国家公務員宿舎問題②
こんにちは、予決研です!前回は、公務員宿舎の新築・改修費用が増額されている点を取り上げましたが、今回は、実際には予算が増額されても改修工事が進みにくい現状について説明したいと思います。
改修工事が進まない理由:契約の停滞
なぜ工事が進まないと考えるのかというと、その理由は「契約が進んでいない」という事実にあります。
宿舎の改修工事を担当するのは、主に国有財産を管理する各財務局ですが、例えば関東財務局の入札結果ページから現状がわかります。
例えば、令和6年4月から5月の間に発表された19件の工事案件のうち、なんと8件が不調になってるんです。これ、4割程度が契約にすら至っていないってことなんですよ。
「不調」って何?
入札の結果には、「不調」と「不落」ってのがあります。
一般的に、
不調:入札してくれる業者がゼロだった場合。
不落:入札には業者が来たけど、予定していた契約上限額より入札金額が高くて契約できなかった場合。
不落は「予算内でできる業者がいなかった」って話で済むんですけど、不調はそれ以前に「その工事を誰もやりたいと思わなかった」ってこと。つまり、「そもそも工事内容や条件に無理があるのでは」と思われちゃうわけです。
仕様書作成のためのヒアリングが重要
普通は、仕様書を作るときに事前に業者にヒアリングするものです。例えば、「このスケジュールでできそう?」「この仕様でどうかな?」とか聞いておくと、業者も「この部分が一般的じゃない」「ここが作業工程が複雑だから直して」ってなるんですが、それがされていないと「この条件じゃ無理!」ってなりかねません。
担当者が「こんな改修しよう!」と意気込んでも、業者が「いや、その期間じゃ無理っす」とか、「この資材が足りないんで今は厳しいですね」と返ってくることも多々あります。こういうフィードバックをもとに、仕様を現実に合わせておくのが成功のカギなんです。
関東財務局の状況を見ると…
関東財務局で入札がこれだけ不調に終わってるとなると、ヒアリングがちゃんとされてないんじゃないか、って思わざるを得ません。(というかこれだけ不調が出ていて特に問題になっていないことが驚き)
ヒアリングを十分に行わずに仕様書を出すと、業者に「この条件じゃやりたくない」って思われてしまう可能性が高いわけです。
今後の改善が必要なところ
というわけで今後は、入札に向けたヒアリングをしっかりやることが重要です。業者が現実的に対応できる仕様やスケジュールを反映した仕様書にすることで、スムーズに契約が進むはず。(まあ、これは基本のところなんで、なぜできていないのか、闇を感じるところですが。)
これで職員の生活環境改善に向けた改修工事も、もっとスピーディーに進むんじゃないかなと思います。