採用も育成も人と向き合えることが最重要
採用も育成も仕組みだけでは成り立たない
採用や育成に関して、現代では様々な方法論があり、各企業でやり方を整えて仕組み化していることもあります。
採用で言えば面接のやり方(構造化面接など)があったり、育成ではコンテンツを揃えたり。
しかし、仕組みはあくまでも手段であり、それをやっていれば絶対上手くいくというものではありません。
特に採用や育成は人との関わり方が大きく影響するものなので、仕組みがあるからとその手順に載っていることをやるだけでなく、本質を理解して「この人にはどう接するべきか?」と考える必要があります。
また、人の性格や考え方も様々なので、相手によってやるべきことが変わってくるかもしれません。
それらを抽象化して、「人と向き合う」という言葉で表現しています。
採用は人を見極めるために向き合う
採用で求められること
採用は面接などを通じて、以下のようなことをする必要があります。
相手が自分たちの求めている像に一致するか見極める
相手のやりたいことが自分たちの環境に一致するか見極める
自分たちの組織に入りたくなってもらうようにアピールする
相手が自分たちの求めている像に一致しているか、相手のやりたいことが自分たちの環境に一致するかを見極めるには、当然相手のことをよく知る必要があります。
そしてそれを面接など限られた時間の中で行う必要があります。
自分たちの組織に入りたくなってもらうようにアピールするにも、相手がどういう人かをよく知る必要があります。
それによってアピールするポイントや、伝え方も変わってくるからです。
仕組み化しても相手によって常に対応を考える必要がある
仕組み化するとしたら、面接で聞くべき質問のリストを用意したり、「個の質問にこういう解答が返ってきたら良さそう」という定義したりすることはできます。
しかし、相手によってこれまでの経験・経歴も違いますし、同じような経歴を持っている人でも得手不得手や好きな部分は違います。
人によって性格も違いますし、質問に対しての答え方も様々です。
さらに言えば面接をする側の人の経験や性格などによって、同じ受け答えを見ていても、捉え方が変わります。
なのでどんなに仕組み化したとしても、各個人の感覚による差は絶対に起こります。
その差を埋めるためにも、「相手のことをどれだけよく見て、考えられるか」ということは大事になってきます。
育成は人の力を引き出すために向き合う
育成で求められること
ここでいう育成は、実力値的にまだ足りない人を伸ばしていくという育成と、実力的には十分ある新規参画者のオンボーディングのようなことと両方含んでいます。
求められることとして、例えば以下のようなことがあります。
組織に入っていきやすいようにする
人の得意な部分を引き出せるようにしたり、苦手な部分を克服できるようにする
人のやりたいことができたり、将来につながることができるようにする
どれも人によってやらなければいけないことが変わってくるので、相手がどういう人で、どう対応していくのがいいかを人を見て考えられる必要があります。
メニューを順にこなしていくだけでは意味がない
新規参画者が来た時に、オンボーディングとして以下のようなことを用意している組織は多いです。
メンターとの1 on 1
チームでの歓迎会
会社や製品について知るための資料や講義
ただ、これらを「やっているから安心」という考えになると危険です。
例えば1 on 1で言えば、そこで「なにを話すか」「どういう風に話したら手助けになるか」などをよく考えずにやらないと、ただ話しているだけになって効果が得られません。
話す内容も上手くコントロールしないと、「1 on 1で聞けばいいや」と待ってしまって、コミュニケーションのスピード感を阻害してしまうかもしれません。
チームでの歓迎会も、なにも意識せずにやって「歓迎される側の人が一部の人としか話せてない(人数が多い場合)」「既存メンバーの人しかわからない話題で盛り上がって新規参画者の人が喋れない時間が続いた」などの状況になることはよくあります。
リモートでランチ会を開催した場合などは、より発言する難易度も上がるため、話しやすいように促してあげるよう意識することも必要です。
これらのように対象の人に対して「こうしたらやりやすいだろう」「こういう感じになったら良くないだろう」といったことを意識することが大事です。
これも、人と向き合うことの一つです。
マネジメントで求められる能力の一つでもある
採用と育成という点にフォーカスを当てて書いてきましたが、この「人と向き合える」というスキルは、マネジメント全般で必要なことでもあります。
チームを動かしていく上で、「人がなにを考えているのか」「どういう人なのか(能力、性格含む)」などを知ることは必要不可欠です。
チームのリーダーなどマネジメント層の人が採用面接や育成のメンターをやったりすることも多いですが、それはマネジメント層だからやっているとは限らず、必要なスキルを持った人がマネジメントをやっていることが多いからというもあるのではないかと思います。