贔屓
かねてから何度も記事にしているが、歩いて5分の近隣のスーパーを、私は、すごく気に入っている。
だが、あまり人気店ではなくて。でも、私は、失いたくなくて。最近、個人的には、頻繁に使っている。特に、家内が家を空けるようになってきてから。
だが、その家内もプロジェクトをいったん終えて、通常の生活に戻っている。そして、どうしても、私よりも早く帰宅するので、買い物などは、家内が主導になる。そして何より、家内が料理を作るので、お弁当や食べ物を買いに行く私の工数は、必然的に減ってくる。つまりは、そのスーパーに行く機会が減る。
それでも、ペットボトルをWAONポイントに変えていくあの自動回収機を使ったり、ちょっとした夜のお惣菜が、何か安くなっていないかなどを少しだけ見て回るとか、いろいろしながら、そのスーパーには顔を出すようにしているのだ。
さらに、そのスーパーで私が買い物をするときには、ひとつ、気をつけていることがある。それは、なるべく賞味期限切れに近い日付のものを購入している。
それは、フードロスハンター(注1)としての取り組みでもあるのだが、むしろ、その店のフードロス、利益を損なわないようにするための、僅かながらのお手伝いである。
また、少し高くても、私は、敢えてそのスーパーのものを買っていたのだ。特に、週末。買い物の機会に。
そのスーパーは、イオン系のスーパーで。私の家から、歩いて5分のところにあり。朝は9:00開店で、23:00まで営業している。
私にとっては、とにかく便利で。絶対に閉店してほしくないのである。
だが、駅周辺に、安いスーパーが3店舗あり。ヨーカドーは閉店時間が比較的早いが、他の二つのスーパーはともに、閉店時間が22:00移行で。私の一番近隣のスーパーは、比較するとかなり客足が鈍い。
でも、私にとっては、特別なスーパーなのだ。この、イオン系のスーパーは。失いたくない。
私が、とこさらにこのスーパーを贔屓にするので、家内から、理由を問い詰められた。
特に、このスーパーが、秀でて、ものが安いわけでもなく、新鮮であるわけでもなく、従業員の愛想が良いわけでもなく、サービスが良いわけでもなく、近いからだけの理由で贔屓にするのはおかしいというのである。
そして、このスーパーの、良いところを一つでもあげなさいと、家内に言われた。
考えあぐねた挙げ句。気付いたのがこれである。
買い物カゴ、カートの、消毒済みと使用済みの分別だ。他のスーパーもやっているのだとは思うが、表示が曖昧で、顧客側で混在してしまうことが多い。ところがこのスーパーは、とても明確なのである。
家内は、こう、言った。
なるほど。それは、きちんとしているね。わかった。コジくんのこだわりも。
そう言って、さらに、こう、付け加えた。
毎晩マッサージを1ハーフクール(注2)してくれる約束をしてくれたら、コジくんがこのスーパーを贔屓にすることを、許してあげる。
私に、交渉のカードは、無い。
今夜も、マッサージをする。
マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)世界中で社会問題にもなっている、フードロスを無くすために、まずは身の回りの賞味期限切れを無くすように、ひとたび賞味期限切れとなった商品をチェックし、たとえ賞味期限が切れていても、匂いや色や味見から食べられるかどうかを真剣に判断し、食べられるものと判断したものは、無闇に廃棄せずにきちんと頂く。そういう活動をする、ボランティアのこと。私が勝手に作った造語である。
(注2)我が家のマッサージは、家内が録画したドラマやバラエティ番組を見ながら行うことが基本なのである。1クールとは、ドラマ一本分。つまり、1時間、ハーフとは30分。クゥォーターとは15分を、意味する。