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その5. 仮面ライダーから学ぶ、ユーザーの目線で考える【新規事業・新商品開発における10の法則】
毎週月曜7:00に配信している【新規事業・新商品開発における10の法則】。今回は、「5. ユーザーの目線で考える」について解説します。
「そんなこと言われなくてもユーザーの目線で日々アイデアを考えているよ」と思っている方もいるかもしれませんが、果たして本当にそうでしょうか?
企画者から見たユーザー目線
多くの場合、ユーザー目線ではなく、企画者から見たユーザーの目線、例えば子ども向けの商品であれば、本当は子どもの視界からものごとを見なければいけないのに、企画者から見た「子どもってこんなもんだよね」、シニア向け商品の場合も、本当はシニアの目線で見なければいけないのに、企画者から見た「シニアってこんなもんだよね」、そういったイメージでユーザー目線として語られていることがあります。
次の画像では、具体的に仮面ライダーのグッズ(おもちゃ)を例に解説します。
仮面ライダーV3のベルト
まず左側は、「仮面ライダーV3」です。
V3なので、三代目の仮面ライダーですね。
そして、その下にあるのが仮面ライダーV3のおもちゃのベルトです。
この2つの写真を見るとお分かりになるように、本物がしているライダーベルトと、おもちゃのベルトとは微妙に違います。
実は私も子どもの頃、このおもちゃのベルトを持っていたのですが、大きな不満がありました。
その不満とは、「僕のベルトは本物のベルトとは違う」という不満です。
推察するに、バンダイさんは、
「子ども向けのベルトだから、この金属の部品はプラスチックでもいいや」
「ここの風車は、おもちゃなのでこの風車は回らなくてもいいや」
(仮面ライダーは風車エネルギーを利用して変身するため、風車は大事なパーツです)
と考えられていたのではないでしょうか。
結果として、当時の子ども達の不満(本物のベルトは僕のベルトとは違うという不満)が起きました。
仮面ライダーゼロワンの変化
一方、右側の写真をご覧ください。
最近の仮面ライダーである「仮面ライダーゼロワン」と、そのおもちゃのベルトです。
あるとき、バンダイさんは気づきました。
本物のベルトとおもちゃのベルトが違うことで、子ども達に不満が起きていると。
そして、考えた解決策がとてもユニークです。
その解決策とは、
「そうだ!おもちゃのベルトを本物にさせればいいじゃないか!」
ということです。
そう、最近の仮面ライダーが付けているベルトは、実は、実際に売られているおもちゃのベルトなのです。
この写真を見て、「なんかおもちゃっぽいよね」「ダサいよね」と思うのは、実は大人の感覚です。
子ども達はどう思うでしょうか。
「あ、僕がしているベルトと同じベルトをしている」「かっこいいなあ!」、このように子ども達は感じるのです。
バンダイさんはこのように戦略を展開してから、仮面ライダーのグッズ市場を大幅に成長させることに成功しました。
誰の視界でものごとを見ているか
このように考えると、「●●向け」と言いながら実はその対象から世界を見ずに「企画者から見た●●」という視界で設計されている商品がとても多いことに気づきます。
他には、シニア向けの商品といいながら、実際にシニア世代の視界でものごとを見ていない「企画者から見たシニアってこういうものだよね」という風にみなされて設計されている商品も多く見受けられます。
新しい商品やビジネスをデザインする時に、ターゲットを明確にすることはとても大切です。
しかしながら、その企画されたアイデアが本当にそのターゲットの視界でものごとが見えているかを再度点検することがとても大切です。
・自分から見た●●向けの商品になっていないか
・本当にユーザーの視界でものごとが見えて設計されているか
これらの点をふまえてアイデアを考えていくことがとても大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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