リキ日記_パン
ハリネズミの飼育者のことを、世間では、「ハリ飼い」というらしい。私は、その、ハリ飼いの中でも、まだまだ素人である。
我が家のハリネズミの名前は、リキという。
今日のリキ日記のお題は、「パン」である。パンとは言っても、食べるパンとは違う。パンチルトズームカメラの、パンである。
カメラの機能で、パンとは、水平の動き。チルトとは、垂直の動き。ズームとは、最近流行のネットワーク会議ソフトではなくて、望遠・広角のレンズ機能のことを言う。
頭文字をとって、PTZなどと言うこともある。
我が家の、リキの観察カメラは、この、ズームはついていないが、パンチルトが出来るカメラが2台。そして、パンチルトズームすべてが無い、全くの定点カメラカメラが2台ついている。
毎日、その4台を使い、要所要所で、リキを観察しているのであるが、この機能のことを話しても、家族みんな、ちんぷんかんぷんだった。
だが、次第に、長男と家内は、カメラでの観察をしてくれるようになり、今は、少し、パンチルトの機能を使うようにも、なってきた。
特に家内が、仕事で家に帰らなくなってから、夜の仕事の時に、リキの観察をするようになった。最初は、昨日を使わずに、ただ、それぞれのカメラを眺めるだけだったが、だんだんと、機能を使い出した。
その記録が、僅かばかり残っていた。
これは、5月のあるときのリキの観察を家内がしていたときのカメラの動きを記録していたものである。
カメラが、遠慮がちに、ゆっくりとパンしているのがわかる。
動かしているのは、家内なのだが、カメラは、動くときに当然のことながら、音を出す。だが、リキは、怖がる様子もなく、自然に受け入れている。
リキにとって、カメラは、単なるモノなのであろう。
家内は、リキのことが好きである。だからこそ、深夜に、カメラを覗いては、癒やされたかったのだと思う。
だが、家内は、パンが何で、チルドが何を意味するのかということは、理解していない。家内にとって、パンは、横、なのである。
リキは、だんだん大きくなってきたが、家内は、少しずつネットワークカメラを動かす術を身につけてきている。
それは、共に、成長である。
家内は、あるプロジェクトに参画していて。仕事が忙しくて、事務所の側のホテルに寝泊まりしている。日曜日の深夜に戻り、月曜日の昼過ぎにはまた、ホテルに泊まりに行って、そこで仕事をしているのである。
マッサージは、とんと、しなくなった。そのかわりに、家内の健康のことを心配をしている。これならば、マッサージをしているほうが、よほど良かった。
心の中の、リトルkokuroが、ボソリと、呟いた。
さっちゃん(注1)が、カメラを動かせるようになったことが、すごい。
やりとりからすると、さっちゃん(注1)は、元気なようである。そして、プロジェクトがひと段落したので、来週には帰宅して、通常勤務に戻るのだという。
だから。
これで、いいのだ。
磯貝さんの描く絵は、妖しいのだ。だが、妖怪好きのわたしは、その妖しさが、気に入っている。妖怪とは、人間の想像力の塊である。磯貝ワールド、見れば見るほど、想像力を掻き立てられる。
この3周年企画。当選した。嬉しすぎて、言葉にならない。ほんとうに。また、素敵なリキグッズが手に入る。最高だ。