音楽ファイル形式について(ハイレゾ含む)
最初に言いたいことを書きます(笑)
それは、noteでも音楽ファイル形式としてflacを採用してほしいということです!
このnoteのサウンドノートが対応しているファイル形式は、MP3かAACです。これはiTunesでも採用されているファイル形式で、高圧縮でファイルサイズが小さくなるメリットがあり、現在web配信のファイル形式では圧倒的なシェアを誇っています。
アナログ音源のデジタル化について
「以前ハイレゾ音源、そしてアナログレコードの音の違いについて」のテキストノートで書いた通り、CDの場合、量子化といってアナログの音の大きさを16bit(65,536段階)のデジタルデータに変換(このbit数を量子化ビット数といいます)しており、また一定時間毎の音の大きさを取り出す頻度と言えるサンプリング周波数は44.1kHzとなっています。これは、音の波形を正しくデジタルデータ化するにはその波形の持つ周波数成分の帯域幅(20~20kHz)の2倍より高い周波数(サンプリング周波数)でデータ化する必要があるためです。サンプリング周波数の1/2の帯域幅の外側の周波数成分(20kHzより高域の周波数成分)は、デジタル化する前に帯域制限フィルタによりカットしてあります。
これはどういうことかと言いますと、ズバリ、上の図の通り、ぎりぎり何とか元の波形を留めてデジタル化できる周期がCDの場合、44.1kHzの半分の22.05KHzだからです。ちなみに上の図では黒線が元のアナログ波形、赤線がデジタル化された場合の波形です(これを見ても、とてもではないですが、20KHz付近ではデジタル化した場合の波形が怪しいことになっていることがお分かりかと思います^^;)。つまり、理論上、22.05KHz以上の高周波は最早もともな波形として記録出来ず、アナログに戻したときに意図しないとんでもない音を発する原因にもなります。そこで、人間の可聴可能な高域周波数は20KHzのため、CDへの録音では余裕をみて20KHz以上の音は思い切ってスパッとフィルターでカットしてそれからデジタル化をしています。
様々なファイル形式
MP3
・非可逆圧縮の音声ファイル形式
・量子化ビット数/サンプリング周波数は16bit/48kHzまで対応できる
・アルゴリズムで聴こえないとされるデータを間引いて圧縮しているため、量子化ビット数/サンプリング周波数が16bit/48kHzであっても非圧縮や可逆圧縮の音声ファイルより音質が劣る
・データ容量が無圧縮と比べておよそ30%から10%まで小さくなる
・ジャケット画像の埋め込み、楽曲情報の記録ができる
AAC
・iTunes Storeが採用している非可逆圧縮の音声ファイル形式
・量子化ビット数/サンプリング周波数は24bit/96kHzまで対応
・アルゴリズムで聴こえないとされるデータを間引いて圧縮しているため、量子化ビット数/サンプリング周波数が16bit/48kHzであっても非圧縮や可逆圧縮の音声ファイルより音質が劣る
・データ容量が無圧縮と比べておよそ30%から10%まで小さくなる
・ジャケット画像の埋め込み、楽曲情報の記録ができる
これを見て分かるとおり、MP3やAACは確かにCDよりは量子化ビット数やサンプリング周波数は高い場合もありますが、元々の波形で人間の耳に届きにくいと思われる成分を省いて大幅に圧縮率を高めています。デジタルデータから元のアナログの波形に戻した時元通りのアナログの時の波形に戻らないので非可逆圧縮と言われています。非可逆圧縮の場合はいくら量子化ビット数が高くても、サンプリング周波数が高くてもハイレゾとは呼びません。
ハイレゾとは?
ハイレゾとは、CDよりも高い量子化ビット数やサンプリング周波数を持った可逆圧縮の音源のことを指します。ファイル形式には、従来のスーパーオーディオCDと言われたSACDの形式であるDSDが先行していましたが、ファイルサイズが大きいのが難点でした。最近、フリーの波形が完全に元通りになる可逆圧縮で、なおかつCDよりも高い量子化ビット数やサンプリング周波数で記録でき、しかもMP3やAACほどではありませんが、そこそこ高い圧縮ができる(およそ60%前後)、flacというファイル形式がwebでのハイレゾ音楽配信で普及してきています。なお、flacはfree lossless audio codecの略です。
FLAC
・可逆圧縮の音声ファイル形式
・量子化ビット数/サンプリング周波数は24bit/192kHzまで対応できる
・元のデータへ完全に戻るように圧縮して保存されているため、理論上、圧縮での音質の劣化はない
・データ容量が無圧縮と比べて70%から50%まで小さくなる
・ジャケット画像の埋め込み、楽曲情報の記録ができる
・多くの再生ソフトに対応しているがiTunesでは再生できない
ただ、問題は「比較的多くの再生ソフトに対応しているがiTunesでは再生できない」という所です。ただ、WindowsやMac OS Xで使用できる、フリーの音楽再生ソフトがあります。なお、ハイレゾの再生はコンピューター本体の再生能力に限界があり、きちんと一応再生はできるのですが、いい音で楽しみたい場合は外付けのUSB接続のデジタルアナログコンバーター(DAC)を使われることをお勧めします。DACにはヘッドフォン使用を考慮した持ち運び可能なポータブルなものから、スピーカー接続を考慮したアンプ内蔵型まで様々なものがありますので、用途に応じて選ぶと良いと思います。
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flac対応の音楽再生ソフト
KORGが配布しているフリーのハイレゾ再生/変換ソフト、AudioGate
AudioGate公式ページ : http://www.korguser.net/AudioGate/jp/
Macの場合、VOX.appというアプリをMac App Storeからインストールして使うという方法もあります。
自分の場合はWindowsでしたので、最初はfoobar2000という有名なフリーのハイレゾ対応の再生ソフトを使っていました。ただ、foobar2000は設定を最適化しないと音飛びをしたりするのと、きちんと設定しても、よく聴くと高音の歪みがどうも気になってきました。元々フリーのソフトで音質を考慮して作られている訳ではありませんので、自分の場合は有料のJRiver Media Center 21を購入しました。
株式会社GING JRiver Media Center 21
JRiver Media Center 21は上記サイトではオンライン購入できますが、自分の場合はanazonで購入しました。amazonで「JRiver Media Center Ver21 マスター・ライセンス (Windows,Mac,Linux)」と検索(JRiver Media Center マスター で検索してもいいと思います)すれば出てくると思います。見て分かる通り、Windows、Mac、Linuxとトリプルライセンスで、しかもお値段が7,600円で、各OS単体の場合が株式会社GINGさんで購入した場合が5,980円ですから、かなりお得です。
noteでもflacを採用してほしい
これが一番言いたかったことです。世の中の流れはハイレゾに動いています。ソニーのウォークマンもいったんはiPodに市場をほぼ奪われましたが、最近はハイレゾで復活してきていると言います。ファイルサイズはMP3の2~7倍くらいにはなってしまいますが、音の良さではMP3やAACとは比較になりません。ここは是非ともnoteでも音楽ファイル形式にflacを採用頂きたいと思います!
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