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救急現場での対応『初期評価(内因性)』編

初期評価とは

初期評価とは、緊急度を迅速に判断するために、生理学的所見から評価することです。
要するに、意識や呼吸などを評価して、その数値等から『ヤバい』を早く判断しようと言うことです。
救急現場では、この初期評価がかなり重要になりますので、『がっつり』解説して行きたいと思います。

ちなみに、今回は『内因性』についての解説となります。『外因性』では、また少し違う部分があるので、外因性はまた別で解説しますね。


なぜ重要なの?

初期評価がなぜ重要かと言いますと、『今、傷病者がどれくらいヤバい状態かわかる』ためです。
傷病者が『今は全然大丈夫だね』なのか、『あかん!もうCPAになる一歩手前やん』と、初期評価をしっかりすればわかるんです。
もちろん『ヤバい』状態であれば、急いで病院へ搬送する必要がありますし、必要な処置をする必要もあります。さらには、『この後CPAになったどうする』と言うように、『未来』を予測することも出来るようになります。
なので、初期評価をしっかり理解して、活動することが、非常に重要となります。

何を評価する?

具体的には『意識』『気道』『呼吸』『循環』です。いわゆる『意識・A・B・C』と言われるものです。この『ABC』は『気道:a i r w a y』『呼吸:b r e a t h i n g』『循環:c i r c u l a t i o n』の頭文字です。基本的には『意識ABC』を順番に評価して行きますが、実際の現場では『ほぼ同時に』評価します。これには、経験や慣れが必要となります。まずは、しっかりと理解をして繰り返し訓練をしましょう。
では、『意識ABC』を一つずつ、ポイントを説明して行きたいと思います。

1 意識

現場で使う意識の評価は、基本的に2つあります。『GCS』と『JCS』です。この2つを理解して使い分けをしましょう

『GCS』
これは『グラスゴー・コーマ・スケール』と言います。この評価方法は、世界共通の評価方法となります。GCSの詳細は下の表を見て下さい。
表を見てわかる通り、『目・声・運動』をそれぞれ評価し、その合計点で『ヤバい』かどうかを評価します。

特徴としては、『細かく評価出来る』ことです。あとでJCSを解説しますが、JCSに比べると、細かく評価をしています。なので、病院などで使われることが多いです。逆に、デメリットとしては『時間がかかる』と言うことです。細かく一つ一つを評価していくので、JCSに比べると多少時間がかかってしまいます。ただし、経験や訓練を積んでいき、慣れてくるとGCSでも、すぐに評価出来るようになります。

『JCS』
これは『ジャパンコーマ・スケール』と言います。この評価方法は、日本で作られた評価方法となります。JCSの詳細は下の表を見て下さい。
救急現場では、GCSよりもJCSの方をよく使います。

特徴としては、JCSは、『覚醒の度合い』を評価するものとなります。要するに『覚醒しているのか。していないのか。』を評価します。もっと簡単に言うと『目が覚めているか。起きないのか』と言うことになります。

JCSは『桁数』で評価することが多いです。例えば『JCSⅠ桁ね』など、『Ⅰ桁・Ⅱ桁・Ⅲ桁』と評価することが多いです。これは、初期評価は短時間で迅速に行いたいので、まずはざっくりと桁数で評価するということです。『Ⅰ桁』は『覚醒している(目が開いている)』状態。『Ⅱ桁』は『覚醒していないが痛み刺激で覚醒する(目をつぶっていて、痛みを加えると目が開く)』状態。『Ⅲ桁』は『痛み刺激でも覚醒しない(痛みを加えても目が開かない)』状態です。

『実際の現場での評価方法』
現場での初期評価は基本的に『JCS』で評価します。先ほども言ったように、短時間で評価するためにJCSを使います。
例えば『JCSⅠ桁』の場合は、『目が開いている』状態であり、実際はある程度遠目からでも評価することが可能です。さらには、『立っている・座っている』状態は『JCSⅠ桁』と言うことがわかります。『立っている』と言うことは覚醒していないと立っていられませんよね。『座っている』場合の重要なポイントは『自力で座っているか』と言うことです。『壁にもたれている・誰かが支えている』場合は、『自力では無いですよね』これは、意識状態は悪く、何も無ければ『倒れている』と言うことになります。
さらに、『手で胸を押さえている』この場合は、意識レベルは何桁でしょうか?これは、『意識があるから手で胸を押さえることが出来る』となりますよね。なので意識レベルはJCSⅠ桁になりますよね。
この様に、意識レベルの評価は、遠目からや体位で評価することができます。
もちろん仰臥位の状態でもJCSⅠ桁の傷病者もいます。なので、遠目や体位から意識レベルの予測をして、接触したら再評価することが重要です。
現場では、『レベルⅡ桁ね』など、桁数を隊員と情報共有しましょう。
一方、『GCS』は少し時間がかかってしまうので、車内収容してから詳しく評価したい時にはとても有効になります。

『GCS・JCS』の特徴を理解し、使い分けて評価しましょう。

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