N塾中島亮が教える、不動産投資の「デメリット」
本稿では、不動産投資のデメリットの大枠を説明したいと思います。耳障りのいい言葉だけに乗せられて不動産投資を始めると大けがをしかねません。確実に収益を出していくためにも予め不動産投資のリスクを押さえておくことは非常に重要です。
始める時に生じるデメリット
不動産投資は入り口を間違えると多額の借金を負ってしまいます。
新築区分ではイメージしたように儲からないことが多いです。対策としては、新築区分は年金代わりと思うこと、現金で買い進めることです。今後の記事でも説明しますが私はあまり新築区分を推奨していません。
地方RCなどは利回りが低いので運用益が出ないことが多いでしょう。さらに買い主に融資が付きづらいので売却自体が困難になります。特にスルガで購入した方は要注意です。
民泊やシェアハウス、店舗賃貸は法律の運用や経済の動向により大きく影響を受けます。つい最近はコロナの影響で多額の借金を負ってしまう人が多く出ました。同時にそういった動向を注視し、収益をあげている人も多くいます。
運用段階でのデメリット
運用段階でのデメリットを見ていきましょう。
なによりも、まず空室リスクです。多くの大家さんの頭痛の種が、せっかく買った物件に人が入らないことです。対策としては安く買い、安く貸すことです。これが高利回り物件の秘訣です。またエリア選びも重要です。このあたりは非常に重要なポイントなので後日改めて記事にします。
次に修理赤字です。人が使うものですから徐々に綻びが生じます。必ずどこかで修理をするタイミングが訪れます。しかし、修理に思ったよりお金がかかり修理赤字に陥ってしまう事例は枚挙にいとまがありません。これは対策がいろいろとあります。良い管理会社を利用すること、購入時に特に排水給水井戸ポンプ浄化槽等の設備に配慮すること(1級建築士の他、リフォーム屋さんに同行してもらうと良いです)、親しい業者さんをキープしておくことです。不動産投資が一人で完結すると思ったら大間違いです。修理赤字を出さないためには高いコミュニケーション能力がなにより大事になります。
さらに地震などの自然災害のリスクがあります。ご存じのように日本は災害国家ですからいつ購入した物件が被害にあってもおかしくはありません。対策としては、保険に入ること(ゼッタイ!)、旧耐震の物件を避けること、また購入する物件を一か所に集中しないことです。
また、金利急騰があります。対策としては、金利が多少上がっても固定を選ぶこと、なるべく1年分のローンの金額をストックしておくことです。
賃借人とのトラブルもつきものです。直接接触は控え、管理会社を経由しましょう。保証会社には絶対に加入することです。借地借家法は借家人の味方なので定期借家にするのが良いでしょう。
サラリーマンの方は副業規定違反に気をつけてください。職務専念義務に反していない限りは基本的に大丈夫ですが、気をつけるに越したことはないです。誰にも話さないのが一番です。また確定申告を工夫しましょう。確定申告では、住民税の徴収方法を会社経由で行うか、自分で納税するかを選択することができます。ここで、自分で納税する「普通徴収」を選択しましょう。普通徴収を選択しないと、家賃収入にかかる住民税も会社の給与から源泉徴収されるので、前述のように会社に知られるリスクが出ますが、普通徴収にすれば、そのリスクを避けることができます。
人によっては一番のデメリット
最後に、なにより対人折衝能力(コミュニケーション能力)が大事です。株などとの一番の違いはここかもしれません。これは不動産投資をする上で一番大事なポイントかもしれません。私の塾でも飛び込みで不動産屋に突入する練習をしますが、コミュニケーションを苦手とする人は本当に苦手としています。これらはコミュニケーション能力向上のために不動産投資とは別の対策が必要になってきます。とはいえ、正直なところ、場数をこなして慣れていくのが近道です。
さらに、コミュニケーション能力を求められる反面、不動産投資は孤独との戦いです。もちろん会社には内緒ですし、さらに、奥様が興味を持っていなければ、ほぼ一人です。私は大家仲間(中島が主宰のN塾)を作って、みんなで話題や情報を共有しています。こういった投資を続ける楽しみを作っていくためにもコミュニケーション能力は大事になってきます。
この記事を書いた人
中島亮(なかしまりょう)
中央大学法学部卒。法務博士
主に地方の一棟アパートを購入する個人不動産投資家。
サラリーマン15年目にアパート投資を開始。
その後、6年間で10棟93戸を購入し、退職。
現在、39棟383世帯所有。年間賃料19,000万円超え。キャッシュフローは実質3,000万円を超えている。大家向けN塾主宰。
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