母にスタンプ帳を捨てられた
おそらく幼稚園に通っていた頃の記憶だが、私はスタンプ帳の類が好きだった。収集癖というのは元来人間に備わっているものなのかもしれない。同じカテゴリのものを並べたり収集したりして眺める。人によってそのアイテムは異なるかもしれないが、幼少の頃の私は、「スタンプ」が並んでいるのを見るのが好きだった気がする。今でもたまに「スタンプラリー」などを見るとちょっとワクワクしてしまうのはそのせいかもしれない。
詳しいことはほとんど記憶していないのだが、その「スタンプ帳」はなにかのイベントが催された折の企画の一環で、小冊子のような作りのスタンプ帳にそれぞれがスタンプを押して集める、という趣旨のものだったと思う。なぜかそのスタンプ帳に押したスタンプに満足感を覚え、私としては宝物の類に分類していた気がする。
だがある日、スタンプ帳がないことに気付いた私は、母にスタンプ帳の在り処を尋ねた。するとあっさり「捨てたよ」と言われた。え…?大切にしていた(つもりだった)のに…?その重要性が母には全く伝わっていなかったようだ。その後泣いて訴えた気もするが、既に捨てられていたものはもうどうしようも無かった。
子育てにおいて、何を大切にすればいいのかと母に尋ねた事がある。母は「自分がされて嬉しかったことは子どもにもしてやり、自分がされて嫌だったことは子どもにもしない」のような旨の事を言っていた。私はスタンプ帳を捨てられて嫌だったよ!だから今、私の子どもには、いくら大人(親)からみてゴミのようなものでも、ちゃんと一言「これ捨てていい?」と聞いてから処分するようにしている。
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