅する事により、日に日に撮影者が訪れる機会が増える中、京急唯一の界磁チョッパー車である1521編成と1525編成が大活躍します。
今回はダイヤ改正前後の同車両達の動きを振り返ります。

振り返り① 1521編成+1525編成のエアポート急行が運転

2023年11月11日の午前及び12日の午前にかけ、界磁チョッパ車両同士を繋いだエアポート急行が運転されました。
これは、運用の都合上で実現したものと思われますが、これらの編成は神奈川新町駅隣にある新町検車区所属車両である故に、大掛かりの清掃や検査では必ず神奈川新町に戻らなければなりません。

しかし、11日は金沢文庫駅近くの金沢検車区で停泊。
その日の夜間に回送されることもなく、翌日12日のエアポート急行(930D列車)にて新町検車区へ返却されました。

界磁チョッパー制御車両同士がエアポート急行の運用に入った最後の列車となった。

他の検車区から新町検車に戻る運用は、平日において朝の増結や日中時間帯の普通車等様々な運用がありますが、土休日においては夜間の回送か午前中のエアポート急行しか戻る術がありませんでした。
したがって、何方かに入るだろうと予想した結果、後者の方となりました。

ダイヤ改正後は神奈川新町行きの急行列車が平日朝の1本を除き消滅。
土休日は金沢文庫止まりとなりました。
もうエアポート急行では見られないであろう組み合わせは消滅2週間前の出来事となりました。

振り返り② エアポート急行ラスト3day さよならエアポート急行イベントに1525編成が大抜擢

エアポート急行としての運転終了4日前。
突然京急電鉄のホームページにおいて、さよならエアポート急行イベントを実施されることが発表されました。

その中において、ダイヤ改正前の3日間1525編成の逗子・葉山方にさよならヘッドマークを取り付けエアポート急行の運用に就くことになり、3日間の運用が事前に発表されました。

※京急電鉄のHPから抜粋
ダイヤ改正前3日間のイベント列車が始まった。

通常のエアポート急行においても界磁チョッパー制御の1500形が運用に入るのは珍しいことであり、ヘッドマーク付きということもあり、沿線は大盛り上がりとなりました。

今回採用されたヘッドマーク。
一つの種別の終焉に際し、イベント列車を仕立てる程の状態になるのは異例中の異例。

筆者も所用の合間を縫いながら3日間取材して参りました。

・day1 2023年11月22日

初日は前日の快特の増結で金沢文庫に入庫した1525編成と1481編成の組み合わせで朝9時台の逗子・葉山行きからスタート。
出庫時の金沢文庫到着後、さよならヘッドマークが装着され最後の3日間が始まりました。

初日は平日であったが、沢山のファンが詰めかけた。
1525編成がメインとなる為に下り線の撮影が必然的に多くなる。

この日は逗子・葉山〜羽田空港駅間を約4往復、夜までの運用でした。
平日でありましたが、そこそこの人出となりました。

・day2 2023年11月23日

金沢文庫駅7:33~11:51までの行路は運休となった。

この日はさよならヘッドマーク付きでの唯一の土休日ダイヤであり、早朝から夜間までの運用でしたが、途中人身事故が発生し運転見合わせとなった為、早朝の金沢文庫〜逗子・葉山間を一往復した後に一旦入庫となりました。
しかし、ダイヤも落ち着いたことにより、お昼頃より金沢文庫駅から所定の運用で復帰。

2日目は早朝の運用から一旦離脱した後、昼頃から所定の運用に戻った。

しかし、土休日しか自由に動くことが出来ない人にとってはとんだ災難となった模様で午後に多くの場所で混雑が集中しました。

・day3 2023年11月24日

ダイヤ改正前最終日となったこの日は22日とほぼ同じ時間帯に金沢文庫駅を出発。逗子・葉山〜羽田空港駅を1往復、最後に金沢文庫へ入庫する運用となりました。

3日目のダイヤ改正前日は1日目と似たような時間を走ることになった。
しかし、3日目の方が若干時刻が遅い。
3日間共に1481編成が1525編成の連結相手となっていた。

組み合わせは3日間変更がありませんでしたが、22日及び23日と比べ走行距離が極端に短くなりましたが、午後を中心に多くの人が集まりました。

左上の急行停車駅手前に設置されていた「✈急行停車」の看板もダイヤ改正後に取り外された。

金沢文庫入庫後、ヘッドマークは外されてしまいましたが、組み合わせはそのままに夕方から再出庫、夜間帯まで運転した後、回送にて神奈川新町へ入庫しました。
ダイヤ改正前のイベントが全て終了。
25年振りの急行復活に向け楽しみもありつつようやくひと段落となったと思いきや、ダイヤ改正後も活躍は続くことになりました。

