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『Main Theme of LoveLive! Superstar!!』とは -劇伴音楽プログラムノート-

-概要-

「Main Theme of LoveLive! Superstar!!」とは、TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』オリジナルサウンドトラック 「Dreams of the Superstar」の[Disc1] 1曲目に収録されている楽曲である。作曲者は藤澤慶昌さん。

曲名の通りTVアニメ「ラブライブ!ス―パースター!!」のメインテーマとなる楽曲である。TVアニメの作中で使用されている他、ティザーPVをはじめとしたTVアニメ予告映像、また声優キャストによるライブのオープニングにて使用される事でも知られる。

【TVアニメで使用された話数】

TVアニメ「ラブライブ!ス―パースター!!」1期
・第1話「まだ名もないキモチ」
・第10話「チェケラッ!!」
・第12話「Song for All」

TVアニメ「ラブライブ!ス―パースター!!」2期
・第9話「勝利のために」

-楽曲情報-

【楽器編成】

・フルート
・オーボエ
・ファゴット

・ホルン
・トランペット
・トロンボーン

・ティンパニ
・サスペンドシンバル
・グロッケン
・チューブラーベル
・ドラムセット

・ピアノ

・アコースティックギター

・弦五部(第1・第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)

【テンポ】

♩=135

【調】

ヘ長調(F Major)

【拍子】

4分の4拍子

【楽曲構成】

・Intro.(13小節)(00:00~)
・A(16小節)(00:23~)
・B(16小節)(00:52~)
・C(21小節)(01:20~)
・D(18小節)(01:58~)
・Coda(14小節)(02:30~)
計98小節

【曲中で登場する主要なテーマ・モチーフ】

・第1テーマ

『Main Theme of LoveLive! Superstar!!』
Aの1小節目アウフタクト〜(00:23~)

・第2テーマ

『Main Theme of LoveLive! Superstar!!』
Cの1小節目〜(00:52~)

・第1モチーフ

『Main Theme of LoveLive! Superstar!!』
Bの13小節目~14小節目(01:14~)

・第2モチーフ

『Main Theme of LoveLive! Superstar!!』
Aの9小節目(00:38~)

・第3モチーフ

『Main Theme of LoveLive! Superstar!!』
Bの5小節目アウフタクト~6小節目(00:58~)

【同じテーマ・モチーフが登場する他の楽曲】

第1テーマ
・新しい私
・力になりたい
・本当の気持ち
・前回のラブライブ!スーパースター!!
・輝く気持ち
・熱い暑い
・決戦!
・特訓スタート!
・それぞれの想い
・新たな決心
・想いをカタチに
・スカウト
・葛藤
・大はしゃぎ
・想いをはせて
・好きだけじゃない
・想いはひとつ
・星の連なり
・夜空の煌めき
・新年度スタート!
・高い壁
・追いつくために
・夢の予感
・張り切っていこう
・オープンキャンパス
・みんなと一緒に
・みんなの力で
・私を叶える物語
・未来へ

第2テーマ
ラブライブ!スーパースター!!BGM
・本当の気持ち
・輝く気持ち
・特訓スタート!
・想いをカタチに
・想いをはせて
・好きだけじゃない
・星の連なり
・夜空の煌めき
・新年度スタート!
・先輩と呼ばれて
・みんなと一緒に
・未来へ

第1モチーフ
ラブライブ!スーパースター!!BGM
・新しい私
・熱い暑い
・決戦!
・特訓スタート!
・やってみよう!
・それぞれの想い
・新たな決心
・想いをカタチに
・スカウト
・始まりの瞬間
・想いをはせて
・幼い日の思い出
・好きだけじゃない
・想いはひとつ
・結ばれた想い
・星の連なり
・冬の朝
・夜空の煌めき
・新年度スタート!
・閑古鳥、鳴いた
・高い壁
・似た者同士
・追いつくために
・夢の予感
・張り切っていこう
・勝つための選択
・大嫌いで、大好き
・みんなと一緒に
・みんなの力で
・告白
・未来へ

第2モチーフ
・特訓スタート!
・高まり
・バカンスへ♪
・好きだけじゃない
・いつもの風景
・興味津々
・似た者同士
・追いつくために
・張り切っていこう
・みんなの力で

第3モチーフ
ラブライブ!スーパースター!!BGM
・新しい私
・前回のラブライブ!スーパースター!!

