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PaintVoiceのひと手間ボーカルメモ

今回は「滑舌」についてです。

その前に。
中には「調声しないで音源そのままで使う」人もいるようですが、調声は音源に手を加えて変えてしまうのではなく、もっと音源の魅力を引き出す作業になります。
人には癖があるものですが「滑舌」の悪さは癖と言うより、その人にとってマイナスが多いです。
話すにしても、滑舌が悪いと相手にとっては何を言っているのか聞き取りにくい。
それは歌っている時も同じで、歌詞表示が無くとも何と歌っているのかが分かるのは、歌い手、また音源にとっても理想だと感じています。 
私自身、舌足らず、滑舌悪い側だからです。
「滑舌」を整えても音源の魅力は変わりません。
声質で既に音源は個性を出しているからです。

長くなりました。
その「滑舌」を整える前に、その現象が起きやすいよくある状態として、同じ音で続けて歌詞がある場合に言葉のはっきりしない時がある、かなと思います。
早いテンポではなくても声が続くと一部気になったり。
または、先にnoteで記事にした「PaintVoiceの細やかなボーカルメモ」で記載した、遅い発声の声の「発声タイミング」を早くする事で前の声に被ってしまい聞き取りにくくなってしまった、等。

その時は、まず左上の「入力音符設定ボタン(名称が分からないので私の呼称)」を押し、出てきた一覧の一番下「128分音符」を押します。

デフォルトは16分音符

画面が一気に細かくなります。
細かく調声出来ると言う事です。

そして、滑舌の気になる声の前の声の後半を1~3つ分消します

この曲ではまず16分音符で入力
「い」を目立たせたかったので、ここでは1つ分だけ、前の「ち」を削除。
「い」の後が大きく消してあるのは声を跳ねさせたかったのと、後で説明します

1つでも充分な時もありますが、足りなければ3つ位消して大丈夫です。

発音したら前の声との間に無音の隙間が出来てしまうのでは…と不安になるかもしれません。
ですが、元より「滑舌」が悪い原因の一つに、その気になる声のWAVデータが、UTAUで言う「先行発声」内の「オーバーラップ」にあたる箇所(前の声に被さる範囲)が長い等の理由が考えられます。
※原音設定をした事が無くて分かりにくい方には申し訳無いです。そう言う箇所があると言葉だけ見ていてください
その長さ分を聞こえるように出してあげる(前の声を減らして声の聞こえる長さを出してあげる)ので、最大3つ位では目立つ無音はほぼ起こりません。
聞こえが良くなると細切れにしたような気持ちになるかもしれませんが、曲を通して聞くとそうでもないです。
1つ消しただけでも結構違ったりするので試してみてください。
その作業後に改めて発声タイミングを早めたりと調声は進みます。
滑舌(聞こえにくい)が解消した事で「発声開始」を気にせず使えるので、合わせて「声のかすれとかノイズ」を抑えられる事もあります。

音源、また声によって前の声を減らす個数は変わります。
曲の早さによってもそうです。
テンポの早い曲では、ラップのように細かく発音しない場合でも、前の声を消すのは最大2つになる可能性があります。

あと違う音の流れで歌詞がある場合の声の滑舌(聞こえ方)を整えるのには、前回の「発生開始」パラメータを1ms~5ms程早くする事ではっきりさせられる場合があります。
※声によって変わるので、0msでも声が聞こえる場合の最低限の数値

鳴らして、聞いて、消して、聞いて、整えて、聞いて…とひと手間掛かりますが、音源が気持ち良く歌えるようになるのは楽しいです。

ただ、それでも「滑舌が悪い」と言うか「はっきりしない」場合があります。
それは確率的に子音が出てない場合が多いです。
(子音とは「か」で言えば「k - a」の「k」の部分)
その解消法は次にまとめます。

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