見出し画像

ぼくがかんがえたさいきょうのコンカフェ

はじめに


 皆さんは、コンカフェをご存知でしょうか。
 コンセプトカフェの略称、コンカフェ。特定のコンセプト、テーマを店の雰囲気や内装、従業員の服装に取り入れ、統一された世界観で他との差別化、特別感を演出したカフェのことです。わかりやすい例として、メイド喫茶が挙げられます。メイド喫茶の「メイド」の部分がケモミミ少女であったり、アイドルであったり、多様な形態でコンカフェは存在しています。その他にも、BL学園コンカフェなども人気のようです。
 また、カフェと言ってもお酒を出してるお店が多いです。いや、むしろお酒を飲む場所と言えるでしょう。
 従来のメイド喫茶はオタクが行く場所のようなイメージでしたが、最近は可愛い女の子や衣装そのものが好きな女性客や、ノリで入ってきてそのまま通う学生、若い男性客も増えています。それでもメイン層はオタクのようですが。

 私はコンカフェに心を掴まれた口で、多いときは毎週末、土日連続で行っていました。馬鹿ですね。
 流石に最近は行ってないのですが、あの独特な雰囲気とかわいいキャストさんに心を奪われ、哀れなテキーラマシーンと化してしまったのです。悲しいね。

 かわいい衣装を着たメイドさんと、おしゃべりしながらお酒を飲む。オタクなんてみんなメイドさん好きですからねぇ。 あー行きてぇなぁオイ

 さて、私はコンカフェで飲み放題で飲んだり、メイドさんにドリンクをあげたり、酔って錯乱してショットを飲み始めたりするのですが、ある時、ふとこう思いました。

「こんなコンセプトのコンカフェがあったらオタクは喜ぶのにな……」

 こうなると、私の妄想列車は止まりません。今回は、オタクの夢と希望がドロドロに詰まった「ぼくがかんがえたさいきょうのコンカフェ」について書きます。
 なお、もしからしたらすでに今回書いたようなコンセプトのコンカフェが存在しているかもしれませんが、本文はそれらとは一切無関係で、本文に登場するコンセプトカフェは、私が何かを参考にして書いたものではございません。あくまで私の妄想であり、本文に登場する店はすべて架空の店です。


その1「ギルド系コンカフェ『竜のあぎと』」


 1つ目はRPGゲームやファンタジー作品に登場するような冒険者たちが集まる酒場がコンセプトのコンカフェです。異世界ものも流行ってるので結構人気が出るのではないでしょうか。

 店の見た目は木組みで石壁。いかにもな欧風建築感で、カウンターの後ろには酒瓶がズラッと並んでいます。酒の並んだ棚の上には、とてつもなく大きな竜の頭蓋骨があり、その顎の間を通して壁にはギラギラと輝く無骨なサーベルが突き刺さっています。これは先々代店主がまだ冒険者だった頃に仕留めたもので、討伐後引退してこの店を始めました(という設定)。

 まず特筆すべきポイントが、キャストの雰囲気のエネルギッシュさです。コンカフェの女の子はアイドルっぽく、清楚感を前面に出しているように感じるが、ここの女の子はみんな威勢が良くて元気が溢れています。例えるのならば、ジブリのウルスラやフィオのような感じです。客に対しての二人称はあんたで、大量のビールジョッキをカウンターに「 ド ン☆」と置きます。


 そして、最も重要なポイントとも言えるキャストの衣装ですが、この店は女の子の衣装が────ディアンドル!!


 やばくないですか?ディアンドルとは、ドイツの民族衣装です。開放感のあるブラウスに明るい色彩のフリルなワンピース!健康的な色気を感じさせます。髪型もコンカフェの定番姫カットじゃないです。三つ編みです。メイクも地雷系じゃないです。そばかすを書いてます。みつあみそばかす赤毛給仕さん……"良い"……。
 その他、髪を後ろで雑に縛って、腕まくりして大皿料理を運ぶ気量の良さげな給仕さんもいれば、ほうきで割れたお皿を片付けている健気さみだれうちな可憐給仕さんもいます。この場合、「お兄さん」とか「おじさま」とかが二人称だとオタクなぞすぐ落ちるでしょうね。

 料理はバルメニューが選べます。ソーセージやミートソースパスタが食べたい。木の樽のようなジョッキでビールを飲みます。
「あんたら飲みすぎて汚したりなんかしたら、叩き出すよ!」とか言われたい。カーッ!



