
ショートショート_試行
桜色をした春。そんな春を、一生のうちに一度でも迎えたいものだと思うのである。そんな落ち着いた、希望に満ちた、ある意味浮かれた春は、未だに味わったことが無い。今も、まだまだ寒くて、雨が降っていて。春は遠い。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「桜色」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【桜回線】で。【魅力的な台詞ではじまるお話】ということだ。
さらに、山根あきらさんからのお題は、一週間前に出る。
「暗々裏」(あんあんり)という言葉を使って記事を書いてみませんか?ということで。
お3人の企画は、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、山根あきらさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。
あきらさんの「妄想哲学者」という言葉が、いつも頭に残る。
勉強は嫌いでしだったが、数学と物理、化学は、自分として、まずまずやった。
私は、妄想は、よくする。というか、妄想ばかりだ。そんな私でも、山根さんのようなロジックで妄想することは、あまり無い。
三次元の桜は、今年、楽しみたいと思う。だが、四次元の桜、楽しむことが叶うならば、いつか、楽しみたいと思う。
ちょっと懐かしく。頭を捻るお昼となった。
生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、山根あきらさんのお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。そうだな。
これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、マジ、悪ガキだな。
まあな。そんなもんだよ。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、コミカルな内容になってしまっている時もあり。今回は、また、その調子になってしまっているようで、実は、反省している。少しばかり。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「試行」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
「桜色の声が聞こえてきます。そこら中から」
涼は、微笑みながら言った。
教授側にも涼の視野は確実に伝わっていて。
「まさに、春爛漫だな。外の世界は」
少し残念そうな声色がはっきりと聞こえてきた。
教授の瞬間移動装置は空間と時間を移動することが出来る。
教授は暗暗裏に、スマートウォッチと微細カメラコンタクトを介して、視野と音声を共有することが出来る機能を付加しようと試みていて。今日が初めての試験通信だった。
涼は大学のキャパスで入学式に出ていた。
ミッションで卒業式には出られなかったものの、晴れて大学生となり。入学式で、ほんのひとときの春を謳歌していた。
「これでいつでも、リモートでのやりとりが出来る」
教授は満足げに一息ついた。
次いで、更に、こう言った。
「泉を来週から学校に戻そうと思う。いざという時、警護を頼みたい」
涼は真剣な声で、
「もちろんです」と応えた。
南大沢の高台のキャンパスから見下ろすと、桜の海が、色豊かに拡がっていた。
☆ ☆ ☆
■追記■15日目/66日
放課後ライティング倶楽部主宰のヤスさんが、エグい企画をやっている。66日ライティングランニング。略して「66日ライラン」。
人間が習慣化できるのは、66日間くらいを経てというのが一説にあるという。書く習慣と力をつけようというこの企画。新たな参加者が毎日のように増えている。
下述のヤスさんの記事のコメント欄に始めたいと入れると、マガジン招待のメールが届く。
約束事は、以下の3つ。
①300字以上を目安に書く
②投稿時、必ずマガジンに投稿(#66日ライラン)
③1日でも投稿をサボったら、マガジンから追放
「追放」って…。まじかぁ…。
でも、企画ものが大の苦手の私が、震える手で、参加することにした。まさに、ドキドキで。コメントすると、招待状が届いた。
これで、後には引けない…
まだ、参加できると思う。ご興味のある方は、添付記事のコメント欄にて、ヤスさんへアピールを。