『ある振付師について』③
別にね、気に入らなかったのならそれは仕方ないことなのです。
今回の阿修羅ちゃんは古参のスケオタさんで苦言を
おっしゃっている方もいらっしゃるようですね。
コンサートじゃないんだから、と。
それほどまでに観客が熱狂し、ドームが飛んでいきそうなくらいの歓声と、地震が起きたのか?というぐらいに揺れたそうですw
そうTwitterで呟かれた羽生ファンの方はその揺れに若干酔ったとも💦
それほどまでの熱狂が今までのフィギュア界にあったでしょうか。
これをフィギュアではないと古参のファンの声を拾っって、
斬新な演目をしてくれた羽生選手を異端扱いをして
フィギュアの発展があるでしょうか。
フィギュア界の振り付けもされる方が 『変わった演目』として
捉えることは果たしてフィギュアの未来に通じることなのでしょうか。
大きな会場なのに最初から売れない席を黒幕で隠してしまう昨今の
フィギュアのアイスショー。
スケーター達は一生懸命やっています。
でもいつまでも同じようなショーをやっていて新規の客層を
獲得できるでしょうか。
新しい進化と言いながら同じような演目をやっていても
集客が見込めなくなっているのは明らかです。
なぜフィギュア界はそれに気づかないのでしょうか。
また『オペラ座のような競技に近い美しいジャンプやスピン』の演目を
期待されていたようですが、普通、宇野選手もネイサンも
ショーやエキシでは基本的に競技プロはしないんですよ。
しかも、ショーで羽生選手が実施した『オペラ座』の4T3Tなんて、
世界王者の宇野選手は試合でもできないジャンプです。
(追記;SOI最終日に何年振りかに跳ばれたそうです)
競技さながらのプロを暗くて狭いショーでされるのは羽生選手ぐらいです。
SOIの後半にはスケーターの皆さん、疲れが溜まってきて
ジャンプでもないところで転倒されたりしていたと聞きます。
それを羽生選手は毎日違う演目3種類も用意し、観客を楽しませようと
観せてくれていたのです。
4回転が売りだったネイサンもショーでは4回転跳びませんし、
宇野選手は怪我をしたくないので演舞も参加しませんと言っているし、
皆がスケート靴を履いて出てくる時もスニーカーだったり、
本当に彼だけは自由なようですね。
観客へのサービス精神というか、何をやったら喜んでもらえるか、
ということを一番考えているのは羽生選手だと思います。
だから羽生選手は演目でジャンプが少ないプロだと、
オープニングやエンディングで4回転を跳んでくれますしね。
宇野選手は4Tを跳んでも、他の種類の4回転は跳びませんよね。
まあショーを”練習”だと公言されているので、練習を兼ねて跳んで
いたことはあったかな。あとザヤが関係ないので、4Tばかりを6回
だったか跳んでドヤっていましたが、助走+ジャンプだけの???な
演目でした。
でも何を演じるかは競技ではないのでそれはスケーターの自由です。
羽生選手はプロになったからこそ、
新しい挑戦、今までになかったショーの見せ方や新しい試みをして、
今まで見たことがなかった人にも沢山の方に見ていただけるよう、
一生懸命頑張りたいとおっしゃっていました。
羽生選手がプロ転向後、競技フィギュアの視聴率は5%台前後。
昔から羽生選手が出ない試合やショーはそうでしたが、
羽生選手が出場していたであろう全日本や世界選手権でもこの有様。
若手の選手も頑張っているのに、この状況でいいとお考えなのでしょうか。
この方はスケ連関係者という立場があるということをお忘れだったのでは?と思ってしまいます。
『新しい風を〜』『進化!』『今までにないものを!』などと
耳障りのいい目標を聞きますが、どこが進化してるのかな?と
首を傾けてしまうことが往々にしてあります。
振り付けや曲に斬新さがないからじゃないですか?
試合には制約があるから仕方ないとしても、
今回の羽生選手の阿修羅ちゃんはショーナンバーです。
そして見事に観客の心を掴み、老若男女、大盛況の演目となっています。
それなのにそれを評価できない方が振付師というお立場ということに
私は今後のフィギュアの未来を憂いてしまいます。
これはスケーターの努力だけでなく、スケートに携わる
振付師の感性、努力も必要なのではないでしょうか。
④へ続く