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PaintVoiceの小技なボーカルメモ
PaintVoiceで音源を扱う上で発生する「滑舌」の解決法、続きです。
細かく前の音を消してもはっきりしない声が出てくると思います。
声に聞き慣れてしまうと、調声してる本人は言葉が分かってしまいますが、一旦作業から離れて、リラックスしている時等に調声した物を聞くと、思わぬ所で違和感を感じる時が出てきます。
私は「滑舌」に限らず、タイミング、直したい声が聞こえてくる時がよくあります。
さて、前回も使用した画像での「い」は、前の「ち」より後ろがだいぶ消されていました。
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「い」のノートが短いのは、聞こえた時に跳ねた感じにしたいので短めなのもありますが、理由はもう一つ。
続く「さ」に原因があります。
「さ」等の発音する時に空気が入りやすい声、また「な」等の発音する時に既に滑舌がしにくい(鼻に掛かってしまう)声は、子音が弱くなりがちです。
※子音、「さ」で言うと「s - a」の「s」の部分
発声タイミングも遅れがちだったりします。
元々、発声タイミングをリズムに合わせる為「発声開始」で数値を早く側に大きく取っていました。
この音源の「さ」は約30msとか約40msですとか。
でも、声はタイミングが合っても発声は弱いままです。
「原音設定」が自身で出来ないので何か手段は…と思っていた所、思わぬ解決法がありました。
それは、子音の弱い声の前に別の声を置く事。
最も効果的なのが、128分音符3つ分程の別の声を用意する事です。
呼び方は『補助声』とでもしておきます。
私は「ん」を多用しています。
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この『補助声』は「音量」は15以下が向いてます。
音源によっては「ん」が強い事が稀にあるので、その時は10以下にする等、調整してください。
「発声開始」は0msのままで大丈夫です。
そして、聞こえを良くしたい声の「発声開始」の数値は早く側にもっと大きくなります。
こちらの「さ」は今回は88sm。
子音を出すのと、PaintVoice側で更にタイミングを合わせるとかで数値が大きくなるようです。
これで何故か子音が出てくるんですよね。
『補助声』を置く事で「発声開始」の数値によって声の聞こえ方(安定感)が変わるので、波形のループ位置が変わるのかもしれません。
「発声開始」の数値が増えた事で前の声に被さってしまう(滑舌が悪い等)状態になったら、また『補助声』の前の声の最後を少し消してみてください。
それもあって「さ」の前の「い」を更に後半消していました。
ちなみにこの画像の時に使用していたのは、自作音源の『真歌ころん(まなかころん)』で、全体的に発音の柔らかい音源なので、聞こえやすくしたかったのもあり、あちらこちらで『補助声』を使用していますが、はっきりとした滑舌の音源であれば「滑舌」の為の多用はそんなに無いかと思います。
尚、母音だけの声「あ、い、う、え、お、ん」は前に置いても滑舌を強める効果は薄いです(子音が無いので)
但し、子音を強めるだけではなく、母音でも、前に128分音符の3つ分程を設定する事で起こる別の効果もあります。
長くなりましたので、次にまとめます。