さよならVALU

VALU一考

今年の夏前に一世を風靡した「VALU」を覚えていますか?

かくいう私もVALUに購入側で参加していました。

今回はそんなVALUについて、個人的な主観を交えた、もはや主観でしかないお話をひとつしようと思います。

これはすごいサービスが出た!

サービスのリリース初期、これは評価経済時代の流れにのった画期的なサービスだと身震いしたのを覚えています。

同時に必ず流行ると確信し、即座に購入者側として参加しました。ここで注意してほしいのが、「必ず流行る」と確信したということです。

【世のため人のため】

このVALUのいいとこは、性善説に基づきつつも+αでしっかりリターンが考えられたサービスだということです。

銀行に貯蓄し、誰の役に立つかも分からないことをするのであれば、信用している人に投資する方がいい。

その人ががんばればがんばるほどリターンもありますし、とりあえず自分は何もしなくても、その人が努力して大成すれば結果としてお金も増えるわけです。

【成長の可能性大】

かつここはスタートアップの中の人の話になるのですが、市場へのファーストアプローチ(シード)から2〜3段階のステージを踏んで適切なマーケティング等を行えば、次代のスタンダードなサービスにもなり得る可能性を感じていました。

分かりやすく言うと資金調達だったり、資本提携だったり。ようはITに疎い連中にもアプローチすることで分母さえ増やせればイケるのでは…?と考えていました。

最近で言えば暗号通貨が流行ってますよね。先日バーで横のサラリーマンが「仮想通貨って知ってる?」って話をしているのを聞いて、ついにここまできたかと思いました。そんな感じです。

だがしかし、VALUは聖者を演じすぎた

サービスの利用者(だった人)はご存知の通り、VALUは徹底的に投機目的の参加者を排除しようとしていました。

それを市場の原理を無視した愚策だと考えていたのは、私だけなのでしょうか。

参加する分母を増やすためには必ず投機者の存在も必要で、投機者によって価格が上がり、売る側が見合ったリターンを考える、投機者によって価格が下がれば、それを挽回するリターンを考える。

事業者としては、本来はそういった負の参入者を正のループに組み込むような施策であったり、仕組みを考えなければなりません。

ですがVALU側は「投機者は認めません」の一点張り。

これでは先は見えているでしょうし、じゃあなんでビットコインでの購入制にしたんだw(多分理由が色々あると思いますが、それを差し引いても投機目的の排除を謳いながらビットコインを利用する意味は理解しかねます)

【むしろ投機者を大事にすべきだったのでは】

そもそもVALUは、ICOで言うところのトークンと同じなんですよね。奇しくもビットコインを利用しているところまで同じです。

トークンの購入なんて9割以上が投機目的でしょうし、過去にそれを裏付ける事件(使えないトークンが暴騰。「EOS 仮想通貨」とかで調べてみてください)もありました。

最近で言えばモナコインなんていい例です。投機が投機を呼び、暴騰しまくってる状態ですね。

また同様に、厳しいことを言うようですがVALU自体に魅力が無くなったら手放すのは当然だと思います。かつVALU参加者の9割が投機目的だったとして、その参加者が売り抜けた後に市場がどうなってしまうかも容易に想像できるでしょう。

そういった投機者を手放さないように魅力を保ちつつ、徐々に本当の意味での投資家を参入させるべきだったのではないでしょうか。

結果としてインフルエンサーの搾取ツールに

一番の失敗はインフルエンサーと呼ばれる方々に目をつけられたことでしょう。

これは結果論なので、インフルエンサーが悪いというわけではありません。

当時、本来であれば「投機者を排除する」という思考に最もそぐわない「インフルエンサーの参入」を、VALU側が静観している状態でした。

そもそもそういった力を持たない人を応援するというビジョンなのに、ビジョンとは真反対の現状を静観している状態を少し不安に思い、割と早目の段階で売り抜けました。売り抜けるの大変でしたが。

先にインフルエンサーは悪くないという旨を述べましたが、中には「近日中に優待を設定します」と声高らかに宣言した後、何も実施しないインフルエンサーが何人もいました。

その人たちは悪い人たちですね。まぁ倫理的な話にはなりますが。

【polcaとかが本来あるべき姿だった】

家入さん率いるキャンプファイヤーがやっている「polca」こそ、VALUが本来あるはずだった姿のように感じます。

polcaは現金(当たり前だけど重要)で誰でも参加できますし、かつ投資というよりは「施し」に近く、それが巡り巡って自分に返ってくることが稀にあるにせよ、ほぼ無い前提での金銭の受け渡しを推奨しています。

応援することで自分が気持ちよくなって、相手も応援されて嬉しくなる、かつ資金的にも援助をしてもらえる。

言い方がちょっと悪く聞こえるかもしれませんが、これはとても素敵な仕組みだと思います。投機がほぼ絡まない以上、少なからずそこに「優しさ」は介在するでしょうし。

これが本来あるべき「投機目的の排除」が実現された姿ではないでしょうか。

ヒカル事件

YouTuberヒカル事件を覚えていますか。

そもそもインサイダーの整備もされていないような市場で、あのような事件が数ヶ月起きなかったことが奇跡でしょう。

そしてYouTuberのヒカルは、私たちに非常に有益な警笛を鳴らしてくれたと思っています。

まぁ真相のほどは全く知らないのでどうでもいいですが、あの事件はVALUの潜在的だった大きな問題のうちの一つが顕在化した瞬間だったと言えるでしょう。

色々言ってきたけど

割と辛辣なことばかり述べましたが、個人的にはまだまだ巻き返すことはできると思います。

がんばれVALU!負けるなVALU!

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