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市民から広がる新しい誘客キャンペーン。28名から生まれた4つのPRイベント

NEWPEACEで実施させていただいた福井県敦賀市のまちづくりプレーヤー発掘・育成支援事業業務委託」(通称「敦賀をひろげるプロジェクト」)が、3月末に一区切りを迎えました!

この1年間を通して、2024年春の新幹線敦賀開業に向け、ワークショップ等を通じて市民のみなさんと連携しながら新幹線開業にかかる誘客の土台(敦賀市のコンセプト、ビジョン)づくりを行ってきました。

半年間のワークショップやフィールドワーク、イベントを通して28名の参加者とともに、市内を盛り上げる4つのイベントが生まれるなど、早くも成果が得られました。
さらには、ワークショップやヒアリングを踏まえ、新幹線誘客用キャッチコピーの策定も行いました。

「砂漠に水をまく」担当者の一言から生まれた取り組み

2024年春に新幹線敦賀開業を迎える福井県敦賀市。開業に向けて、市内では様々な取り組みが検討されてきました。しかしながら、これまで観光産業が盛んではなかったことや、様々な名所や食べ物が豊富であるがゆえに打ち出す魅力を1つに絞れないという面が見られました。その結果、市内の盛り上がりが今ひとつだったり、誘客PRで打ち出すものが曖昧になってしまうなどの課題も見受けられました。

「打ち出す魅力が曖昧」「市内の盛り上がりが不十分」。
こうした状況では、誘客用のPRを活発に行っても、十分な効果が期待できません。市外にポスターや広告を掲載する計画を議論していた中で、ある方は「せっかく数百万円の広告費をかけても、その瞬間しか盛り上がらない」「数多ある観光地の競争の中で勝てない・印象に残らない」「砂漠に水をまく感覚」と話されていました。

市民が街の魅力を考え、実際に発信していく

そこでニューピースでは、「渋谷をつなげる30人」で有名なSlow Innovation、市民創発プロジェクトに強いNPO法人グリーンズと3社でチームを組み、敦賀の魅力を発見・可視化・発信していく「敦賀をひろげるプロジェクト」を行いました。

市内・市外に住む、敦賀に関わる28名の方が所属を超えて、学校の同級生やサークルの仲間のようにフラットに繋がりながら、「敦賀をこんな街にしたい」「こんなことできたら面白そう」というアイディアを持ち寄り、それぞれの得意分野を活かして、街づくりに挑戦してきました。

参加者は大学生や会社員、商店街でお店をされている方、お笑い芸人などなど。年齢も20代から80代まで多種多様でした。

自発的・市民主体。PRのイベントが生まれる

約半年間をかけて6回のワークショップを通じ、仲間づくりやアイディア検討を行いました。さらには、市内の魅力を再発見するフィールドワークや、市外在住の方とつながるオンライン交流会なども行われました。

こうした取り組みは、Forbesで紹介されるなど注目を集めました。

その結果、コロナ禍であるにも関わらず、敦賀の魅力を発信するイベントが自発的に4つ行われるなど、市内の盛り上がりも高まりつつあります。

地元愛が高まり、関係人口・街づくりプレイヤーが生まれる

そして、今回の取り組みにおいて、とても意義深かったことは「敦賀市に関わる方が、敦賀市のことをもっと好きになっていく」ということでした。

「単に外向けのPRを行うのではなく、市内から熱を生み出し、その熱を外に滲み出していく」

理屈としては成り立つものの、実際に参加されている皆さんの地元愛が高まっていくのか…との心配は杞憂に終わり、地元の魅力を改めて見つめ直し、さらに地元が好きになったとの声をたくさんいただきました。

ほかにも、

・ずっと地元に住んでいる方からは、

「近隣の街が都会になっていって、敦賀が寂れてしまっているのを見ていた。負けていると思っていて、悲しかった。今回のプロジェクトを通して、『敦賀を良くしたい』と思っている人が、こんなにたくさんいることを知れたことが、何よりも嬉しかった。仲間ができた。」

・進学や就職で地元を離れた方からは、

ずっと敦賀に恩返ししたいと思っていたが、関わり方が分からなかった。今回のプロジェクトを通して、地元に貢献できたことも嬉しいし、改めて『敦賀が好き』と感じられた。

などなど、地元を想い、地元のために活動する方がたくさん生まれました。新幹線開業にあわせた誘客PRが主目的ではありますが、「街への想い」や「街づくりに関わるプレイヤー」は、その後も残り続ける存在です。開業にあわせた打ち上げ花火で終わらず、その後もずっと敦賀を良くしていく動きが生まれたことは、とても意義深いことでした。

市民の想いから生まれたキャッチコピー

このほか、私たちは「市内の盛り上がり創出と、市外へのPRを一貫して行うこと」が重要だと考えてきました。そのため、市内の盛り上がりを高めると同時に、ワークショップやヒアリングを通し、市民を中心に50名ほどの方と「敦賀の魅力とは?」「どうすればその魅力が市外に伝わるか?」などのディスカッションを重ねました。
途中では意見募集も行い、幅広い市民の意見も踏まえ、検討を重ね、市内の熱を市外に伝えることを目指した、新幹線誘客用のキャッチコピーを策定しました。

新幹線をきっかけに、街が変わっていく第一歩

私たちNEWPEACEは、この1年間を通じて、敦賀市内の盛り上がり創出と同時に市外へのPRに向けた土台づくりを行ってきました。

新幹線開業は大きな出来事ではありますが、「ゴール」ではありません。新幹線開業を「スタート」に、市民が街の魅力を再認識し、外から訪れる方をおもてなしできることが大事になってきます。今年1年間、敦賀市内で生まれた土台が、来年以降も盛り上がっていき、開業後もその熱が継続することを期待します!


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