写真撮影会で見えたもの

新しいことに挑戦してみる

 12月初旬に、お誘いを受けて有志で開催しているという写真の撮影会に参加してみた。これまでは、「仕事が忙しい」からという大前提があったのでそういった集まりには参加してこなかったが、仕事を変えてからは生活に余裕が出てきた。新しいことをするには、いつでも余裕が大切だと実感している。それでももともとが出不精な性格なので、「子どもが小さいから」とか「場所が遠いから」などなどと理由をつけては行かないことが多かったが、閉じた自分を打破すべく、少しでも面白そうと思ったことは挑戦してみることにしたのだ。

大都会六本木へ

 今回お誘いいただいた写真会の会場は「六本木」。写真会というものに参加したのは初めてだったのだが、テーマ(お題)はなんとなく決められているようだ。今回は、ちょうど六本木で開催されていたイルミネーションを撮る、というものだった。カメラは、別に一眼レフのような高価なものである必要はなく、スマホ内蔵のカメラでもOK、ということだった。そのゆるさも私にはちょうど良くて参加した。参加者は三々五々好きなスポットを見つけて撮影し、それらが終わったところで撮影したカットを見せ合う、というものだった。
 素人の私でも、夜景を撮るのが難しいことは理解している。シャッタースピードを変えることは、スマホカメラでは容易ではないし、ましてや私の最新とは程遠いスマホでは困難だ。夜景をうまく切り取ることはできなかったが、自分がどういった目線で物事を見ているのか、一旦冷静に見られる場として写真撮影はとても楽しかった。

撮影のあとで気づいたこと

 「六本木のイルミネーション」というキーワードだけで、これまでの私だったら絶対に近づかない場所に思うが、今回は「撮影会だから」という名目があったから現地に赴いた。実際に行ってみると、確かにイルミネーションは綺麗ではあるが、まずその人の多さに辟易してしまった。また、多くの人々は、私達の撮影会同様にカメラを構えてイルミネーションを撮っていたのだが、撮影者自身を入れることもしくは撮ってもらって映り込むことに精力的な人も一定数見受けられた。SNS上にシェアするための写真撮影に忙しいのだろう。
 そもそも自分自身はSNSをほとんどやらないので、自撮りした写真を上げることもないし、ほとんど撮らない。撮るのは子どもたちがほとんどだなあと改めて思い知った。また、私自身は自分が映り込んだ写真を投稿することに喜びを感じる類の人間ではないということも再認識した。
 また、きれいな景色を写真に収めたいという気持ちはもちろんあるが、人混みが嫌いだということがそれより勝ってしまうことにも気づいた。次回の写真会は、ぜひ「人少なめの観光地」にて実施願いたいものだ。

新しい視点を手に入れる

 なんだかんだ思うところあった撮影会だが、撮影後の写真を皆で見せ合う場では、同じ場所にいてもそれぞれ人によって見る場所や切り取る場所が異なるという面白さを知ることができた。アナログと違って、デジタルのカメラだと何度でも撮れるし、失敗を恐れずに撮れるのは良い点だ。
 また、同じ被写体を見ていたとしても、切り取り方が違ったり見ている方向が違ったりして面白い。最近は切り取るのも容易だから、撮影後に加工することもできる。もちろん、色を変えたりレタッチするのも簡単だが、どこまで許容するかは人それぞれ、だそうだ。最近勉強している画像生成AIのことを思うと、人ができることとAIができることの境目がなくなりつつあるし、画像だけ手に入れるためだとしたら撮影は無意味になるときが来るかもしれない。重要なことは、撮った画像云々というより「自分の視点」を手に入れ、且つ他人との視点の違いを知ることなのかもしれない。
 自分の「新しい視点」を手に入れるためにも、次回も撮影会に参加してみようかな、と思っている。

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