・急行復活後も充当 1521編成

25年振りの急行が復活した初めての平日ダイヤにおいて、1521編成が改正後の急行運用に入りました。

「急行」として復活した1500形が駅のホームに入る。
列車接近案内は「✈急行」であるが、種別幕はれっきとした「急行」。
かつては臨時停車駅であったこの駅も今では正規の停車駅となったのも25年で変わったこと。

25年前も所々で急行運用に入っておりますが、再び復活して充当するとは思いも寄らない出来事でした。

ダイヤ改正間もない為か、接近案内等は改正前のエアポート急行のままでしたが、車両側の種別は元々急行には対応していた為、25年前後もタイムスリップが実現されたとも言えます。
昔から呼ばれていた逗子急行は逗子海岸駅から新逗子駅へ、そして逗子・葉山駅へと駅名が変わりましたが、昔から変わらない金沢文庫や神奈川新町はそのままの形となる為、懐かしいと思われた方のいらっしゃるのではないでしょうか。

ダイヤ改正後初めての1521編成の急行の相手をしたのが1893編成であった。

・1701編成営業開始により置き換わる形での引退

2023年もあと数日に迫った12月29日の1605C列車より1701編成が営業運転をスタート。
1701編成と入れ替わる前日の12月28日、1521編成と1525編成は1804A列車をもって全ての営業が終了。
奇しくも、翌日の同列車は1521編成と1525編成を置き換えた1701編成が担当。
2023年の平日ダイヤ最後の2日間において、1605C列車〜1804A列車が京急の世代交代が実現したことになります。

これにより、京急車両の営業車両のVVVFインバーター制御の車両が100%となりました。


・最後に

今回の出場にて今年度増備車両の出場が完了した京急電鉄。

12月末に昼間の試運転が本格的に始まり、約1週間という短期間で全ての行程が終了したからか、今回置き換え対象候補として有力であった界磁チョッパー制御車2編成2023年の終わりと共に営業運転を終了しました。

ダイヤ改正により土曜日朝に実施されていた増結は廃止となり、4両編成の運用が減っている現状において置き換えのお膳立ては万全であり、置き換えの順番にも6両編成の中で一番古い車両と4両編成の中で一番古い車両が置換対象となることは妥当なものだと感じています。

1521編成及び1525編成は2023年3月に引退した鋼製車以降唯一の界磁チョッパー制御車両であるのは前述の通りですが、たった2編成しか残存しない界磁チョッパー編成をずっと残すだけメンテナンス効率は悪くなります。

鋼製車とは異なり120Km/h運転が可能ということで快特の増結車を中心にそれなり重宝される存在となりましたが、時代と共に減車と置換の波には勝てません。

ダイヤ改正前の最後のエアポート急行においても頻繁に運用に充当されていなかった1525編成が抜擢されたのも、置換が元々決まっていた同編成の最後の花道というメッセージであったと思われます。

それが分かっている人はエアポート急行という種別よりも同編成のヘッドマーク付きの営業列車を狙っていたと思われ、筆者自身もその一人であります。

ダイヤ改正を乗り越え、京急蒲田(臨時を含めると厳密には京急川崎ですが…)以南ではエアポート急行と引きかえに25年振りに復活した急行に界磁チョッパー車両の同車が充当された時はとても懐かしい形になりました。

25年前当時の終着駅の新逗子駅は逗子・葉山駅に変わってしまいましたが、金沢文庫駅や神奈川新町駅等は25年前のまま。

敢えて、それらの行先を狙っていたのも25年前のタイムスリップを感じたかったのもあります。

界磁チョッパ車両は全て消滅してしまいましたが、未だ25年前の面影は他形式でも残っていますので、今後はゆっくりと追ってみようかなと感じます。

今後の1521編成及び1525編成は廃車解体が濃厚であると思われますが、線路幅が京急と同じかつ過去の同僚がいる四国高松の電鉄の方へ譲渡されるのか含めて注目していきたいです。

今回の最後は、1521編成及び1525編成晩年の活躍をダイジェストで締めたいと思います。

検査出場後の1525編成。
1890番台と繋ぎエアポート急行の運用に充当される。
1521編成+1525編成のエアポート急行。
実現はしているが、この組み合わせに遭遇するのは非常に少ない機会となった。
2018年、京急電鉄創立120周年を記念して歴代のカラーリングを模した列車が走った。
この記念列車に1521編成が充当されたことは記憶に新しいだろう。


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