フル単
次女の使っている言葉である。フル単とは その年度で履修したすべての単位を取ることを言うらしい。
次女は、スポーツ推薦入学者である。強化指定部に所属していて。語学などは、スポーツ推薦のクラスがあるほどで。単位も、とりやすいものを選び、学部も学科も、最も卒業しやすい学部学科に所属している。
だから、そもそも、単位は、とりやすいのである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
でも、とるに越したことはないし。褒めてあげねば。
リトルに言われずとも、次女は、報酬を要求してくる。
次女が所属しているクラブでは、良き伝統があって。フル単の学生には、監督から図書券が支給される。勉強の一助にしてほしい、ということだろうと思う。有難いことだ。
ところが、次女に言わせると、図書券をもらったところで、使い道が無いという。そして、私に換金してほしいと要望がくる。
私は過保護なので、それを換金する。
我が家の子供は、みんな過保護のカホコと、カホオである。
次女は、家族LINEに、こう、入れてくる。
そして、家内や私は、こういうふうに反応する。
次女は、ひとまず、こういうやりとりで、満足する。
必修の単位が残っているし。4年でとらねばならない単位が、まだ、ある。何とか、卒業は、してほしいものだ。
家内は、あるプロジェクトに参画していて。仕事が忙しくて、事務所の側のホテルに寝泊まりしている。日曜日の深夜に戻り、月曜日の昼過ぎにはまた、ホテルに泊まりに行って、そこで仕事をしているのである。
マッサージは、とんと、しなくなった。そのかわりに、家内の健康のことを心配をしている。これならば、マッサージをしているほうが、よほど良かった。
心の中の、リトルkokuroが、ボソリと、呟いた。
ぼんやり履修届を間違うとか、卒論が出せないとかいうことなく、なんとか、卒業してほしいものだな。
画竜点睛を欠くことなく。
だから。
これで、いいのだ。