ソーシャルリスニングでSNSデータをどう見るべきか_03 【構造への理解編】
みなさんこんにちは。ソーシャルリスニングBlogです。
今回は、以前投稿したこちらの記事の続きを書きたいと思います。
テーマは、SNSデータを定量的に分析するときのTips的な感じ。
以前の記事(↑)では、絶対値ではなく相対値に注目することで、代表性のないSNSデータからファインディングを得られるよね。という話をしました。
今回は、そこから更に一歩進んで、SNSデータを定量的に分析しつつ、そこからどのようにストーリーを導いていくか、という点を考えてみたいと思います。
SNS定量データから見えてくるもの
結論から言うと、
ということです。
SNSデータを定量的に見た時、例えば、SNS投稿でのブランドメンション(ブランド名が含まれる投稿)が上がった下がったとか、は事実としてそこにあるんですが、それが何を意味するのかは、そのデータの上がり下がりを見ているだけでは見えてきませんよね。
構造への理解
では、どうすれば定量データに価値を生ませることができるのか。
詳しく言うと、消費者がリアルな世界で、どのようなグループに分けられ、それぞれのグループはどのような行動をするのか、そして、各行動ステップの中でどのような心理パターンを持ち、何がドライバー/バリアーになって行動が前進・分析・停止・逆流するのか、という「構造」を把握するという事です。
このような詳細な「構造」を理解することで、その中の各ポイントでのある心理を代表すると思しきキーワードが見えてきます。
そしてそのキーワードがどのような傾向(ここで以前の投稿で取り上げた「相対値」が重要です)を持つのか、を読み取ることができます。
製品Xの例
例えば、製品Xに関して、認知から購入までのジャーニーを定性的に描いた時、Aというカテゴリー共通の特徴への興味関心が購入/非購入を分岐するドライバーになることが分かったとします。(ここは定性的なもの)
そこで、製品Xに関するSNS投稿を特徴Aに関する話題に絞り、競合との比較や時系列での変化を見ます。(ここが定量的なもの)
このステップを踏むことで、ただ製品Xのブランド名が含まれる投稿量を見ている以上の発見を得ることができます。
その後、更に深堀するなら、定量的な差分が何に起因しているのかをデータ群を定量的・定性的に比較することで、背景や理由を把握することも可能です。
定量データが生み出される構造への解像度
このように、ソーシャルリスニングでは、定量的に何かを見ようとしても、定性的な視点が重要になってきます。別の言い方をすると、定性とか定量とか区別をしていません(もちろん、言葉は使いますし、使う技術も異なるんですが、同じ分析者が両方やります)。
この前段の「構造の理解」をしっかりしないまま、汎用的な変数(投稿量、イイね数、ポジネガ割合)や、キーワードランキングなどをどれだけ眺めていても深いストーリーにはたどり着けません。
ソーシャルリスニングも「SNSデータ分析」なので、広くは『データ分析』の一種であると考えています。しかし、主に定量的な何かをイメージしがちなデータ分析の技量だけを持っていてもなかなか深い分析ができないのではないでしょうか。
これがソーシャルリスニング(の定量的な分析)をする上でとっても大事なことだと思う今日この頃です。