ショートショート_起床
春の夢は、暁を覚えず、いつ頃見るのだろうか。最近、仕事をしている夢をよく見る。明け方に。決まって徹夜している。
昔、袖机の一番下の段には、寝袋が入っていた。深夜業になり、終電に近くなっても仕事にキリがつかなかったら躊躇無く徹夜した。そんなときは、仮眠を少しだけする。床に寝袋を拡げて。そのときは、夢は見ない。
今は時代が変わり。夢は寝床で見ることが多くなった。ちょっとは幸せな会社生活になった、ということなのだろう。
そんな日曜日の夕方に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
今回のお題は、「春の夢」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【トラネキサム酸笑顔】。また、裏お題は【ラムネ炭酸寝顔】ということで。またまた、かなりの難題である。
さらに、山根あきらさんからのお題は…。
「小さなオルゴール」というお題で、小説、イラスト、エッセイ、詩、写真、演奏etc.などの作品を投稿してみませんか?「小さなオルゴール」という言葉をタイトルまたは本文中に使用してください。ということで。
お3人の企画は、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、羽根宮糸夜 5/19文学フリマ東京 Q-38さんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。
春眠暁を覚えずという。
いつか、もうこれ以上眠れないほどの熟睡をしてみたいと妄想するのだが。寄る年波には勝てず、なぜだか何度もトイレに起きてしまう。
「春の夢
雪解け水と
鳥の声
BGMに
微睡んでいる」
この、一番最初の詩が、良いなぁと思った。
今日はこちらでも28.5℃にもなったということで。つい最近花見をしたはずなのに、もう、初夏を越えて夏の装いだ。
季節は巡り、時は足早に過ぎ去り。景色は変わり、やがて諸行無常の風が吹く。
そんなこと全て忘れて、今日は、ビール片手にDAZNてサッカーと野球観戦をしつつ、ふと微睡んだときに、羽根宮さんの詩のような春の夢を見れたら最高なんだろうなと、ふと思ったが、失点、得点に興奮していて、終ぞ微睡めなかった。
ただ。今日は、良い日になった。今生きていられることに感謝をして。今宵も、月に祈ろう。
そして今日は、小牧幸助さんの、もうひとつの期間限定企画に参加できる最後のチャンスなのだ。私にとっては。
一言でいうと20字で小説を書いて読み合うという超お手軽な投稿企画ということで。これも、シロクマ文芸部の末席を汚すものとして、参加せずにはいられまい。ひとまず、今日、一作だけいってみよう。
■新生活20字小説■
徹夜残業の夢を毎日見る春に異動したコジ。
なんだか小説っぽく無いが、まあ、いいだろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、山根あきらさんのお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文。そして今回は、新生活20字小説まで、6重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。そうだな。
これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、マジ、悪ガキだな。
まあな。そんなもんだよ。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、平坦であったりコミカルな内容になってしまっている時もあり。今回は、また、そんな調子になってしまっているようで、実は、反省している。ほんの少しばかり。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「起床」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
春の夢は、ちょっと不思議な夢だった。
ふと腕時計を見ると4時半になろうとしている。起床時間にはあと30分ある。ここはしっかりと身体を休めておきたいところだが、やはり、もう眠れない。
教授が行方不明になってから、何年経つだろう。
あれから様々な出来事があった。泉は涼と同じ大学に入学して卒業し、なぜか秘密警察でエージェントになり活躍している。時に同じミッションに就くこともある。
悪の枢軸は一時的に力を落としたものの一掃できず、むしろ勢力を盛り返して悪事を働き続けている。
夢の中で涼は、実際にはあり得ないことだが、敵に手痛い一撃を食らわされ出血していた。泉が見ていたのでやせ我慢で笑うと、不思議に痛みと出血は消え失せた。
急にシーンが変わり。ポチがとなりで寝ていて。猿なのに寝言を言っている。
「シュワーッて、甘くて美味しい」
スマホのアラームが鳴った。音はいつもの、「小さなオルゴール」だ。
「さて、起きるか」
涼は静かに身体を起こした。
☆ ☆ ☆
■追記■50日目/66日
放課後ライティング倶楽部主宰のヤスさんが、エグい企画をやっている。66日ライティングランニング。略して「66日ライラン」。
人間が習慣化できるのは、66日間くらいを経てというのが一説にあるという。書く習慣と力をつけようというこの企画。新たな参加者が毎日のように増えている。
下述のヤスさんの記事のコメント欄に始めたいと入れると、マガジン招待のメールが届く。
約束事は、以下の3つ。
①300字以上を目安に書く
②投稿時、必ずマガジンに投稿(#66日ライラン)
③1日でも投稿をサボったら、マガジンから追放
「追放」って…。まじかぁ…。
でも、企画ものが大の苦手の私が、震える手で、参加することにした。まさに、ドキドキで。コメントすると、招待状が届いた。
これで、後には引けない…
まだ、参加できると思う。ご興味のある方は、添付記事のコメント欄にて、ヤスさんへアピールを。