神様バナナ【ショートショートnote_79/創作】
家内が私を追及するので、仕方なく、日曜日の夜に投稿するための、ショートショートの創作活動を、細々としている。
ショートショートノートカードゲームを使い、お題を家族に出してもらう。それをテーマに410字以内で、書く。
今回は、長女に、予めスマホのスロットアプリで選択していた以下の5枚から、お題を設定してもらった。
それでは、本編にまいりましょう。
長女のお題から。
本編、「神様バナナ」、約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
翠は、マラソンランナーで。2年前、実業団のチームに入った。
熱心にチームに呼んでくれた監督との約束も2年だったし、新年度になる前に、引退を申し出よう。そう、思っていた。
練習帰り。土手を歩いていると、2人のランナーに抜かれた。
伴走者と、恐らく、目の不自由な競技者。
何のことは無い日常の、1シーン。
ふと、昔の、走り始めた頃を思い出した。
翌日。いつものドリンクとは違う、バナナシェイクを持ち込んで、競技に出た。
給水所に、そのドリンクは、置かれていた。目印の緑のリボンをつけて。
楽しんで!翠!
監督の声がした。翠は、いつになく監督を振り返り、手を上げて、走り続けた。
それから先も、快調に飛ばし。結果は、準優勝。ベストタイムだった。
競技後のミーティングで、翠は、言った。
神様バナナで、また、走りたいと思います。
10年後。MGCで日本新記録を出し、遅咲きで、初代表を決めた。
何のためにかは、まだ、わからないが。淡々と、笑顔で走っている。
☆ ☆ ☆