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スピーチ
今宵も、長男の話である。
長男は、まあ、Z世代の端くれという言い方をして良いのかどうか。今年、29歳。大谷翔平と同学年である。
長男の世代は、あまり結婚式をやらない。身内だけでするとか、入籍だけにするとか、私たちの世代ではとうてい考えられないようなで結婚観なのである。
私とて、高いお金を出してする結婚式は、本当のところ、したくはなかったのだが。あの当時は、致し方なかった。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
まったく、諸行無常だな。
だが、そんな長男の友人の中にも、盛大な結婚式をあげる人物もいて。なんと長男に案内状が届き、スピーチ依頼のカードまで入っていたという。
長男は、人前に出るのが世の中で最も嫌いなことなのである。
その長男を、その友人はスピーチの場に引きずり出した。
私は、ドライな長男は出席すら断るだろうと思っていた。
だが。
その結婚式は、数々の名スピーチに支えられ、大盛況のうちに門出を祝ったのだと聞いた。長男も含めて。
長男のスピーチを隠し撮りした動画が、なぜか家内に送られてきた。長男の友人の母親と家内が通じていたのである。
見てみると、なかなか、堂々と、しかも、ユーモアたっぷりで簡潔に話している、普段の長男とは別人と化した長男がそこにあった。
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心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
人は見かけによらぬものだな。
そんなこんなを語らおうとしてソファーを振り向くと、家内が足を指さして笑って言った。
J(注1)はね、もう、コジくんの手の届かないところに行ってしまっているのよ。
そんなことを言うと、なんだか、寂しいじゃないか……。
さて、夜ごとのミッション発動だ。
マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)Jとは、我が家の長男のことである。呼称は、Jとしようと思う。長女は、M。次女は、H。こう、しよう。
■追記■
明後日、さぼてん主婦さんの、スタエフのチャンネルで、ライブに参加します。
いつものように、私はあんまりしゃべらないと思います。笑
それでも、お時間とご興味があれば。
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