リベンジ
家内は、都心のホテルに泊まり込んでいるあいだ、夕方の休憩時間に、子供たちのためだと言いつつ、夕食を購入しようとする。
家にいることが出来ず。夕食を作ることが出来ないので、せめてもの償いとして、少し高めの、有名店でのものを購入する。
そして、家族LINEで、こう書き込むのだ。
今日は、〇〇のと〇〇を、並んで買った。コジくんに持って帰ってもらうから、みんなで食べて。
むろん、その背後では、帰宅途上の私が、家内の職場近くに立ち寄るミッションが発動される。
そして、職場のメンバーの目につかないように、ビルの陰や地下の駐車場で、そのブツは、手渡され、我が家に持ち帰るのである。
私は、会社の最寄り駅から往復で20分程度、余計に歩くことになる。
私は、何を隠そう、ダイエット中なので。歩数が増えることについては、願ったり叶ったりではある。だが、歩く時間が多くなると、必然的に日常の家事をする時間も少なくなるので、そうそう、この秘密のミッションには、付き合えない。
ある日、ビーフ塩カツサンドを運ぶミッションがあった。
ブツを受け取り、電車にて帰宅途上で、LINEにメッセージが入った。
たまごサンド、入っているよね?
見ると、両方とも、「ビーフ塩」の、ラベルが貼られている。
それを告げると、めちゃくちゃ悔しい。あの、たまごサンドが、とっても美味しいのよ。
と、返信があった。
コジくん、近いうち、リベンジするからね、その時は、帰宅する前に立ち寄ってね!
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
さっちゃん、もう、帰宅してくる時期だよね?
家内は、来週には、晴れて帰宅予定だ。あと僅か。リベンジミッションが発動されるかどうかと、内心、ドキドキしている。
そんなこんなの、ドキドキ話を家内としようかと思って振り返ると、案の定、空のソファーが、ただ、笑っていた。
家内は、夏のプロジェクトに参加するため、実は、先日から家を空けている。今回は、不在期間が長く、8月末までは都心のホテルで泊まり込みになり。帰宅するのは、日曜日の深夜で 。月曜日の午前中には、また、出ていくのである。
日曜日の夜は、入念にマッサージをしよう。そう、心に決めているのだが、この前の日曜日と次の日曜日は、最後のかき入れ時で、忙しくて帰宅できないのである。
少し残念だ。
昼間の、家内とのやりとりからすると、家内は、元気なようである。
家内が元気だと、我が家は、明るくて、平和である。
だから。
これで、いいのだ。
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。