救急搬送から手術の記録
【64歳・男、既往症:高血圧】
12月7日 朝7時頃に起きたとき、何とも言えない不快感。動き出したら落ち着くかと思ってそろそろと起き上がり出勤準備する。
パンとコーヒーで普通に朝食を取り、区役所に用事があったので、車で区役所に向かう。意識はハッキリしてる。座っている時は立ってるときより大丈夫な感じ。
区役所の地下駐車場に車を停めてエレベータで1階へ。エレベータホールとロビーの間で急に身体が崩れ落ちた。視界が暗くなった感じではなく気づいた時にヘタリ込んでた感じ。バタンとではなく崩れ落ちた。どこにも打撲はない。視覚も失ってない。一瞬は失神したのかも知れないが、意識を失った自覚はない。
数秒は立てなかったが、ゆっくりと身体を起こす。倒れてから立ち上がるまで、たぶん1分もあったかどうか。不安感はあったが、痛み、息苦しさ、吐気などはない。
エレベータで2階に上がり、役所での用事を済ませる。地下の駐車場に戻り、運転席に座る。運転して大丈夫か、しばらく自分の状態を点検。身体のどこにも痛みはなく、息苦しさもない。疲労感はあるが、朝起きたときよりまし。
ダメそうなら自宅に戻ろうと思ったが大丈夫そうなので、運転して大阪に向かう。
運転中に意識を失うことはあってはならない。が、この時はまだ自分が失神したとは思ってなかった。眩暈、立ち眩みであり、座ってたら大丈夫な感触があった。事実、大阪まで30分強、なんともなかった。
契約駐車場に車を停め、会社まで200mほど歩く。特に不安感はなし。ビルのそばまで来たときに電話がかかってきた。少し話し、その通話中に歩道上に崩れ落ちた。
そばにいた人が「大丈夫ですか?」と聞いてくれた。目の前のビルを指差して、「ここ、自分の会社なので大丈夫です。ありがとう」と言える程度に意識は明確。電話中だったことを思い出して、「まだ繋がってるる?」と聞くと相手は何が起こったのか気にしていた感じ。あらためて掛けなおす、といって電話を切る。
ゆっくり立ち上がりビルに入る。受付に、おはようと声をかけ、エレベータでオフィスのある4階にあがる。
エレベータを降り、廊下を少し歩き、自分の部屋の前で再度(三度!)崩れ落ちた。
意識はハッキリしていたが、明らかに何かがおかしいので、壁を背にヘタリ込んだまはま立ち上がるのは諦め、放心状態ながらその異常の原因を考える。
倒れた物音で気づいた社員が、「そのまま動かないで。救急車を呼びます」と。その他にも会話はできていたように思う。すぐに救急車が来た。救急隊員は担架ではなく椅子を持っていた。担架ではエレベータで運べないからだ。救急隊員が脈を取ったり服の前を開き、「心臓みれる病院」みたいなことを言った。私は「渡辺病院?」と聞き直した。
椅子に座り、エレベータで1階まで運ばれる。1階ロビーでストレッチャーに乗せ替えられる。
少し雨が降るなか、ビルの入口からすぐのところに停められた救急車に乗せられる。
すぐには出発せず、受け入れ病院をあたっていた。すぐに「大手前病院、5分ほど」と聞こえる。意識はあり、ずっと会話してたように思う。5分ほどで大手前病院に着く。救急受入の入口から救急の措置室へ。まず、PCR検査される。スーツの上にジャンパーを着ていたが次々とズボンに至るまで脱がされる。
真っ先に点滴ルートを取られたように思う。カテーテルのルートは腕から取る、と説明を聞いたが鼠径部を剃られたし、気づいた時には首から管が出ていた。
心臓エコーの検査に随分と時間が掛けられていたように思う。
「ペースメーカを入れることになる」と聞かされた。
その後の記憶は曖昧だが、要するに
12月7日の朝、アダムス・ストークス発作(徐脈性不整脈)による失神で救急搬送され、その場で一時的ペースメーカを繋がれ、即入院となったのだ。
診断名は「完全房室ブロック」という、これまで聞いたことがない病名だった。
この数年、高血圧の薬は飲んでいるが心臓については何の自覚症状もなく、医者から指摘されたこともなかった。だから、自分では心臓が原因とは思わなかった。身体が崩れ落ちた一瞬以外は意識も清明だったので脳だとも思わなかった。
だから、救急隊員がの口から「心臓」という言葉を聞いたとき、「心臓なのか?」と思った。
12月7日に救急の措置を受けてから、1週間ほどホルター心電図、CT、心臓エコーほか検査を行い、12月13日に予定通りペースメーカを体内植込み手術を受けました。
アダムス・ストークス発作、徐脈性不整脈による失神は、私の場合は意識を失ったと言う自覚はほとんどなかったが、10秒低度?の心停止が起こったということのようだ。あとで調べると、突然死の原因となりうる病気のようだ。
私は意識と身体が崩れ落ちただけで、痛みも息苦しさも感じなかった。救急措置もペースメーカ植込み手術も、部分麻酔でずっと意識はあった。
もちろん、点滴やカテーテル、導尿管など身体のあちこちに針を挿され管を繋がれたが、メスを入れたのは鎖骨したにペースメーカを植込むためのほんの数センチだけ。
ベッドから起き上がれないような時間はほとんどなかったし、初日の処置直後と手術直後、導尿管を入れられていた各1日以外は自分でトイレに立てたし、歩き回ることができた。
ペースメーカ植込み手術の前に、医師から説明を受け、ペースメーカについての冊子を受け取った。読めば大体のことはわかった。
これで1級の身体障害者となるようだ。