雑談が生まれることで得られる3つのもの
先日Amazonが社員に週5出社を求めることにしたという話が、話題になっていました。
コロナ禍以降リモートワークをする企業が(特にIT関連の企業などで)大幅に増え、その中で「リモートの難しさ」や「出社回帰への是非」といったところは多く議論され、コロナ禍が終息した現在は出社回帰を考える企業はさらに増えているように思います。
みんながオフィスへ出社して働くことのメリット、またリモートワークをする際の難しさとしてよく挙げられるものの一つとして、雑談のしやすさがあります。
今回はその雑談が生まれることによって、どんなことが得られるかについてまとめてみます。
雑談が生まれることで得られるもの
雑談が生まれることで得られるものとして、主に以下の3つがあると思っています。
新たなアイデア
認識していなかった課題
他人が今困っていることの解決
1. 新たなアイデア
これは大手のIT企業などの出社回帰でよく言われる話の一つです。
冒頭に貼った記事でも
とありますが、「同じオフィスにいることで従業員間のコラボレーションが生まれやすくなり、新たなアイデアが生まれる」ということがよく言われます。
雑談というテーマの決まっていないなにげない会話の中だからこそ、「こういうものがあったら面白そうだよね」「こういうことができたら便利なんじゃないか?」など普段の業務の会話では生まれないアイデアが出てくることは実際にあります。
自分がなんとなく頭の中で考えていただけのことや夢などを人と話すことで、共感を得られたりより具体的な話になり、アウトプットとしてつながっていくことも期待できます。
2. 認識していなかった課題
雑談している中で認識していなかった課題に気づくこともあります。
製品のことややチームのことなど多岐に渡り、「うちの製品のこういうところに不満があって」「チームのこういうところがよくないと思ってて」「◯◯さんが最近調子悪そうな気がしていて」など様々な意見や考えを拾える可能性があります。
ちゃんとした会議の場だと「ここで言うほどのことではないな」と思ってしまったり、ネガティブな感覚があってなんとなく言いづらいということも、なにげない雑談の中ではポロッと出てくることもあります。
3. 他人が今困っていることの解決
雑談でなにげなく話しかけた時に、例えば「今なにしているんですか?」聞くと「今こういう作業してるんですけど、ここで詰まってて・・・」というような話題が出てくることがあります。
そして話しかけた人が解決策を知っていたら、「ここはこうやればいいんですよ」と教えてあげれば解決します。
そんなに都合よく答えを知らなかったとしても、雑談の流れでほんの少し一緒に話しながら考えることで、視点が増えて解決することもあります。
また、やっている作業を話しかけた人が見て「こうやればもっと効率的にできますよ」とアドバイスできることもあるかもしれません。
作業のやり方自体で気づくこともありますし、作業で使っているツールの使い方で「こういう使い方もできますよ」「このショートカットを使えば楽になりますよ」などのように効率化する方法を教えられることもあります。
(これはITエンジニアが他職種の人に話しかけた時にはよくあります)
なにげなく話しかけたことで人が困っていることを解決できること自体もプラスですし、その解決に伴い新たなノウハウを得られることもあり、各メンバーの成長という意味でも大きなメリットになります。
雑談だからこそなにげなく出てくる話もある
アイデアや課題を見つけるということについて、そもそも「雑談以外でもちゃんと拾える場や体制を用意すべきだ」という意見もあると思います。
たしかに雑談でないとなにも拾えないようでは問題ですし、アイデアや課題を出せる会議などの場や、その中で意見を言える人間関係の構築は絶対に必要です。
しかし、そうした定められた正式なフローがたくさんあれば、全てが解決できるわけではありません。
文字通り「雑」に話しているからこそ、形式張った会議の場などとは別の感覚や視点が生まれますし、出てくる話もあります。
なのでむしろ雑談も情報を拾ったり、アイデアを生むための一つの手段だと考えるべきです。
私はオフィスに出社して働いていた時代は、意識的にうろうろして人に話しかけたりしていました(もちろん相手の様子を見ながら)。
近くの席の人は座ったまま話しかけられますし、同じチームの別職種の人に話しかけたり、顔見知りの他のチームの人などに話しかけたりもしていました。
そこから別の人も混ざって新たな交流が生まれることもあります。
リモートワークには働く上でも生活面でもメリットが多く好んでいるのですが、この雑談が簡単にできなくなったことだけは、未だに解決できない大きな課題だと感じています。