本の空 「ニューシネマ珈琲3」
漫画「ニューシネマ珈琲」シリーズの完結編。作者はお友だちでもある池田ハルさん。
ハルさんは漫画家であり、アーティストでイラストレーター。
ハルさんと出会ってから、年に数回はハルさんの作品を見にさまざまな会場に足を運んでいる。それくらいパワフルに活動されているのだ。それがとてもうれしいし、私自身その都度チカラをもらっている。
「ニューシネマ珈琲」の1巻は、2019年のディスクユニオン新宿中古館・ブックユニオン新宿でのPop-UP Shop開催時に。2巻は2020年ユニオンレコード新宿でのPop-UP Shopで私は入手したのだった。
そして2021年7月。ディスクユニオンのカフェ「du cafe新宿」で催されたPop-Up Shopにあわせて「ニューシネマ珈琲3」が完成。
「ニューシネマ珈琲」は新宿が舞台になっていて、ユニオンレコードや新宿中央公園、新宿駅など実在する景色が描かれているのだけれど、私が知っている新宿よりも懐かしくてどこかあたたかい場所として見えてくる。
そして、まるで詩のようなセリフは、体の中にいろいろな印象を残して、通り抜けてくれる。体をすっと通ってゆくのだけど、気がついたら自分の一部を変えてくれたり、別の世界を感じさせてくれていて。
音楽みたいだなと思う。
「ニューシネマ珈琲 3」の表紙に描かれているのは少年ニコ。1巻からずっと登場している主要人物のひとり。3巻では成長し14歳になったニコの姿が描かれている。それを読んだ時はじめて「ニューシネマ珈琲」は少年ニコの成長の物語であったことに気がついたのだった。それは私がぼんやりしているからだけではなく、それくらい押しつけがましさがなくニコの成長が表現されているのだった。
最高だと思った。
最高なのは14歳になったニコが選んだ生き方のことでもあるし、「ニューシネマ珈琲」の漫画全体のことでもあるし、ハルさんがずっと活動を続けてきてくれたことでもある。
あまりにも最高だと思ったので、この気持ちを忘れたくなくて、noteに綴ったのだった。
チャンスがあったら、ぜひ手にとってみて欲しいと思う。
「ニューシネマ珈琲 NEW CINEMA COFFEE 1~3」著者:池田ハル 翻訳:須藤美千代 発行:HALNOTE atelier
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今あらためてかぞえてみたら、ハルさんと出会ってから、そうか、もう10年近く経つんだ。ありがとう。
2021年7月「du cafe新宿」にて。私も赤いタイツにハイヒールで力強く歩きたい。