その9. FREE(無料)の設計が重要【新規事業・新商品開発における10の法則】
【新規事業・新商品開発における10の法則】の9番目、FREE(無料)の設計が重要について解説します。
サービスの提供先とお金の取り先
通常のビジネスでは、サービスとプロダクトの提供先から、そのリターンとしてお金をいただくのが一般的なやり方です。しかしながら、インターネット革命以降、サービスの提供先とお金の取り先をずらすことが非常に進化してきました。
Googleの事例
身近な例としてGoogleが挙げられます。
Google検索を日々使っている方はとても多いと思いますが、一方でGoogleにお金を払っている人はどれだけいるでしょうか。とても少ないと感じるのではないでしょうか。
では、Googleはどのようにして儲けているのでしょうか。Googleは決してボランティア集団ではありません。サービスを提供し、その対価として利益を得ています。
Googleには日々ものすごい数の人が訪れます。
そしてそこに広告というビジネスを展開しています。すなわち、検索というサービスを提供して、実際にお金の取り先は広告主から利益を得ているのです。サービスの提供先とお金の取り先をずらすという考え方です。
昔からあった考え方ですが、インターネット革命以降、このやり方が非常に進化しています。
すなわち、
無料でサービスを提供して人を集める
↓
人が集まることに価値があるので、そこから別のサービスを展開していく
↓
利益を得る、
という考え方です。
これがFREE(無料)の設計です。
次の図で具体的な例を説明します。
Paykeの事例
株式会社Payke 公式ホームページより引用
https://payke.co.jp/business
外国人向けお買い物サポートサプリ「Payke」というサービスがあります。
このアプリをダウンロードすると、カメラが起動します。そして商品のバーコードを読み取ると、商品の解説が画面に表示されます。
そして、この説明は各国語の対応をしています。すなわち、インバウンドで日本に来た外国人が「この商品は何だろう?」といった時に、このアプリをかざすだけで商品の説明が出てくるというとても便利なアプリです。
このアプリ自体は無料。そしてこの商品の説明も各メーカーが無料で提供してくれています。
では、この会社は一体どのようにして利益を得ているのでしょうか。
ここでFREE(無料)の設計の考え方が出てきます。
このアプリはとても便利なので、訪日した多くの外国人がダウンロードします。
そしてダウンロードする際に、性別・年代・何語を使うのか(どこの国の方か)という情報を入力することになっています。
そう、この無料のアプリによって多くの外国人の方達が集まってくる、そしてどの商品の情報を見たのかということが非常に大きな価値を持つということになります。
株式会社Payke 公式ホームページより引用
https://payke.co.jp/analytics
このようにして集めた、訪日外国人がどこで何に興味を持っているかという情報は非常に価値を持ちます。
そしてこの会社はインバウンド向けの商品を開発している会社に情報をマーケティングデータとして販売し、ここから利益を得ることができています。
これまで説明してきたように、FREE(無料)で集める、そしてそこに価値を生み、その価値をまた違うところに販売して利益を得るというFREE(無料)の設計の考え方が見事に応用されている例と言えます。
みなさんもぜひサービスの提供先とお金をいただく先を直線的に考えるのではなく、このFREE(無料)という武器を使ってサービスの提供先とお金をいただく先をずらしてみるということができないかチャレンジしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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