コンサート
家内と、久しぶりにコンサートに行った。家内が地域新聞の記事で見つけてきたのだ。それは、以前、無料クーポンの記事で紹介した、Y子ちゃんの旦那さんがメンバーにいる、音楽家集団のコンサートだった。
Y子ちゃんは、音楽家である。家内の職場の同僚だが、Y子ちゃん自身はアマチュア。旦那様は、プロの音楽家なのだ。そして旦那様は、住んでいる地域のプロの音楽家同士でグループを作り、定期的に1年に一度、地元の小さなホールでコンサートを開催している。
今年は、緊急事態宣言が出てから、世界が一変した。コンサートやライブというような、人が集まるイベントなどはことごとく中止になり、深刻な打撃を受けた。そして、メンバーからのトークの中で、それは、全く活動しなかった時期だけで5ヶ月も続いたと。6月くらいから少しずつ復活の兆しが見え始め、少しずつ少しずつ、前進してきては、いるらしい。
ホールの入った。久しぶりだ。観客は、ソーシャルディスタンスの名の下に、定員の半分以下に絞られていて、厳格に席は、ひとつおきに座るように指定されていた。その景色は、日常は、まだ遠いことを物語っていた。
しばらくして開演となった。曲は、心に沁み入るものばかりだった。久しぶりにホールで聴いているというのもあっただろう。だが、それだけではない気がした。
観客の拍手も、全力で大きく聞こえる。いかに長い間、空白の時間があり、みんなが今日を待ち望んでいたのかが、わかるような熱が入っていた。
聴いていて、音楽としての感動もあったが、自然に涙が出てきた。今の苦難を、みんなが乗り越えようとしていることにも、心が揺さぶられた。
今回は、復活のための試運転で、たった40分のショートコンサートだった。本来、6月に開催するはずだった2020年の定期コンサートは、演目を変えずに、年明け、1月20日に開催予定だと、予告を最後に聞いた。
やはり、こういうイベントは、良い。コンサートは、良い。そして思った。音楽や芸術は、人の心の栄養になる。つまり、希望を与えるのだと、改めて知った。