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祭りと町の人々①

今回から、何回かにわたり、
町の人々から見た「こけし祭り」について探っていきたいと思います。

特に、町の人々が盛り上がったのは、「こけし祭り」の仮装行列。
鳴子の美容師会会長、観光協会の副理事も努めたことのある、
宮本たねさんは、仮装行列にかける思いをこう話します。

「こけし祭り」の仮装行列では、毎年何をやろうかと頭をしぼりましたよ。
お祭りには何か目立つものがいるし、私はお祭りがとっても好きだったから、
色々工夫したんです。仮装行列は入賞を競うものだったんです。だから各団体が知恵を絞ってずいぶん頑張りました。 (宮本たねさんのお話から)

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※写真:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用
【昭和37年の仮装大会の表彰式の様子。受け取っているのは宮本たねさん。】

仮装のための費用は全部自前。
準備は、仕事が終わってから夜の8時、9時から行っていたようです。

当時の写真からも、
人々が仮装行列にかける思いや、その盛り上がりが伝わってきます。

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※写真:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用
【鳴子の美容師会による「おいらん道中」。毎年アイデアいっぱいの仮装で町をわかせていたそうです。】

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※写真:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用
【桃を車に乗せてパレード。桃の中から桃太郎が飛び出した様子。】

どの写真を見ても、仮装のクオリティーが高く、
どれだけ気合いを入れて準備していたかよく分かります。

また、「ふかや床屋」を経営をしていた佐藤タケヨさんは、
当時の様子をこう振り返ります。

仮装パレードが始まると、道路の両側に人がぎっしり。みんな家の前に出て、いまかいまかって待っていたもんですよ。「今年は誰さんが何になる」なんて聞いているから、期待して待っていると、びっくりしたり大笑いしたり、それは楽しいものでした。 (佐藤タケヨさんのお話から)

「こけし祭り」の仮装行列は、年に一度の晴れ姿。
町の人々は、その日をどれだけ心待ちにしていたか分かるようです。


( 文: 児玉紗也加 )

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