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腹筋

3月も末のことだ。次女のチームを応援しに行った。その頃になり、あらゆるスポーツが、応援の仕方について規制緩和となり。マスクをしていれば、声出し応援をしても良いという話になってきていた。


次女のチームは、かなり順位的に厳しいところに位置づけていて。その日、ほんとうに。正念場の試合だった。

それは、チーム関係者全員が意識していて。アウェイゲームではあったものの、いつもよりも多めの応援が駆けつけていた。


当然、応援にも熱が入り。そして、マスクさえしていれば声出し応援が許されていることもあり、それぞれが掛け声を出し始めていた。


Twitterなどでは他会場での様子も入ってきていて。ライバルチームは、途中経過で、リードしているという話も、電光石火のごとく応援席に駆け巡る。


心の中の、リトルkojuroが、熱の入った言葉で私に語りかけた。

コジ。ここは、マジの勝負所だぞ。


私は、声出しのリミッターを、外した。

もちろん、マスクは、している。だが、3年間封印してきた応援を、精一杯することにしたのだ。試合の、後半戦。


応援団も。チームスタッフも。サポーターも。家族も。もちろん、選手たち自身も。必死になってチームを鼓舞し。盛り上げて、大声援が響き渡った。


試合終了。


格上のチームに、何とか、最後の最後、競り勝った。


応援席は、やんややんやの大騒ぎとなり。抱き合い、握手し合って、たたえ合い、選手たちに拍手喝采を送った。

メガホンを使っての応援も、そう遠くないかも

宿に帰り。そして、束の間の休みをとり、駆けつけて応援し、勝利の余韻に浸りながらソファーで寛ぐ家内を振り返ると、黙って脚を指さしている。


マッサージをしていると、なんだか、腹筋が痛む。無論、声は、嗄れている。


家内は、静かに言った。


コジくん、ちょっとやり過ぎよ。


スマホの家族LINEには、次女からのコメントが来ていた。


ちょっと、コジ、黙らせて。


えっ?そこに、愛は、あるんか?




マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて、平和である。




だから。




これで、いいのだ。





■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


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