SONY DAC-AMP PHA-3
SONYのDAC(Digital-Analog Converter)内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ・PHA-3です。何故英国iFI社製小型DAC iDSD nanoを持ってるのに、わざわざこれを購入したのか、というのは、ひとえにバランス出力に対応しているからです。
上の写真でも分かるとおり、普通は3.5mmステレオピンプラグが一つですが、右と左別々に接続できるようになっていることが分かります。これに対応したヘッドフォンは同じくSONYのMDR-1Aか、MDR-Z7しかありません(他社製は接続できません)。
上の写真のSONYのハイレゾオーディオ対応の4~100,000Hzの超広帯域再生を実現した大口径70mmドライバーユニットを採用したMDR-Z7を導入したので、それに対応したPHA-3を導入した、というのが本当の所です😅。
以前導入した、デジタルオーディオプレーヤー DP-X1もバランス出力に対応しているのですが、2.5mmの4極プラグで、SONYは3.5mmステレオピンプラグ2本で、3.5mmステレオピンプラグ2本を2.5mmの4極プラグに変換するケーブルを自作すれば繋げないことはないのです。しかし、前回、視聴でDP-X1の2.5mmの4極プラグでPioneerのバランス入力に対応したハイレゾヘッドフォンSE-MHR5とONKYOのES-HF300を試す機会がありましたが、ややバランス入力の方が解像感は高く、左右の音の分離はいいような気がしましたが、従来の非バランス入力(3.5mmピンジャック)と音質的な差はそれほど見出せませんでした。SONYはなぜ2.5mm4極のピンジャックを採用しなかったかについては、2.5mm4極では端子の非接触面積が小さくなりすぎて、音質的に大きい影響があると判断、敢えて3.5mmステレオピンジャック2本にしたらしいです。
そのDP-X1にUSBホストケーブル(OTGケーブル)でSONY PHA-3に接続(ただのUSBケーブルではDP-X1がPHA-3を認識しません。また、オーディオテクニカのオーディオ用USBホストケーブル・AT-EUS1000otgのようにmicroUSBケーブルによってはどちらの差し口もメスタイプになっていますが、DP-X1側を「A」、DAC側を「B」にしないと認識しません)し、付属のケーブルは音があまりよろしくないので、キンバーケーブル・MUC-B20BL1でバランス入力でMDR-Z7に接続して聴いた音楽は、一言で言えば極上の音楽です。特にONKYO DP-X1でダイレクトDSD再生やMQA 352.8kHz再生は素晴らしいの一言ですね❗️😊✨。DSDのダイレクト再生やMQA再生は低域から高域にかけての表現力が素晴らしく、まるでコンサートホールにいるかのような音場の広がりまで感じさせてくれます。一つ一つの楽器の音色がはっきりと良く分かり、その演奏は大変艶やかで、もう言うこと無しですね❗️。なお、PHA-3本体の192kHz/24bit相当にアップサンプリングする「DSEE HX」機能は変なプツプツノイズが乗るのでOFFにした方が良いです。それよりもDP-X1のDSP機能で352.8kHzまでアップサンプリングした方がお勧めで、この効果が思いのほか高いです。
このPHA-3というDACヘッドフォンアンプ、あまりオーディオ雑誌では紹介されていませんが😅、ソニーのホームページを見れば分かる通り、相当な気合いを入れて作ったようです。DACに採用されたES9018というESS社製のDACは超高級オーディオ機器(例えばAccuphaseの据え置きDAC・DC-901など、メーカー希望小売価格何と1,188,000円!)やハイエンドAVアンプに搭載されている世界最高水準の8ch・DACで、PHA-3では8chを全て使い切ってパラレル駆動しているとのことです。
単純な DAC の SNR性能を比較した下記のデータがあります。SN130グループが最高ランクで、DP-X1の2ch DAC・ES9018K2MはSNR上はBurr-Brown (現在はTexas Instruments社に吸収合併)PCM1792と同クラスでES9018よりは1ランク下になります。
SN130グループ:ES9018
SN125グループ:ES9018K2M=PCM1792,1794=WM8741
SN120グループ:ES9016K2M=WM8740=CS4398
SN110グループ:ES9023=ES9010K2M=DSD1793=PCM5102=CS4392
もちろん、DACヘッドフォンアンプの性能はDACで全て決まる訳ではありません。DAC周りの回路設計、オペアンプの善し悪し、高品質部品の採用、電源周りの設計等の要素でDACの能力をフルに引き出せるかどうかが決まります。その当たりはハイレゾウォークマンや高級オーディオの回路設計のノウハウのあるSONYは全くぬかりなく、PHA-3では、例えば6層スルーホール基板を採用することにより、バランス回路にベストな設計を行うことができたそうです。一例を挙げると、一番表面の基板にはほぼ全面にわたって切れ目のないパターンが配置されていますが、実はこれ、グラウンド用の配線ではなく、外部からの電磁的な悪影響を防ぐために、どこにも繋がっていないパターンをあえてデザインし、シールドとして活用しているんだそうです😅。同軸ケーブルと同じ考え方ですね!。
PHA-3の基板では信号ラインの安定やLR、正相、逆相の引き回し方に細心の注意を払い、6層ある基板をほぼ全て使い切るという、贅沢な作りになっています。電圧増幅部などにはオールFET構造で定評のあるOPA2604に加えて低ノイズ・低歪率の高品質LME49860を採用、出力段には電流帰還型高級ヘッドホンアンプをバランス出力対応のためTPA6120をダブルで搭載等、音質を最優先した半導体デバイスを採用し、出力段には電流帰還型ハイスルーレートアンプICを搭載、正負2電源方式によるPCL出力段により、ヘッドホンを高品質かつパワフルに駆動することが可能となっています。
ポータブルデジタルオーディオプレーヤー ONKYO DP-X1とポータブルDACヘッドフォンアンプ SONY PHA-3、バランス入力対応ハイレゾヘッドフォンSONY MDR-Z7の組み合わせは一つのポータブル・モバイル・ハイファイ・オーディオの到達点を見た気がします😊♪✨
ヘッダー画像転載元(SONY公式ホームページ) : http://www.sony.jp/headphone/products/PHA-3/
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