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ショートショート_幻影
朧月は春の風物詩なのだろうと、私は思っている。ここのところ空が霞んでいて。寒さも少し和らいできている夜に、朧月が見えていた。今日は曇ってしまっていて、その月も見えないだろう。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「朧月」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【三日月ファストパス】で。裏のお題が【満月ガスとバス】ということだ。
そして今日は、は、とうとう、もうひとつの企画、山根あきらさんのお題にも乗ってしまおう。
お3方の企画はすべて、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。毎週お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。ほんとうに、ありがたい限りだ。私としては、毎週、励みになる。
また、今回は、riraさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。
朧月。あやふやな感じが何とも優しく、怪しく、不思議で。
そんな朧月の短歌。どこか切なく。でも、温かみがある三首。
特に最後の一首。春の思い出は、来年の春までとっておくのだろうか。蕾が綻びゆく前の若き夜桜の思いのような、一期一会の儚さを、どこか、感じる。
良い歌を、味あわせてもらった。
生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、そして山根あきらさんの青ブラ文学部、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。やり過ぎだな。確かに。
でもまぁ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、マジ、悪ガキだな。
まあな。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、コミカルだったり、ファンタジーな内容になってしまっている時もあり。今回は、また、そんな調子になってしまっているようで、実は、反省している。少しばかり。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「幻影」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
朧月の、それは不思議な夜だった。
本部に転送された涼は、報告と今後の方針を決めて帰路についたのだ。
夜道を歩いていると、足音か近づいてきて。既に至近距離にいる。
気付くと男に前に回り込まれて話しかけられた。
仮にも涼は、トップエージェントだ。そんな不覚、あろうはずがない。本来は。
ただ、男には不審な雰囲気が無かった。
「今宵は新月から3日目。これを授けよう」
男は、円がひとつ書かれた紙を渡してきた。
と同時に、かき消えた。
「合わせ鏡に、気をつけろ」
この声だけを残して。
幻覚から覚めた思いで家に着き、カギを開け、中に入り徐にドアに貼り付けた鏡を見ると、リビングの鏡が見えた。
途端に周りが街なかの景色となり。
靄が立ち込め、見上げると月は、見る見る満ちていく。満月だ。
目の前にバスが着き、扉が空いた。
降りてきたのは、6年前に行方不明になった兄だった。
「あ、兄貴!」
気付いたら涼は家の中にいた。
手にしていた紙には、綺麗な三日月が残っていた。
☆ ☆ ☆
■追記■8日目/66日
放課後ライティング倶楽部主宰のヤスさんが、エグい企画をやっている。66日ライティングランニング。略して「66日ライラン」。
人間が習慣化できるのは、66日間くらいを経てというのが一説にあるという。書く習慣と力をつけようというこの企画。新たな参加者が毎日のように増えている。
下述のヤスさんの記事のコメント欄に始めたいと入れると、マガジン招待のメールが届く。
約束事は、以下の3つ。
①300字以上を目安に書く
②投稿時、必ずマガジンに投稿(#66日ライラン)
③1日でも投稿をサボったら、マガジンから追放
「追放」って…。まじかぁ…。
でも、企画ものが大の苦手の私が、震える手で、参加することにした。まさに、ドキドキで。コメントすると、招待状が届いた。
これで、後には引けない…
まだ、参加できると思う。ご興味のある方は、添付記事のコメント欄にて、ヤスさんへアピールを。