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ショートショート_事件
雪化粧という言葉は、私のような雪国に住まない者にとっては、なんとも魅惑的に響くのであるが、毎朝雪かきをするために4時に起床しなければならない雪国地域の方々にとってみれば、冬の到来は、かなりのストレスに感じたりするのだろう。雪。白くて無垢な感じもするが。自然というのは、ままならない、過酷な一面も持ち合わせているのだと改めて思いつつ、小雨降る窓を見つめる。そんな日曜日に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「雪化粧」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
なんと、こんなことが書いてある。
「【お題】で○○なショートショートを書いてみてください!」という趣向に則り、【アメリカ製保健室】 のお題で、【どんでん返し】なショートショートを書いてみて、と?
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
変化球、投げてくるなぁ。時間が無いぞ。考えろ、コジ!
うーむ……。
お2人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、春永睦月さんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。
いい作品だ。詩作する人への尊敬の念を込めて、そう思う。
カバー画像のAI画像がまた、素晴らしい。
この短歌。夢と希望を感じる。春というと思い出すのが、この言葉。
冬来たりなば、春遠からじ。
春の彩りのためのエネルギーを蓄えて、冬、じっくりと備えているのだろう。淡々とした中にも、地道さ、粘り強さを感じる。冬。
草木に教えられる冬、だ。
そして、今回は、たらはかにさんの、毎週ショートショートnoteの表お題の作品を読んでみた。ちょっとその感想も、述べてみる。
ジャンボジェットが昭和な感じがする中で、見事に紙飛行機が中和している。紙飛行機ではあっても、ドローンやヘリコプターや台風に負けない。理不尽な世の中に、逞しく生き抜く若者の術を見多様な気がした。
若者よ!大志を抱け!
そう、叫びたくなった。
毎週ショートショートnote主宰のたらはかにさんの作品が、ふと、私自身を鏡に映してくれたような気がした。
今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。
これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、悪ガキだな。
まあな。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、コミカルな内容になってしまっている時もあり。今回は、また、その調子になってしまっているようで、実は、反省している。少しばかり。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「事件」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
雪化粧をした庭が、いかにも冬だと思わせる窓が見える保健室に、涼は寝かされていた。
ハイスクールに留学していた頃、随分と前のことだ。
今でも外が騒がしい。緊急車両が出入りし、捜査員も鑑識も慌ただしく出入りし、事件の大きさを物語っている。
数分前。そこは、平和な教室だった。
数学と物理学の権威である教授がやってきて。「物理的かつ時間的瞬間移動原理の概要」という、いかにもSF的なテーマで講義が始まっていた。
そこへ、2人の工作員がドローンで窓を突き破り乱入。催涙弾で一瞬のうちに制圧され、その教授は連れ去られた。
誘拐事件だ。
涼は、咄嗟に廊下に飛び出て、工作員のひとりを逆に制圧したが残念ながら教授を守ることは出来なかった。
武道の心得があって良かったのか、否か。
辛うじて意識が無くなることの無かった涼は、事情聴取のためもあり、保護されたわけだ。
ドアがノックされ、ひとりの人物が入ってきた。
「君か。工作員を拘束したのは。君を、逮捕する」
☆ ☆ ☆