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鉄道開業150年・秋の東北旅 (1)

前回のあらすじ

鉄道開業150年を記念してJR東日本から発売されるお得な乗り放題きっぷ「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」を使って、東北旅を計画。秋田県・岩手県・青森県を訪問する2泊3日の旅となります。初日の始発から最終日の終電近くまで移動する体力勝負の旅になりそうですが、果たしてどうなるでしょうか…。

いざ旅立ち

初日は東京駅からの上越新幹線の始発に乗るため、朝5時前の始発で自宅最寄り駅を出発します。とりあえず無事に起きられて安堵する午前4時。

傘を差そうかどうか微妙なくらいの小雨が降っています。天気予報では東北地方は雨が降らなそうですし、傘も荷物になるので、思い切って傘を持たずに出掛けます。

まだ駅の売店も開いていないような時間だというのに、座席が埋まるくらいには人が乗っていました。ちなみにこの日は金曜日。日常的にこの時間から通勤や通学している人もいるのでしょう。

東京駅に向かう電車の中では、車掌さんから鉄道開業150周年の感謝のメッセージがアナウンスされていました。また、3世代家族と思われる5人組の方々が新青森行きの特急券を持っているのが見えました。彼らもこのフリーパスを使って始発で向かうのでしょうか。よい旅を。

東京駅に6時前に到着。「とき301号」に乗って、まずは新潟を目指します。満席とはいかないまでも、大宮を過ぎると8割以上は埋まっていたのではないでしょうか。

6時08分発。無事に間に合いました。
越後湯沢あたり。湯沢高原ロープウェイが見えます。
米どころ新潟。だんだんと青空も見えてきました。

新潟に到着すると朝8時過ぎ。ここから、10分後の特急に乗り換えます。しかし特急では車内販売がなく、さらに次の乗り換えもタイトなので、昼食の時間がありません。駅弁の販売も9時からとのことで、結局どこのコンビニでも見かけるような普通のお弁当を買いました。

初日の昼食はお弁当。

日本海沿いを北上

ここからは特急「いなほ」に乗り換え、3時間半かけて秋田を目指します。平日なのに指定席はかなり埋まっていました。隣の席には結局誰も来ませんでした。

新潟駅を出てしばらくは内陸を進みますが、村上市あたりから線路は日本海に出ます。

道路を挟んですぐ向こうに日本海。奥に見えるのは粟島(あわしま)。

山形県に入ると天気も良くなり、鳥海山が綺麗に見えました。

反対側の窓から見えた景色。

森が色づき始めていました。秋ですね🍁

森の向こうには水平線が見えます。

家で朝食を軽めに食べて出てきたとはいえ、4時起きだったので、早くもお腹が空いてきてしまい、10時にさっきのお弁当を食べてしまいました。きっとまた中途半端な時間にお腹が空く気がします。

前の座席には、礼服を着た人々が乗っていました。通勤通学、レジャー、自分や身近な人のライフイベントなどなど、人々のそれぞれのドラマを150年間支えてきたのが鉄道なのだなあ、などと感じながら列車に揺られていました。

お昼に秋田駅に到着。ここからの乗り換え時間は時刻表では7分ですが、3分くらい到着が遅れたようで、乗り換え時間はわずか4分に。変な時間にお腹が空いた時のために食糧がほしいので、駅の売店に寄ります(次いつ買えるか分からないので)。本当に発車ギリギリの時間になってしまって焦りました…。

慌ただしく男鹿半島へ

秋田駅からは男鹿線に乗り換え。「男鹿なまはげライン」という愛称が付いているそうで、車体にもなまはげの顔が描かれています。

男鹿線の「EV-E801系」。終着駅などで充電して、架線のない(非電化)路線も蓄電池で走れるそうです。

男鹿線は高校生の利用が多いようでした。秋田から離れるにつれて少しずつ乗客が減っていきます。約50分かけて、羽立駅(終点男鹿駅の1つ手前)に到着。ここで男鹿半島を北上するバスに乗り換えます。乗り換え時間8分。今日はこんなギリギリの乗り換えばかりなのです。

羽立駅前。シャッター通りと化していました…

バスに乗り換える人が、他に3人いました。1人は自分と同じように「JR東日本パス」で来た人(同じきっぷを持っていました)。あとの2人は地元のご婦人(仮にAさんとしましょう)と学生さん。Aさんに「温泉はこのバスでいいですか?」と念のため確認します。

バスは20人くらいの小さな車両で、ほぼ満席。お年を召した方が大半でした。Aさんのお隣に座らせていただくと、向こうから話しかけていただいて、会話が始まります。今日の宿を聞かれて名前を言うと、魚が美味しいお宿だとお墨付きを頂き、ますます夕食が楽しみになります。「なまはげ太鼓」もぜひ見に行くといいですよ、と。

地元の人の言葉なのに、意外と聞き取れるな?と思っていたのですが、Aさんは数年前まで入道崎で飲食店を経営されていたとのことで、接客モード(方言抑えめ)で話してくださっていたようです。地元の方との会話となると、半分くらいしか聞き取れない秋田弁にスイッチ。乗客がほとんど知り合いで、地元の方同士で話しているという風景は、都会ではなかなか見られません。でもどこに行くにも知っている人がいて、何でも筒抜けなのも辛いなあ。

僕はこの後入道崎まで行きますが、Aさんは途中で下車。「この先もお気をつけて」「そちらこそお体に気をつけてお元気で」と声を掛け合ってAさんと別れます。普段、旅先でも地元の人とあまり話をしないので、新鮮な体験でした。

さて、まだ1日目の半分なのですが、すでにかなり記事が長くなってしまいました。続きは次の記事に回します。

<↓続く>