評価経済の「時間」の不平等さ
「評価経済」という単語がインフルエンサーや著名人、有識者界隈で頻繁に使われるようになりました。
聞きなれない人のために一応説明をしておくと、これからは個々が個人レベルでそれぞれ評価を受け、その評価に見合った対価を手にする、というものです(多分)。
年々人口が増加している「フリーランス」たるものはその最たる例でしょう。そこで古くから議論されている命題を引っ張り出して、色々考えてみました。
「時間は皆平等か?」
さて、この答えは過去から現在まで、はたまた未来まで、同じ解を保ち続けているのでしょうか。
この命題に対し、3つの視点、
・長さ
・速度
・価値
から考えてみます。
時間の長さはみな平等か
これは生まれながらにして平等ではないでしょう。
生まれた境遇や、遺伝子のレベルでも変わってくるでしょう。ある程度は後天的にコントロールできるとは言え、各々が使える時間を生→死の期間という大枠で捉えると差が生じてしまいます。
また、同じ時代に生きていたとしても生まれるタイミングですら変わってくるでしょう。
それは医療や科学の進歩によるものかもしれませんし、テロや戦争などといった生の確率に変動をきたすものかもしれません。
よって、「時間の長さは皆不平等」だと言えるのではないでしょうか。
時間の速さは皆平等か
これは正確には「時間の長さに内在する速度」と考えます。時間の進む速度は人ごとに違うのでしょうか。
これについては、フランスの哲学者であるポール・ジャネがヒントをくれています。
ジャネの甥が著書に記した「ジャネーの法則」は、「生涯におけるある地点の時間の心理的長さは、年齢の逆数に比例する」という現象に名を付けたものです。
頭を使いたくない方のために分かりやすく説明すると、「年をとると1年が早いねぇ」というアレです。
この法則は人が生きていく過程において、新しい認知が徐々に既知になることにより、脳が情報を仕入れる際に既知だと判断し脳内処理がルーティン化されていくことが原因とされています。ようは脳が外界の情報に慣れていってるのですね。またアレか、と。
頭の回転が速い人は気づかれたかもしれませんが、この法則には抜け道があります。それは、新しい認知、いわば未経験・未体験のことに挑戦することで、既知のルーティンから抜け出せるのです。
これらを考えると、「時間の速さは人それぞれ違う」と言えるでしょう。
時間の価値はみな平等か
平等ではありません。これは第三者視点から見た個人の価値なので、個々が自分の時間に感じる価値のことではありません。
時間にはお金が発生します、時は金なりといったところでしょうか。
ここでようやく本題に入る感じになるのですが、評価経済において個人の価値をトレードするサービスが最近増えてきたように感じます。
ちょっと前に流行った(今は知らない)「VALU」なんかもそのひとつと言えますね。
その中でも、今非常に注目しているサービスがメタップス社の「タイムバンク」です。
このサービスは、超ざっくり簡単にまとめると、「個人の時間を売買できる」ものです。児童小説「モモ」なんかを読んだことがある人はしっくりくるかもしれません。こないかもしれません。
この「タイムバンク」ですが、それこそ新しいサービスのようで、内実はコンサルタントという職業に幅を持たせてブレイクダウンしたように感じはします。
ただひとつ明確に違いがあるのは「BtoBではなくCtoC」というところでしょう。これは時代の変化の流れを完全に捉えているサービスだと感心しました。
これまでのビジネス枠の時間の売買から、とうとう個人間における時間の売買が行われるようになったのです。
誤解を恐れずに言うならば人が持つ時間の価値が可視化される時代になったと言えるでしょう。
この価値の恐ろしいところは、時間の価値が高い人は指数関数的に価値が跳ね上がり続けるのに対し、時間の価値が低い人はいつまでもそのままというところです。
この時間の価値の決定要因は個々の能力如何はもちろんのところですが、SNSや情報を入手するメディアが氾濫する現代においては、「需要と供給」によって決まります。株なんかと同じですね。
その人の時間を欲する人が増えれば増えるほどその人が持つ時間の価値は高まり、逆にその人の時間を欲する人がいなければ客観的に見てその人の時間の価値は低いです。
そんな感じで、今まで以上に「個々(時間)の価値の二極化」が進んでいるように思えます。
結局何が言いたいの?
結局は個々の努力量がもろに個々の価値に反映される時代になったということを言いたかったのです。
逆説的に言えば、正しい努力をすれば誰でもカーストの上位層に下克上を起こせる時代になったんだと思います。昼寝してる場合じゃないなこれ。
みなさん、今日も1日がんばりましょう。
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