-プログラムノート-

「ラブライブ!シリーズ」の各作品には必ず"メインテーマ"と名付けられている劇伴音楽が存在している。
世の中のアニメ、ドラマ、映画等の作品において"メインテーマ"なる音楽が作曲される事は非常に多く、予告CM、オープニング、作中などで使用することにより、その作品全体のテーマの一貫性を鑑賞者に伝える役割がある。
「ラブライブ!シリーズ」4作目となる「ラブライブ!ス―パースター!!」のメインテーマ「Main Theme of LoveLive! Superstar!!」は、「ラブライブ!シリーズ」の過去3作を含めたメインテーマの中で最も序曲的側面を持ったメインテーマであると私は感じている。
「序曲的側面を持っている」というのは、西洋音楽における劇音楽(劇に合わせた音楽)の序曲と似た役割を担っているという意味である。元々、劇音楽における序曲は劇の開演前に演奏され、その劇で登場するテーマやモチーフ、またその劇がどういう物語なのかを観客に対して予告・予感させるように作曲されていた。「Main Theme of LoveLive! Superstar!!」では、Cの第2テーマ登場(苦難・努力)、Dの第1テーマ再登場(再起・決意)など、先々の物語展開を予感させる要素が比較的色濃く仕掛けられているように感じられる。
また、過去作のメインテーマ同様に、声優キャストによるライブでの開演時の使用を意識した"開幕感"のある頭5小節(序奏部)は、会場のオタク達のボルテージを一気に最高潮まで高める。
そういった意味でも、これから始まる物語の開演に先立った"序曲"としての役割を担っていると言える。


・Intro.(序奏部)

(00:00~)
弦楽セクションによるトレモロとピアノによって、開幕が告げられる。

(00:09~)
Intro.6~10小節目の期待感高まる進行は、「新しい私」の冒頭でも使用される。

(00:19~)
Aの第1テーマに入る直前の区間であるIntro.10~13小節目では、アコースティックギターによるハーモニクス奏法が美しく響き渡る。

・A(第1テーマの登場)

(00:23~)
満を持して第1テーマが登場し、音楽がついに動き出す。ヴァイオリンセクションによって奏でられるこのテーマは、落ち着いている中にも勇気を秘めているようであり、美しくもドラマチックな和声進行がこのテーマを暖かく支えている。

(00:37~)
Aの9小節目からはブラスセクションが加わることにより、より華やかに第1テーマが奏でられる。また、裏ではフルートによって第2モチーフが奏でられている。

・B(第3モチーフの登場と第1モチーフの登場)

(00:52~)
Aにて第1テーマが奏でられた後、Bではその音楽がさらに展開していく。アコースティックギターが主体となりメロディを奏でていく中で第3モチーフが登場し、同時にヴァイオリンセクションがオブリガート(裏メロ)として第1テーマを奏でる。
Bのラスト4小節、本作にて最も重要なモチーフである第1モチーフがようやく登場する。

・C(第2テーマの登場)

(01:20~)
第2テーマが登場。オーボエによって、切ないながらも真っ直ぐな音で奏でられる。

(01:35~)
第2テーマは転調した上でブラスセクションによって奏でられ、スネアをはじめとした打楽器が加わる事により、物語の先に待つ苦難や努力、またそのスケールの大きさを予感させる。

(01:50~)
ここで第1モチーフが、ピアノソロにより再提示される。

・D(第1テーマと第2モチーフによるクライマックス)

(01:56~)
第1テーマが再び登場。Bの第2テーマを経て迎えたこの第1テーマは、弦楽セクションとブラスセクションによって、まるで決意を感じさせるように力強く奏でられる。

(02:10~)
アコースティックギターがメロディを奏でる裏では、フルートとオーボエのユニゾンで第2モチーフが奏でられる。
楽曲はクライマックスを迎える。

・Coda(終結部)

(02:30~)
いよいよ楽曲はフィナーレへ。
各楽器の動きと和声進行により、終わりが近づいていることが告げられる。

(02:37~)
トランペットセクションにより第1モチーフが奏でられる。
その後、ブラスセクションによって第1テーマによる1フレーズが奏でられ、最後にオーケストラ全体によって力強く楽曲が締めくくられる。




※この記事の内容は全て、私(n.kohna)が個人的に楽曲分析・解釈を行ったものであり、公式および作曲者の意図とは一切関係がありません。

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