ビッグデータから「発見」のためのSNSデータ分析入門(勘違い編)
皆さんこんにちは、ソーシャルリスニングBlogです。
以前、ソーシャルリスニングとソーシャルインテリジェンスがどう違うの
か、というお話をしました。
今回の記事では、もう少し具体的なお話をしたいと思います。
まずは簡単にソーシャルリスニングとソーシャルインテリジェンスの違いを復習した後に、「SNSデータを分析する」ことに対してよくある勘違いについて考えてみたいと思います。
それでは、よろしくお願いします!
ソーシャルリスニングの一般的なイメージ
「ソーシャルリスニング」と聞いて皆さんどんなイメージを持ちますか?
一般的には、データ量が増えた減った、ワードクラウドでこの言葉がたくさん使われている、ポジティブとネガティブの割合、バズっている投稿がこれだといったイメージがあります。
しかし、この程度の分析で終わってしまうと、以下のような活用しかできません。
これらは守りのソーシャルリスニングにあたります。しかし、ソーシャルデータはもっと発展的な活用ができるのです。
ソーシャルインテリジェンスは発展版のソーシャルリスニング
ソーシャルインテリジェンスとは、ソーシャルリスニングの進化版で、SNSデータを通じた行動観察のことです。
消費者の心理や行動が色濃く表れている投稿に注目し、ビッグデータをビッグなまま分析せずに定性的に消費者の心理や行動を深掘りしていくことが特徴です。
これにより、以下のようなことが可能になります。
ソーシャルリスニングに関する勘違い
しかし、普段色々なクライアント様とお話する中で、「それは勘違いだなぁ」と思うケースが時々あります。
①ソーシャルリスニングとは、VOC活動や炎上監視のためのものだ
これはよくある勘違いじゃないかと思います。このようなイメージを持っているために、限定的な範囲でしかSNSデータ活用が進まない様子もあります。
SNSデータを深く分析することで得られる価値は、「守り」だけでなく、「攻め」のマーケティングにも使えるものです。
守りのソーシャルリスニングとしては、VOC活動、ネガティブコメント対策、炎上監視がありますが、攻めのソーシャルリスニングとしては、ブランド育成、消費者インサイトの発見、新しいビジネスアイデアがあります。
SNSデータを分析することで、マーケティングにとって非常に有用な情報を得ることができるのです。
②SNSデータを分析しても意味のないデータばかりで分析に使えるようなものは見つけられない
これも誤解です。
SNSデータには、消費者の認知、態度、行動が色濃く映し出される投稿が多数存在します。
調査目的のために生み出される「人工的なデータ」とは異なり、SNSデータは自然発生する「天然の生データ」です。そのため、分析上不要なものも大量に含まれることがありますが、高精度でクリーニングすることで、マーケティング・リサーチ的に有効なデータにアクセスできるようになります。
③SNSデータを分析しても見つけることができるのは当たり前の内容ばかりで、新しい発見につなげることはできない
これも誤解です。
ビッグデータから「発見」をするためにはロングテールに注目することが必要です。
SNSデータは、ロングテール分布のような特性を持っています。
ショートヘッドの部分は、当たり前・既知の内容でほぼ占められることが多く、消費者の日常的な行為のほとんどは「当たり前情報」です。
一般的なテキストマイニングではヘッド部分しか扱えないため、ロングテールに注目することが重要です。
このロングテールを分析できる「正しい分析アプローチ」を行うことで、SNSデータから新しい発見につなげることが可能になります。
まとめ
SNSデータは、消費者の心理や行動が色濃く表れる貴重な情報源です。
ソーシャルリスニングには、守りと攻めの両方があり、SNSデータを分析することでマーケティングにとって非常に有用な情報を得ることができます。また、SNSデータから新しい発見をするためには、ロングテールに注目し、正しい分析アプローチを行うことが重要です。
ソーシャルリスニングやソーシャルインテリジェンスは、現代のリサーチにおいて非常に重要なものとなっています。
しかし、正しい利用方法を理解せずに行うと、意味のないデータを分析してしまい、時間とお金を無駄にしてしまうことになります。
正しい利用方法を理解し、SNSデータを活用することで、新しい消費者理解を深めることができるようになります。
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