XEMEX社ZEOクリップ
この度、職場で新しい内視鏡用止血・縫縮クリップを購入する方向となりました😄
内視鏡用止血・縫縮クリップとは、内視鏡の鉗子を出し入れする鉗子口から細長いしなやかな金属製の外筒に収められた爪状のホッチキスみたいなもので出血している部分やポリープの内視鏡的粘膜切除後の開いた傷口を閉じる為に使います😉
この種の製品としては、オリンパス社の最も古い回転式クリップ装置、それを大幅に改良したEasyCLIP、XEMEX社のZEOクリップがあります。
最も古いオリンパス社の最も古い回転式クリップ装置がコストが安いのですが、クリップ(ホッチキスの玉に相当します)の取り付けや操作が大変ややこしく、今ではほとんど使われていません。同じオリンパス社のEasyCLIPは操作が簡便で、現在数多くの医療機関で使われていますが、コストも最もかかります。XEMEX社のZEOクリップはその中間くらいです。
例えて言えば、古いオリンパス社の最も古い回転式クリップ装置が先込め式の火縄銃だとすれば、XEMEX社のZEOクリップがボルトアクション式ライフル、オリンパス社の改良されたEasyCLIPはセミオートライフルみたいな感じです。つまり引き金を引けば玉が出る、と言うことですね。
古いオリンパス社の回転式クリップ装置はクリップを取り付ける段で細長い棒の先にあるフックにクリップを取り付ける作業が老眼には極めてキツく、昔の長篠合戦の如く、3本くらい回転式クリップ装置を用意しておき、予めクリップを3本ともセットした状態で内視鏡検査にのぞみました。実際クリップする段になると、内視鏡室の外の明るいところで、老眼が来ていない若い先生にクリップの取り付けをしてもらいながらクリッピングをしたものです。これを当時「三段撃ち」と言ってました(笑)
オリンパス社の改良されたEasyCLIPは、専用のカートリッジにクリップが取り付けられており、クリップ装置のハンドルを押して引くだけの操作で取り付けが完了します。まさにセミオートライフルです。ただし、次に押してクリップが出て先が開いた状態で更にハンドルを押し続けると、折角開いたクリップが閉じてしまい、狙った位置でなかった場合にはクリップを無駄にしてしまいます😅
XEMEX社のZEOクリップも専用カートリッジにクリップが取り付けられています。クリップを取り付ける内筒に外筒が被さるようになっていて、クリップを外筒から出し入れする持ち手と実際にクリップを掴んだり離したり閉じたりするハンドルに分かれていて操作に慣れを要します。ただ、実際クリップを開いて閉じる動作に入っても閉じ切らなければ、もう一度クリップを開くことが出来るので、クリップの無駄が出にくい仕様になっています。十分狙いを付けてクリッピングでき、ボルトアクション式ライフルみたいな感じです。
ZEOCLIPの実際の操作は以下の通りです。
操作部の役割
■内筒操作部 クリップを出す 引っこめる
■ハンドル 3段階
一番引いた位置 クリップリリース位置
真ん中 クリップセット位置
全押し クリップ縫縮位置
内筒操作部を押して内筒を外筒から出す⇨ハンドルを引き切ってリリース位置にする⇨カートリッジに外筒を奥まで差し込み、ハンドルを1段階押してクリップを内筒にセット(セット位置)⇨カートリッジを下向きにしながら外筒をカートリッジから引く(先端にクリップが開いた状態で掴まれている)⇨内筒操作部を引いて内筒を引っ込め外筒を被せる⇨装置を鉗子口に入れる⇨内筒操作部を押して内筒を出してクリップを開く⇨位置合わせする⇨ハンドルを閉じきって縫縮⇨ハンドルを引ききってリリース⇨内筒操作部を引いて内筒を引っ込める⇨装置を鉗子口から出す
以上、内視鏡に興味がない方には全く面白くない話でした😅
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