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祭りとこけし工人たち


「こけし祭り」では、工夫を凝らした様々なこけしの展示や、
こけし工人さんたちによる実演が行われています。

工人さんたちがアイデアを出し、
時には会場レイアウトを中学校の美術の先生に協力していただいたことも
あるそうです。

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※写真:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用
【会場の鳴子小学校講堂の展示風景。】

展示担当だった、こけし工人の高橋正吾さんは、
当時のことをこのように語ります。

ありがたかったのは、深澤コレクションの展示のために、並べながら、一本一本手で触ってゆっくり見る機会を得たことです。…… 当時はガラスのケースにも何も入れないでむき出しのまま。ですから、万が一のことがあったら大変とずっとつきっきり。どんなに仮装行列が盛り上がっていても、いつも話を聞かされるだけでした。何も見ていませんよ。 (高橋正吾さんのお話より)

前にこのマガジンでも紹介した、岡崎斎司さんと同じようなことを話していました。大変だったことと思いますが、どこか楽しげな様子が目に浮かぶようです。

また、お祭りには、展示だけではなく、
実演コーナーにもたくさんの人が集まりました。

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※写真:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用
【足踏みロクロの実演をする伊藤松一さん。昭和45年(第16回)。】

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※写真:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用
【会場の鳴子小学校での実演の様子。奥でロクロに向かうのは櫻井昭二さん。昭和27年(第2回)。】

現在でも「こけし祭り」の会場のあちこちで、
私たちは、祭りのために汗を流している工人さんたちに会うことができます。

作り手自身がお祭りを作り上げるというのは、
他の祭りではなかなか出会うことができない光景だと思います。

とにかく八月に入ってからのひと月間は、自分の仕事は一切できない。毎年毎年忙しい夏でした。 (高橋正吾さんのお話より)

祭りのために、こけしのために、
年に一度、こけし作りに励む仲間と共に何かを作り上げる時間は、
忙しいながらも、かけがえのない時間だと感じました。


( 文: 児玉紗也加 )




 

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