パオ
家内は、いったん、プロジェクトが落ち着いて、家から通っている。だが、今でも時々、プロジェクトまつわりのことで、都心に出ていくことが多くある。
そして決まって、何か気に入った食べ物を、家族へのお土産だと称して買って帰ってくるのである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
さっちゃん(注1)は、自分へのご褒美とも言っていたが、その比重が大きいのではないかと、ここだけの話、思っている。
それはさておき、これは、なかなかの美味であった。
そしてこれがかなり気に入っていたのか、2度も買ってきた。
だから、試しに聞いてみた。
さっちゃん(注1)、これ、好きなの?
すると、少し睨まれてから、こう、返ってきた。
好きなのよ。でも、文句言うなら、配給取り消すよ。
時に、家内は、過激である。
豚饅とは、違う味だ。そして、美味しい。
この夏は、また、神戸に行きたいものである。
お礼に、夜は、家内のマッサージである。
マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)我が家の家内の呼称は、「さっちゃん」である。さっちゃんは、女王陛下という別の呼称もある。だが、リキとの関係で、そもそもの飼い主が長男であることから、私は、おじいちゃんだが、家内に対して「おばあちゃん」なんて呼び方は、まかり間違っても、してはならないのである。