少し前に日本画家の千住博さんが高野山の寺のふすま絵の制作する過程をおったドキュメンタリをみた.
何をどう描くかということと同じかあるいはそれ以上に, どんな紙の上に描くのかということについて試行錯誤を繰り返していた.
紙のハリや質感にくわえてどんな厚みで紙を漉くか, おそらくミリよりはるか下の単位での違いが重要なのだろうと思った.
で, そうしてできてきた紙をわーっともみくちゃにして, そのデコボコした紙の微妙な凹凸を利用して岩肌を描いていた.
日本画の技法について良く知らないので, 珍しい手法なのかどうかは分からなかったが, じっと見入ってしまった.
紙は絵具を支持するものだと思っていたので、その支持体が絵具を定着させるということ以上にもろにマチエールになっていることが面白かった.
支持するものと支持されるものの境界があいまいになっていて, どっちがどっちを決めているのか, あるいは両方が影響しあって立ち上がる表現. 表層と支持体という切り分けではない, 何か別の有り様だなと思った. もう少し掘り下げてみたいと思った.
表参道のモントークがクローズしたとのこと.. 悲しい..
空間は装飾的になりすぎない絶妙なバランスで, テクスチャや色, 家具などが配されていて, 気持ちのいい空間だなといつも思っていた. 床レベルの設定も絶妙で, 1階と表参道の高さも良く, 2階のテラスと並木の距離感も完璧だった. 設計された方は存じ上げないが, すごく好きな空間でした.
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