でも、コンカフェ行くオタクはこういう力強い女性は苦手そうだな……。流行らないか。


その2「ドール系コンカフェ『カヴィアローザ』」


 店名はラテン語で「檻の薔薇」という意味です。ダサくない。ダサくないです。オシャレです。
 キャストさんは魔法で『魂』が宿った人形という設定です。人形たちが夜な夜な集まっては開かれるお茶会に、あなたは迷い込んだお客様。ただし、私達が飲むのは酒。

 内装は古びた洋館をイメージ。窓枠も手すりもテーブルも、トイレのドアノブにいたるまで洋風建築特有のデコボコうねり細工がされています。うーん、アンティーク。また、店内では本格的な紅茶を飲むことができます。下戸でも安心です。

 キャストさんの服はもちろんみんな大好きゴスロリです。私は一切ゴスロリ詳しくないですが、詳しくなくてもオタクはみんなゴスロリ好きです。ゴスロリは唐揚げのようなもの。
 甘ロリから闇ロリまで勢揃いで思わずため息が出ることでしょう。


 そして、このコンカフェの一番のポイントは新月の夜は魔法が解けるところです。

 新月の夜はキャストさんにかかった魔法が解けて、ドールに戻ってしまいます。お店には無口な老紳士と球体関節人形がぽつり……。精巧で美しく、静謐な瞳を輝かせた球体関節人形を見ながらお酒を飲むことができます。彼女たちは、もはや語る言葉を持ちません……。


 これなら喋らなくてもいいので、陰キャのオタクたちでも安心して楽しめることでしょう。
(じゃあコンカフェ来た意味ねーじゃん)



その3「お客様は神様!?人外集う異界系コンカフェ『玄泉亭』」


 最後に紹介するのは、客は異界の神様や魔物という設定のコンカフェ、『玄泉亭』。人ならざるものが癒やしを求め集う茶屋です。

 店内は和風オリエンタルな見た目。決して神道や仏教のモチーフで統一していないのがごちゃごちゃしてていいですね。海外の人が作ったゲームの日本ステージみたいな感じでしょうか。坊主が大幣でキョンシーを退治しています。

 衣装は巫女服をベースにしたものです。ここについては特に言うことはありません。オタクのみんなが好きなやつです。ただ、店の雰囲気に合わせて割とベーシックなものにしてあります。アイドル衣装のようなアレンジされたものではなく、肩もワキも出ていません。赤リボンくらいはあっても良いだろうか。

 この店の特徴として、客は人外という設定になっていることが挙げられます。特に指定がなければ土着の神やもののけとして扱われる事になっており、〜〜様!!と呼ばれることになります。千と千尋の神隠しの油屋みたいですね。客のハラスメントが加速してそう。

 もし客の希望があれば、稲荷様や鵺、鬼やヴァンパイアとして過ごすこともできますし、自分の考えた設定の人外キャラもいけます。翌日酔いが覚めてめちゃくちゃ恥ずかしくなるでしょうね。

 山のケや川のモノ、里山の土地神など魑魅魍魎が集い、酒を嗜む異界の空間はきっとあなたを魅了することでしょう……。


 でもよく考えたら現実のコンカフェの客も割と化け物みたいなのばっかだわ。


さいごに


 いかがでしたか?
 どれも思わず通ってしまいたくなるような素敵なお店ばかりでしたね!

 私はこの前一回の来店でイベントだったということも重なり、7万溶かしました。翌日の二日酔いと喪失感からくる虚無感がヤバい。
 とはいえ、楽しく会話をしながらお酒が飲めるいいところではあると思います。何事も限度があるので、ほどほどに。
 皆さんもコンカフェ、行こう!
 そしてチェキ撮ってコカレロ、飲もう!

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?