傷は治らない。

忘備録: 傷は治らない。

今の世の中、色んな心理メソッドの情報があって「トラウマ」とか「インナーチャイルド」とか、そんな言葉を誰でもが知っている。

まるで「心の傷の治し方」がたくさんあるみたいな印象を受けるのだけど、私は「心の傷って治らないよ」と言いたい。念の為に加えると、これは「一生被害者」っていう意味ではない。被害、加害、という概念と全然違う次元で、傷は傷として残るし、傷つく前の状態には戻れない。

だから、自分に対しても、人に対しても、傷を再びつくらないために、立ち止まることが大切なのだと思う。

傷ついちゃったら、
傷の痛みに気づいて、認めて、
傷ついたままで安心して生きることができるように、
日々生き続ける中で、
少しずつ自分が安心していられるような言葉増やして、
少しずつその言葉を使える場所増やして、
少しずつ、
傷ついたままで安心して生きることができる場所を増やしていく。

そういうことならできる。

傷つかない人なんかいない。

「尊厳のある人間」としての生きる意味を積み上げ続けて、
一瞬一瞬生きていることを、認め続ける視点を育むことを大切にしたい。

知識って大事だけど、私は知識を人を分析するために使う人が大嫌いだ。
あたたかな眼差しをふくよかにするために、知識というリソースを使いたいし、知識がそんな風に使われて欲しいと思う。