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好物
次女の好物のひとつに、イカ飯がある。このイカ飯、最近ではイカの漁獲量が減少してきており、イカ飯屋さんが、なかなか厳しい状態になりつつあるとも聞いたりする。
昨日の記事にも書いたが、先週、街中の食料品売り場に行くことがあり、そのときに、タコと同時に、イカ飯も、購入したのである。
長男は、タコも、イカも、苦手だ。そして次女は、この、イカ飯を、こよなく愛する大学生である。
これを購入する時、次女の顔が浮かんだのは、言うまでもない。
私は、回転寿司に行くと、当然の如く、タコも、イカも、注文する。なぜならば、両方とも、好きだからである。
購入したイカ飯は、大切に冷蔵庫に格納しておいた。すると翌日の朝、腹を空かせた、次女という名のモンスターが、冷蔵庫を荒らしに来た。
そして、歓喜の声をあげた。
うわっ! イカ飯が、ある!!
当然の如く、次女に、即座に言った。
おまえのために、買ってきたぞ。でも、独り占めは、いかんな。
すると、次女が、即座に返答した。
残ったらね。あげるね。
次女は、満面の笑みである。
心の中の、リトルkojuroが呟いた。
完全に、主従逆転している.....。
次女は、遠慮会釈なく、頭から食べていく。そして、次に家内の分。私には、なぜか、3切れも、回ってきた。
心の中の、リトルkojuroが、喜んで呟いた。
思ったよりも、多く、配給があったな。
そして、次女に、聞いてみた。
俺、2つでいいよ。ひとつ、返そうか。
すると、次女が即座にこたえた。
うん。お腹いっぱいだから、コジに、あ・げ・る。
私は、ちょっと、微笑みながら、イカ飯を、ひとつ、食べた。朝から、なんとも気持ちの良いことだ。
そして、冷蔵庫に足をむけた。そして、探したのだ。
私の、とっておきを。
あれ.....。無いぞ.....。
すると、その探し物は、次女の前の、テーブルの上に置かれてあった。
な、なんと!!!いくつか、食べられている。
これは、私の、私のための、とっておきだったのに!!
すると家内が、口をもぐもぐさせながら、私を見つめた。
まさか、独り占めしようとしてた?
私は、ちょっと、視線を逸らしてしまった。が、少しだけ震える言葉で、こたえた。
べ、別に。特別な食べ物は、常に、家族みんなのものだ。
すると、心の中のリトルkojuroが、苦笑しながら言った。
見苦しいなあ。もっと、素直になれよな。
私の求めているのは、常に、家族みんなの幸せである。そして、それは、延長線上のかなたが、世界平和へと繋がっている。はずだ。
家族みんなが幸せなのだ。
これで、いいのだ。
■追記■
昨日と、本日は、私がnoteでフォローさせて頂いている、磯貝剛さんのカバー画像、「タコ」と「イカ」を、使わせて頂きました。
磯貝さんは、画家でいらっしゃいます。そして、小説家です。私は、磯貝さんの「箱」という作品を読んで、ファンになりました。独特の世界観があり、その世界に、私が興味を抱いたのは、ひょっとしたら、私が妖怪好きというのも、少し関係があるのかも知れません。
磯貝さんのカバー画像、絵が、いいな、と、思ったので、いつか、使わせて頂こうと思っておりました。そして、ようやく、昨日と本日で、私がかねてから目をつけておりました、「タコ」と「イカ」を、使わせて頂くことができました。
時には、カバー画像から記事を書いていくのもいいなと、今回、思いました。磯貝さん、ありがとうございました。
磯貝さんの、「箱」ですが、りりかるさんが朗読され、konekoさんが英訳され、りりかるさんの朗読からYouTubeの動画を、konekoさんが、作られています。人間の愛のかたちを、不思議な世界観で描かれています。純粋で、切なくも美しい、愛の世界を、味わってみられるのもよろしいかと存じます。